ロックマンエグゼの総括

 ロックマンエグゼは,第6作において一応の完結を見た.そして,エグゼを開発したスタッフは新たなロックマンシリーズ「流星のロックマン」を製作していることが判明した.「流星」がエグゼの血を引くゲームであることは間違いないが,現在公開されているゲーム画面を見た限りでは,まったく別物と言って良いほどのものである.しかし,エグゼより進化した「流星」に期待している自分も確かにいる.

 そこで,ロックマンエグゼとは一体なんだったのか,ユーザーの視点から総括する必要があるように感じられた.「自分はロックマンエグゼが好きだ」という人でも,「そのすべてが好きか」と問われれば,おそらく多くは「否」と応えるだろう.ロックマンエグゼの本質を改めて捉え直すことで,何が良かったのか,何が悪かったのか,はっきりさせなければならない.ここにおいて,我々は新たな「流星」を迎える前に,過ぎ去った星を評価しなければならないと考えるに至った.

「もっとホンシツを見ようよ,熱斗君.」

全国の“熱斗君だった”人たちへ

 この総括は,客観的データに基づきながらも,多分に個人的な主張を含んでいます.そのため,きちんと総括できているか,本質を見ることができているか,不安な部分もあります.そこで,皆さんに読んでいただきたい.感想や異論をぶつけていただきたい.皆さんの意見を取り入れつつ,完成させていきたいと考えています.最終的な目標は,紙に印刷してカプコンに送りつけること,だったのですが,プリンターが…….とにかく,開発者の目に触れさせることができれば万々歳です.ご意見,ご感想,ご提案などなどは,掲示板もしくはメール(nmajima$big.or.jp,$は@に変換してください)でお願いします.m(_ _)m

07.01.17 対戦形式サバイバルネットバトル流星を迎えた後で改めてエグゼを振り返る追加.たぶん,完.
06.10.23 仲間ナビ・リンクナビ改造カードe+追加.レアチップ追記.
06.10.19 レアチップ追加.その他微修正箇所は掲示板参照.
06.10.15 善専用・悪専用プログラムアドバンス追加
06.10.14 エリアスチールコマンド入力追加
06.10.10 一般公開

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目次

序...エグゼの何が面白かったか対戦の何が面白かったか

バトルチップ...フォルダオープン枚数コード属性・系統地形効果状態異常暗転設置物防御・無敵エリアスチールコマンド入力善専用・悪専用プログラムアドバンスレアチップ

ナビカスタマイズ...アーマー・バスターUPスタイルチェンジナビカスタマイザーソウルユニゾン善・悪クロス・獣化変身総括仲間ナビ・リンクナビ改造カードe+

その他...対戦形式サバイバルネットバトル

幕...流星を迎えた後で改めてエグゼを振り返る

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エグゼの何が面白かったか

 エグゼの何が面白かったかと問われれば,それは「対戦」であったと断言できるだろう.とはいえ,最初からそうではなかったし,それがすべてではなかった.1から3までは単純にエグゼの世界観,ストーリー,キャラクター,そして,ゲームシステムに惹かれて買っていた.が,それだけでは3Blackは買わなかっただろう.なぜなら,世界観もストーリーもキャラクターもゲームシステムも通常版と同じだからだ.しかし,パンクが出る.ミストマンの代わりにボウルマンが出る.シャドースタイルが出る.通常版とは異なるギガチップが出る.それらの要素から,Blackの登場によって対戦バランスが変化することが示唆された.3の対戦をやるまでは買おうという気はさらさら無かったが,3の対戦は面白かった.幕張メッセの次世代ワールドホビーフェアで,3の対戦を初めてやって,面白かったから先行販売のBlackを買ったのだ.

 4以降も,世界観云々が好きで買っていたのは間違いないが,やはり対戦を見越して買っていたのも事実だ.だからこそ,2バージョンとも買っていた.逆に,対戦に魅力を感じていなければ,ほぼ同内容なのに2本も買っただろうか...4以降はバージョンによってストーリーも結構違ってたから,意外と買ってたかもしれない.

 ここで覚えておいてほしいのは筆者のスタンスだ.以後,こういう風に考えてる人がこの文章を書いているのだ,と理解していただきたいので,あえて個人的な事情を述べさせてもらった.加えて,対戦が,諸手を挙げて最高に面白い!と歓迎できるものではけしてなかったことを先に記しておく.特に,4以降は.

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対戦の何が面白かったか

 エグゼ独自のバトルシステムが面白かったのは言うまでもない.では,その中で何が良かったのか.

 エグゼのバトルシステムを簡単に説明すれば,アクションゲームとカードゲームの融合と言える.自由に動き,攻撃して相手を倒すアクションのリアルタイム性と,デッキからカードを引き,出てきたカードを上手に組み合わせて相手を倒すカードゲームの戦略性を組み合わせている.エグゼの場合は,バトルチップデータが,カードに相当する.これに戦闘以外の部分であるRPGを入れて,「データアクションRPG」になるわけだが,純粋なアクション主体であったロックマンシリーズのファンの一部には不評であった.不評であった理由は直接ここでは触れないでおく.なぜなら,筆者がアクション主体の従来のロックマンのファンではないからだ.

 閑話休題.では,バトルシステムの根幹である「データアクション」の何が良かったのか.

 アクションという面では,制限が多いことが特徴だ.3×6マスのフィールドで戦い,実質的に3×3マスの中で移動しなければならない.そして,移動範囲を増やすためには,相手の範囲を侵食する必要があり,陣取りの要素もある.自分の陣地を増やせば,移動範囲が広がり,逆に相手は狭くなって,いずれジリ貧になる.

 また,アクションゲームの肝は,相手の攻撃をかわし,防ぎ,逆に自分の攻撃を当てていくことにあるが,限られたマス内を移動するため,移動で攻撃をかわすにも限度がある.移動せずに避ける方法は,後述のバトルチップやナビカスタマイズなどを使う必要がある.それでも根本的には攻撃を避けにくい,言い換えれば,攻撃を当てやすいと言えるのだが,当ててもダメージにつながるかは別問題であったりもする.

 次に,データの面,すなわち,カードゲーム的要素だが,結論から言えば,カードゲームとしては低レベルだろう.

 カードゲームの肝は,カードの持つ効果を組み合わせて,相手の戦略を潰しつつ,自分の戦略を効果的に発揮させ,相手を追い詰めることにある.また,カードは,あらかじめ作成したデッキから,ランダムに選ばれて手札に来る.そのため,自分の戦略を安定的に発揮させるためには,デッキにカードを何枚ずつ入れるかも重要になる.

 エグゼでは,バトルチップ(=カード)の効果が非常に単純である.基本的に,1枚のチップに1つの使い道しかない.攻撃にせよ,防御にせよ,特殊効果にせよ,1枚1効果.一部の例外を除き,使い道を選択することはできないし,防御しながら攻撃したり,攻撃しながら特殊効果を発揮するといったような,2つ以上の効果を持つチップも少ない.さらに,27種類のコードが存在し,異なるチップを連続して使うにはコードを揃えなければならないという制限がある.そのため,チップ同士の組み合わせが限定的になり,単発の攻撃,防御が主体となりがちである.その辺は後に詳しく触れる必要があるが,アクション要素を取り除いた場合,つまり,単なるカードゲームとなった場合,はっきり言ってエグゼは面白くない.エグゼにおけるカードゲーム的要素の面白味は,自分で好きなようにフォルダ(=デッキ)を組むことで,自由に戦略を組み立てられる,という点に限られるのではないだろうか.

 まとめると,任意のタイミングで行動(移動,攻撃,チップ効果の発動等)が可能であり,また,その行動についても,任意のチップを組み合わせたデッキを作成することが可能であることがデータアクションの醍醐味と言えるだろう.そして,フィールドにはマスという制限があり,チップ選択にもコードという制限がある.これらの制限は,リアルタイムアクションの自由度が高いがゆえに何でもアリになってしまいがちな面を抑える役割を果たしていると言える.同時に,自由度の高さが生み出す爽快感や自己実現の機会を制限しているために,シリーズが進むにつれて増えていく制限がエグゼをつまらなくしている,と感じる人もいたようだ.これについては,一部同意する部分もあるが,対戦バランスを重視する人とRPGパートを重視する人で意見が分かれるのは仕方ないことかもしれない.

 制限の大小はともかくとしても,その範囲内で自由に動けるということが,自己実現を伴う勝利を得られるという点で重要であったと考える.すなわち,自分だけの戦略,戦術,戦法,そういったものを成立させた上で勝利することは,ただジャンケンやくじ引きで勝つのとは根本的に違う.それら単純な勝利よりも遥かに高級だ.さらに,あらかじめ能力や動きが規定されているアクションゲームとエグゼのデータアクションの違いもここにある.能力や動きそのものを自分の好きなように設定できること,すなわち,カスタマイズが,勝利以上の満足感を生み出し得る.無論,カスタマイズという概念は,エグゼだけにあるものではない.むしろ,近年のゲームでは当たり前のようにある.その中でエグゼは,カードゲーム的カスタマイズ要素をアクションに取り入れたことで,非常にユニークな対戦ツールとなったのである.

 ここにおいて,一つの結論として,データアクションの面白さは,アクションとそのアクションの自由なカスタマイズにあると位置づけることができた.同時に,先の項で,4以降は諸手を挙げて賛同できないと書いたのは,このデータアクションの面白さが損なわれていったからだと考えている.そこで,この点を軸にエグゼシリーズの具体的な部分を評価していくことにする.

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フォルダ

 フォルダ(=デッキ)には,30枚までチップを入れることができる,というのがエグゼの共通ルールだ.が,それ以外の制限はシリーズを追うごとに厳しくなる傾向にあった.

 1:同チップ10枚まで,ナビチップはフォルダ全体で5枚まで.ほとんど制限と呼べるレベルではない.

 2:同チップ5枚までに減少.ナビチップは以前と同じ.

 3:スタンダード,メガ,ギガという区分(クラス)が登場.ナビチップは主としてメガクラスに分類される.スタンダードクラスは同チップ4枚まで.メガクラスは同チップ1枚まで,フォルダ全体で5枚まで.ギガクラスは同チップ1枚,フォルダ全体でも1枚.なお,エグゼ4はこれと同じ.

 5:ダークチップ(フォルダに3枚,同チップ1枚まで)が加わった.

 6:チップの容量(MB)に応じて,1〜4枚まで制限枚数が変化.フォルダ全体に入れられる枚数は以前と同じ.

 エグゼ6の容量に応じた制限枚数というのは,メガ・ギガでも同様に適用されるが,実質的にはほとんど1枚しか入らない.また,メガクラスはナビチップのみとなり,2以前の状態に戻った.これは,バトルプランナーである安間氏曰く「ナビチップをもっと使って欲しかった」という理由によるようだ.実際,5までのメガクラスには,ナビチップよりも重要なチップが集中しており,ナビを入れる余裕は無いに等しい状態だった.スタンダードに格下げされた元メガクラスチップは,容量的に1枚しか入れられないチップとなったことから,メガクラス制限が緩和とも言える.もっとも,強いスタンダードチップは枚数制限が厳しくなったわけだが,これはスタンダードとメガの垣根が取り払われ,段階的なものになったと見るべきだろう.

 メガクラスとギガクラスの最大枚数は,後述のスタイルチェンジやナビカス等で変化する.それこそ,ギガチップを3枚入れるというカスタマイズも可能だったが,それ相応のリスクを負うことにもなる.実際問題として,メガクラスの枚数を増やすより,もっと重要なカスタマイズが多かったので,無理をしてまで増やす必要性は無かった.

 2以降は,フォルダで1枚だけ「レギュラーチップ」を指定することができ,必ず最初のターンに引くことができた.ただし,最大でも容量50MBまでのチップに限られ,強いチップは選択できなかった.そのため,6以前の容量は,50MBより上か下かのみが重要だったとも言える.レギュラー容量のカスタマイズは3のみ可能で,カスタマイズ次第では,レギュラーにギガチップ「ダークネスオーラ」を指定することができ,フォルダリターンとのコンボは驚異的だった.

 6では,「タッグチップ」を指定できた.これは,合計60MBまでの2枚のチップを選択すると,必ず2枚並んで手札に来るようになるというものだ.これにより,コンボやPAの成功率が上がるものの,容量制限の関係で,用途の限られた,いわばオマケ的要素であった.

 対戦バランスという視点では,間違いなく進歩していると評価できる.一方で,強力なチップを1枚しか入れられないということは,戦略の不安定化の要因ともなる.特に,ある特定のチップが来なければ他の攻撃チップが思うように機能しないという戦術の要が,最後まで来ないと目も当てられない.これは,前述した1枚1効果と同時に1効果1枚の弊害でもある.代替効果を持つチップが無いため,切り札の価値が増し過ぎているのだ.

 RPGパートだけで見れば,ややこしくなって,戦闘もかったるくなったと感じる人が多いだろう.ザコ敵との戦闘は強いチップでさっさと終わってくれるに越したことはないが,そんなチップが対戦で連発されては,バランスも何も無くなってしまう.RPGパートが対戦と乖離しすぎていることに問題があるとも言えるが,これはまた別の機会に書くことになるかもしれない.

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オープン枚数

 手札とオープン枚数をきちんと区別しておく必要があるだろう.3までは,オープン枚数を何と呼ぶかが明確に決まっておらず,手札と表現されることもあったが,4以降,オープン枚数という言葉が定着したようだ.

 「オープン枚数」とは,カスタム画面でフォルダからドローされるチップの枚数のこと.「カスタム画面で選択できるチップの枚数」と表記されることもあるが,これは文脈上,手札枚数と誤解を招きやすい.オープンしたチップを選択して,実際バトル中に使うことができる状態になったチップを「手札」と呼ぶ.オープン枚数は変化するが,手札の枚数はシリーズ通じて最大5枚.また,チップの破壊効果は手札のみに及ぶもので,敵からフォルダないしオープン中のチップを攻撃されることはない.

 一般的なカードゲームで例えれば,デッキ=山札,オープンチップは互いに伏せられた状態の場札で自分だけは中身を見ることができる.山札から規定の枚数になるまで場札にカードを加え,その場札から何枚か選んで手札を作る,といったところか.

 1:シリーズ共通で初期オープン枚数は5枚.チップを選ばずに「ADD」を選択すると,次のターンでオープン枚数が10枚となり.もう1ターンADDすれば15枚になる.しかし,1枚でもチップを手札に選択すると,ADDの効果はなくなり,5枚に戻ってしまう.

 2,3:チップを選んでからADDを選択すると,選んだチップの枚数だけ次のターンにオープン枚数が増え,戦闘終了まで効果は持続する.最大10枚.あえてチップを捨てることで,次ターン以降のコンボ成立やチップの回転を早めることができ,戦略的に利用できるようになった.また,スタイルチェンジやナビカスでオープン枚数が変化するようにもなり,以後,オープン枚数を増やすカスタマイズは必須事項ともなった.

 4:ADDが無くなり,最大オープン枚数も原則8枚となった.その代わりに,ソウルユニゾンやクロス,ナビカスの効果で,10枚オープン,チップのシャッフルなどができた.6では,毎ターンにオープン枚数が1ずつ減るという恐ろしいバグも登場した.

 先に注意しておくが,エグゼ用語のバグとは,無理なカスタマイズによるデメリットを指す言葉である.ゲームプログラムの欠陥は「不具合」と表現し,バグと区別することとする.「バグ」も「改造」も非常に紛らわしい用語なのだが,どうも開発スタッフは気に入ってるらしい.

 オープン枚数は,直接手札の選択しやすさに影響するため,非常に重要なポイントとなる.オープン枚数を増やせば,コンボも成立しやすい.実際には,7枚程度オープンしていれば,よほどフォルダのコードが揃ってない限り困ることは少ない.しかし,最大オープン枚数が減ったことは,コンボ・PA主体の戦略が成立しにくくなったことを意味する.おそらく,ソウル・クロスの効果を特徴付けるために,このような処置が取られたと考えられるが,コンボ主体の戦略が,オープン枚数を増やすソウル・クロスの発動中に限られてしまうため,戦法としての安定度は大きく低下した.つまり,戦略・戦法の幅を削ぐという事態を招いたのである.

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コード

 カスタム画面でチップを選択する際のルールは,シリーズ通して共通である.最大5枚.同じチップは同時に選択できるが,その際は異なるチップを選択できない.そして,同じコードのチップならば同時に選択できる.ただし,2から登場した「*」は,他の26コードの代わりを何でも果たすことができる.

 同じチップばかりでフォルダを組むことはできない.そこで,フォルダ内のコードを揃えることが重要になってくるのだ.*を除いて3コードまでというのが定番のようだが,無論少ないに越したことはない.

 スタンダードクラスは,1〜3までは各チップ5コードだったが,4〜6は3コードに減った.ナビチップは,ナビの頭文字をとった1コードのみで,メガ・ギガクラスも概ね1コード.3のウイルスチップは2コード,5ではバリア200やリカバリー300などの強力なスタンダードが1コードなどといった特例もある.なお,*コードの存在は特殊で,*コードがあるチップとないチップ,というように分ける方が良いだろう.ただし,*コードのみしか存在しないチップもある.*コード初出の2では,*チップの種類が豊富で,大会で使用枚数を制限される事態にもなった.

 強いチップのコードが限られているので,フォルダのコードはそれらのチップに影響される.コードの組み合わせによっては,カスタム画面を挟まなければ成立しないコンボもある.カスタム画面を挟むと対処されやすくなるので,実質的には,コードが同じでなければコンボは成立しにくい.それだけに,コードは非常に重要なポジションを占めている.

 以下は,各作におけるコード別チップ枚数である.

  A B C D E F G H I J K L M N O P Q R S T U V W X Y Z * 総数 種類
1 S 44 39 52 30 42 29 48 35 21 26 37 49 31 34 29 20 18 14 22 15               635 127
N   6 3   3 4 3   3       3 3   3   3 12       3         49 49
2 S 40 40 38 37 46 39 40 45 33 47 33 48 38 46 42 40 42 49 39 44 26 27 34 1 18 23 87 1042 204
N 3 3 3     5 7 3         3 6   6 3 3 6 6       5     22 84 62
3 S 45 37 51 42 52 45 36 46 31 36 22 44 35 40 29 32 29 49 53 33 25 25 25   26 27 77 992 200
M 1 16 1 14   8 7     1 4 1 9   1 6   4 2       1   4 1 11 92 86
G 1 4   3   2 1       1   2     1     1     2   3 2 1 2 26 26
4 S 19 24 26 25 32 20 24 22 16 21 16 28 20 20 16 19 15 21 25 30 10 19 15   13 15 81 592 186
M 4 7 4 1 1 3 6     4 3 4 4 4 1     4 7 6   4 6 3   1 6 83 81
G 1 1 2 1       1                   1 1         2   1   11 11
5 S 29 25 29 23 23 23 15 26 9 13 14 26 21 17 15 21 15 21 25 17 9 17 16   12 20 55 536 180
M 1 6 9 4   3 4 1   2 3 1 7 7 2 1   4 14 6   1 1     1 4 82 81
G   1 2 1   2 1 1         1     1   1           1   1   13 13
D       1 1 1   1 1       1         1   2     1     1 2 13 12
6 S 31 26 17 13 20 25 30 19 10 16 17 37 28 19 15 21 13 36 34 24 10 23 13   11 14 72 594 202
M 3 6 9 9 6   3 6   3 3             3 3 6     1       20 81 61
G       1   2   1   1       1     1         2   2   1   12 12

 チップの総数は,3から4でガクッと減った.これはもちろん,コード減少の影響だ.また,1では実質20コードしかなかったことが分かる.Wコードはナビチップのウッドマン3種だけ.2のスタンダード(2にスタンダードという用語はないが,ここでは非ナビチップという意味)は数が多いように見えるが,これはクラスの分化が進んでなかったせいでもある.6でも同様で,スタンダードが増えたように見えるが,メガがナビチップのみとなり,それ以外のチップがスタンダードに格下げされた影響が大きい.また,エグゼ5で*が少なかった反動もある.5は,DS版だと*が若干増えるが,ここでは省略した.3は,ナビチップがV1〜V5まであったので,その分種類数が増えているのだが,それを除けば,チップの種類は2以降あまり変化しておらず,むしろ減少傾向にある.

 チップの中でも対戦で使えるチップとそうでないチップがあるので,単純にコード別の枚数だけではコードの有利・不利は言及できない.実際,3で猛威を揮ったPロック戦法のPは,32枚と比較的少なめだが,その内容が充実していたために,50枚を越すC,E,Sなどと肩を並べることができた.もちろん,強いチップがどのコードにあるか,そして,同じコードに強いチップが固まっているかが重要なのだが,それだけでフォルダが構成されるということはない.強いチップを軸に,自由なフォルダを作成できることが,5コード時代のフォルダであったが,3コードに減ったことで,フォルダの自由度は大きく制限されてしまった

 そのように感じるのは,単コードフォルダにこだわっているから,とも言えるかもしれない.実際,単コードにしなければいけないということもないし,複数コードを混ぜるフォルダを前提とするなら,コード数の減少の影響は薄れるだろう.しかし,コードが少ないほどチップの回りも良くなり,有利に働くことも事実である.戦略的にも安定度が高い.そして,複数コードフォルダを作るときでも,やはりコード数が多い方が選択肢は広がるのだ.

 どうして5から3に減ったのだろうか.3で主流であった単コードから,複数コードに流れを移して,コードの組み合わせ方によるフォルダの個性化を狙ったのだとしても,それが効果的だったとは言い難い.事実,単コードの中でも十分に個性は出せた.逆にコードが減った4以降でも,単コードで組めるに越したことはないので,一部のコードに人気が集中し,結果としてフォルダの個性は失われた.フォルダの個性が失われ,戦略が画一化していくということは,データアクションの面白さが一つ失われることを意味する.同じ戦法で競い合う機会が増すということは,極端な話,ジャンケンに1歩近付いたということだ.

 あと考えられる理由としては,開発スタッフのバランス調整の手間が減る以外のメリットというくらいだが,これは邪推のしすぎだろう.もっとも,1年以下の開発期間はけして長いものではないが.

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属性・系統

 属性はシリーズを通して,炎,水,電気,木,そして,無属性の5種類だ.水は炎に強く,電気は水に強く,木は電気に強く,炎は木に強い.元祖ロックマンシリーズから伝統の弱点武器という概念を,分かりやすく体系化・単純化したものとも言えるかもしれない.属性の概念自体は1からあったが,実質的な意味を持ち始めたのは,地形効果やスタイルチェンジなどが登場した2以降である.

 系統は,エグゼ4以降,ソウルユニゾンと共に登場した.それまで無属性として一括りになっていたものを数種類に分割したもので,系統の種類は,各作によって,というより,ソウル事情によって変化する.

 4:地形破壊,風,ソード,ブレイク,回復,インビジブル,数値付加,置物の8種.

 5:カーソル,風,ソード,ブレイク,回復,インビジブル,数値付加,置物の8種.

 6:カーソル,風,ソード,ブレイク,数値付加,置物の6種.

 6では,系統の相克関係も生まれた.すなわち,風はカーソルに強く,ソードは風に強く,ブレイクはソードに強く,カーソルはブレイクに強い.ある程度頷ける部分もあるようでないような関係だ.これは,6で登場したクロスが,弱点攻撃で解除されることになったために急遽設けられたものであろう.元々はチャージが数値付加,ダストが置物系統を司るクロスだったが,半ば強引に炎属性とブレイク系統のクロスに変更されたことからも,途中から無理にねじ込んだ様子が伺える.

 4以降も,炎,水,電気,木の4属性に属さないものを無属性と呼ぶが,これは広義の無属性である.狭義の無属性は,いずれの属性にも系統にも属さないものを指し,ソウル等の特殊能力である「無属性チップの攻撃力+10」などは,狭義の無属性を指している.非常に分かりにくいが,文脈で判断する他ない.

 攻撃と攻撃を受けるナビの両方に属性・系統があり,弱点攻撃は2倍のダメージを受ける.とはいえ,3まではフォルダの中身もロックマンの属性も戦闘前から決まっているので,意図的に弱点を突いていくということは難しい.もっとも,電気や水属性攻撃が多用されるため,アクア,ヒートスタイルが敬遠される傾向にはあった.

 4以降,戦闘中にロックマンの属性・系統を変更することができるようになり,意図的に相手の弱点を突くこともできるようになった.6では,相手の弱点を突いてクロスを解除させることで,相手の戦略を根底から覆すことも可能で,弱点の重要性は増したと言える.しかし,相手に合わせて戦い方を変えられるほど柔軟なフォルダを組むのは難しく,弱点を突くことを意識しすぎると自らの戦略が中途半端になる危険性が高い.結局,弱点攻撃に対処できるサポートチップを入れておき,あとは“我が道を行く”方が良い場合が多い.

 参考までに,各作における属性・系統チップの種類数を表にまとめた.

 



















1 S 7 14 11 4                  
N 6 6 3 3                  
2 S 20 16 18 12     19 9   18      
N 7 4 10 7     9 3          
3 S 25 13 15 14     16 11   22      
M 7 6 6 7     14 11   2      
G 1 1 1 1     4 3          
4 S 13 14 11 16   6 13 10 3 11 9 2 9
M 7 6 6 4   3 5 6 5 6 3 3 3
G             1     1      
5 S 12 15 14 11 7 10 15 13 4 12 11 4  
M 4 3 9 3 3   6 4 2 3 3    
G 1           1 2          
D 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1  
6 S 13 15 12 16 7 9 11 12 6 19      
M 6 6 6 3 3 3 9 3          
G     1       3 2          

 2,3に系統の概念はないが,ソード判定,ブレイク判定,置物判定というものは存在していたので,無属性チップの中で,それらの判定を有したチップを単純にカウントして挙げた.

 目立つのは1の木属性の不遇さと2,3の炎属性の多さくらいだろうか.もっとも,コードの表と同様に,数が多いからといって単純に強いというわけではない.系統に弱点系統が存在するにもかかわらず,ソードとブレイクにギガチップが存在するのは,悪い冗談としか言いようがない.

 以下,属性別に特徴を簡単にまとめる.

炎属性:炎,マグマ,隕石など.クサムラパネルを燃やして2倍ダメージにすることができるが,クサムラは燃やすとノーマルパネルに戻るため,避けられると水の泡.それ以外の特殊効果は不遇の一言.

水属性:水,氷,泡など.マグマパネルをノーマルパネルに変える.2では,フリーズボムで凍らせた相手にブレイク判定の攻撃を当てると200ダメージ加算されるという強力なコンボがあった.6では,氷パネル上の敵に水属性攻撃を当てると凍結し,ブレイク系統のダメージが2倍になる,という形で復活した.また,バブルスターを当てると敵を泡で包み込むことができ,電気属性のダメージを2倍にするというコンボも6で登場した.その他にも,陣取り性能の高いスチールゼリー,当てやすいワイドショット,悪でも使える唯一のバリアであるバブルラップなど,地味に美味しいところを持っていく属性でもあり,それら美味しいチップのせいで炎属性は防御面でも一層不遇の度合を強めていた.

電気属性:電気,雷,磁力,光など.氷パネル,水パネル上の敵に2倍ダメージを与え,しかも,パネルに変化を及ぼさないために連続して恩恵を受けられる.また,麻痺,移動不可,漏電,盲目,吸引など状態異常を発生させる攻撃や,インビジブルを無効化する攻撃などコンボの基点となるチップが豊富.結果的に,水属性の防御面は炎以上の不遇を味わった.

木属性:植物,爬虫類,昆虫,泥,惑星,トマホークなど,基準がよく分からないが,何となくそれっぽいものが集まった属性.両生類は木でなく水.ブーメランは木製ということで木属性なのだろうが,ケンドーマンの木刀は無属性.タップマンも木製っぽいけどブレイク系統.言い出したらキリがない.マグネットパネルをノーマルパネルに変える.攻撃を当てても相手に無敵時間が発生しないため,攻撃がつなげやすいという特徴を持つ.ただし,スーパーアーマーの存在により,暗転チップでなければコンボには使いにくい.最大の特徴であったカモンスネークは弱体化の一途をたどり,最終的には無属性になった.防御面では,クサムラパネル上でのHP回復が強力で,さらに4以降はステータスガードという状態異常を全部無効化する能力を持つことで存在感をアピールした.

地形破壊系統:4のみ存在する系統.これを生贄に捧げる割には,ガッツソウルに地形破壊能力はない.4のガッツマンも昔ほど地形を破壊しない.

カーソル系統:カーソルで相手に照準を合わせる攻撃が主に含まれる.サーチソウル,キラークロスが強いので,種類は少ないがよく利用される.6では罠破壊効果を持っていた.

風系統:代表は何といってもトルネードだが,追加効果が豊富でも当てにくいので対戦ではあまり使われない.相手の位置を強制的に動かす攻撃が多く,陣取りの友として活躍するケースも多い.6ではバリア除去効果を持った.それまではトップウ・スイコミの対抗策であったバリアだが,立場が完全に逆転した.

ソード系統:日本人が剣好きなので無駄に優遇される系統.もはや,対戦バランスの破壊を起こすに至るほど.2,3ではカゲブンシンに唯一対抗できるチップとして脚光を浴び,その名残からかカウンタートラップとしてシラハドリも存在する.それを他の系統と同列に扱おうとすることに無理があるのだが,弱点関係が生まれた6では,当然の如く悪い方向に花開いた.

ブレイク系統:シールドなどのガードを貫通してダメージを与える.その特徴ゆえ当初は大振りな攻撃が多かったが,ソウル登場を機にすばやい攻撃も増えた.4でエアホッケーが強かった反動か,今一つソウル・クロスの恩恵が薄い感がある.なお,ガード性能を持たない設置物を一撃で破壊することもできる.

回復系統:5まではチップの平均的な攻撃力がほぼ150程度なので,リカバリー300やダークリカバリー(1000回復)は非常に強力だが,その一方で,回復量を倍のダメージに変換する罠・バッドメディスンも存在する.完全無敵のダークソウルユニゾンを止められるのはバッドメディスンだけだった.そのため,リカバリー10による罠剥がしも流行した.大会はルール的に持久不利で,コード的にもフォルダに入れにくくなっているので,あまり多くは使われない.ちなみに,これを生贄に捧げる割にはメディソウルに回復能力はほとんどない.

インビジブル系統:インビジブルとカワリミ.何故かステルスマインも含まれたり.無敵チップに関しては,後にじっくり触れることになるので割愛する.

数値付加系統:アタック+10など.連続攻撃と一緒に使うと強いが,入れすぎるとフォルダがもたつく.強化トルネードやスーパーバルカンが成功すると,結構とんでもないダメージになるが,その布石を作るための苦労を考えるとあまり実戦向きとはいえない.

置物系統:一定時間フィールドに残り,効果を発揮する設置物の類.召喚系統と呼ばれることもあった.設置物については,別の項で触れることになるが,様々な効果を発揮しつつ,戦闘バランスを整えるのに大きく貢献した要素である.

 属性がじっくり練られてきた概念であるのに対し,系統はソウルの都合で生まれた副産物であるため,やはり各系統を並列に扱うこと自体に無理がある.さらにクロスの都合で生まれた系統の弱点関係はあまり良いものだったとは言えない.特に系統の防御面は,地形効果も無いため,デメリットでしかない.

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地形効果

 フィールドのパネル変化は,ある程度持続するものが多い.先に書いた通り,フィールドのパネルの数は決まっているので,自分に有利なパネルが増えれば,それだけ相手の戦略を圧倒し得る.特に,2で属性を持ったパネルが登場して以降,属性と地形を絡めたコンボが多数登場した.

ヒビ,穴:シリーズ通して登場.ヒビパネルの上を移動すると,穴パネルになる.穴には2種類あり,戦闘中に発生した穴は一定時間でノーマルパネルになるが,戦闘開始時から存在する穴は一切パネル変化を起こさない.エリアスチールすらも無効であるため,対戦で穴を含んだステージが登場すると,陣取りに非常に大きな影響を与える.シャドーシューズ,フロートシューズを装備しているとヒビパネルを踏んでも穴が開かない.また,エアシューズがなければ穴の上を歩けないため,穴だらけになると行動がかなり制限される.穴がなければ効果を発揮しないチップもあり,穴主体で攻撃を展開する場合は,穴を開けてから塞がるまでの短い時間でいかに攻撃を叩き込めるかが重要になる.4以降,エアシューズが入れやすくなったので,穴で相手の動きを封じるには,ナビカスリセット効果を持った攻撃でエアシューズを無効化させることが前提条件となった.つまり,戦略的にやりにくくなったということ.逆に,穴があると効果を発揮しない攻撃もあるので,エアシューズ+移動ヒビバグを利用して,自らのフィールドを穴だらけにする防御法が流行した.

マグマ:2〜5に登場.踏むと炎属性の50ダメージを受ける.木属性なら100ダメージ.ダメージを受ける際に無敵時間が発生するので,緊急時に防御に使えなくもない.水属性攻撃によって消火される.4以降は一定時間で消滅する.フロートシューズを装備すればダメージは受けない.炎属性のナビは,踏んでも影響を受けなかったり,逆に吸収してHPが50回復(ファイアソウル)したり,あるいは,吸収して炎属性の攻撃に+10(ナパームソウル)したり.炎属性が防御面で不遇だった上,攻撃面ではクサムラの方が重要なので,あまり対戦では使われない.

 6では代わり(?)に火口パネルが登場した.一定時間おきにマグマを噴出すのだが,何故か無属性で,炎属性ナビもしっかり50ダメージを受ける.また,火口を発生させるチップもない.何のために存在するのかよく分からない.マグマの消滅により,ただでさえ薄かった炎属性の防御面でのメリットは完全に消滅した.

:2から登場.水属性ナビ以外は滑って立ち止まれない.時間がたっても消えないので,相手の動きを限定するのに有効.フロートシューズ装備で無効化できる.氷パネル上では電気ダメージが2倍になる.電気を当てても消滅しないので,炎と比べて電気属性の攻撃面はかなり優遇されていると言える.5で水パネルが登場したのに併せて電気2倍効果は消えた.6では,氷上の相手に水属性攻撃を当てると凍らせることができた.この場合,氷パネルは消滅する.

:5のみ.水属性ナビ以外は踏んだ直後,一瞬だけ移動不能になる.つまり,足が遅くなる.砂パネルと類似の効果.フロートシューズで無効化できる.さらに,潜水能力を持ったナビは,水パネルの中に潜ることができ,対地中判定を持つ攻撃と電気属性攻撃以外無効化になる.水パネル上(中含む)では電気ダメージ2倍.水属性チップの攻撃力+30.自エリアに発生させる方法がほぼ皆無なので,トードソウルになっても潜水の恩恵には与りづらい.いずれにせよ,一定時間経つと消滅するので使いにくい.炎属性ナビが乗るとHPが徐々に減少するので,炎がますます不遇に.

マグネット:2と5で登場.2では,上下に隣接するとマグネットパネル上に吸い寄せられる.5では,踏むと反時計回りに強制移動させられる.氷パネルと比べて移動場所が予想しにくい.どちらも電気属性ナビには無効で,フロートシューズでも無効化できる.木属性攻撃で消滅する.使いこなせば,相手の動きをかなり制限できるが,5ではマグネットパネルをチップで作れない.

クサムラ:2から登場.炎ダメージが2倍になるが,クサムラパネルは燃えてなくなる.また,木属性ナビがクサムラに乗るとHPが徐々に回復する.アンダーシャツを装備していると半無敵状態であったが,5以降,HPが2桁のときは回復スピードが落ちるようになった.特にデメリットはない.フロートシューズを装備しても,回復のメリットは適応される.適応されない方がバランスは良かったとも思う.

:2から登場.乗っている間HPが徐々に減少する.4以降はフロートシューズで無効化可能.デスマッチ3で全パネルを毒にしてから,自エリアだけパネルリターンやサンクチュアリで毒を消すというコンボは地味に強く,多用された.何しろ,消されなければ下手なチップよりも攻撃力が高い.

ホーリー:2から登場.ホーリーパネル上ではいかなる攻撃も半減される.バリア,オーラとの組み合わせが強力で,置物の保持にも有効.4,5では,悪状態で乗ると消滅した.フロートシューズを装備しても恩恵あり.

メタル:3で登場.ヒビや穴を作る地形破壊効果を無効化するが,肝心のデスマッチが防ぎきれない(一応,デスマッチ2は穴からヒビに効果が変わるが,デスマッチ1は普通にヒビが入る)ので,中途半端だった.

:3で登場.移動速度が落ちるので,攻撃が避けにくくなる.フロートシューズでのみ無効化可能.ボディガードとのコンボが強力.また,トルネード系のHIT数が8から16になる.この効果は,5以降,各属性パネルに受け継がれた.トップウ・スイコミで砂が飛び,当たると50ダメージ.無敵が発生するので連続HITはしない.

アリジゴク:4で登場.踏むと約3秒移動不能になる.トルネードのHIT数が増加.砂ほど発生させやすくないので,ほとんど使われなかった.

ダーク:4で登場.3では置物扱いだったダークホールをガンガン開けられるようになった.悪専用ナビチップの威力がこのパネルの枚数で変化する.ガンデルソルの太陽光線を浴びると消滅する.

矢印:6で登場.前方向と後方向の2種類が存在する.乗ると矢印の方向に強制移動させられる.トップウ・スイコミのパネル版といったところか.電気属性ナビも影響を受けるが,マグネットパネル同様木属性攻撃で消滅する.フロートシューズで無効化可能.

 3までは弱点と地形効果は相乗的(2倍×2倍で4倍ダメージ)だったのに対し,4以降は相加的(1+1+1で3倍ダメージ)となった.4からはフルシンクロや怒りによる倍化も増えたので,ダメージのインフレを防ぐための処置であったと考えられる.

 3までは,ステージ系チップでフィールド全体のパネルを変えることができた.そのため,対戦では頻繁にエリアの書き換えが行われた(大会の解説によれば,特に東京の人はパネル書き換えが好きだったらしい)が,4以降,デスマッチ系を除き,パネル変化はチップの追加効果,あるいは改造カードのみとなった.にもかかわらず,4,5では,そのような効果を持つチップが限られ,あるいは,扱いにくかった.6では,ブーメランにクサムラ化効果が付くなど,パネル変化と攻撃のダブル効果を持った使いやすいチップが登場したが,逆にパネルの種類は減ってしまった.

 地形は,単純に地形効果でダメージを増やしたり,動きを制限して攻撃を当てやすくしたり,あるいは,一つの地形から複数のコンボに派生できたりして,戦略の幅が大きく広がる要素だった.単なる連続攻撃とは違い,時間差でコンボさせることもできる.4,5では微妙な扱いで,6でやや復権したものの,十分に活かしきれずに終わってしまった感がある.3で書き換えが乱発されたことが,地形の印象を悪くしてしまったのかもしれない.系統と地形の絡みが凍結ブレイクコンボだけだったのも残念である.

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状態異常

 エグゼにおける状態異常は,相手の動きを制限するものが多い.それだけ,相手の動きを止めて,攻撃を当てやすくすることが重要だからだ.

 状態異常と分けて考えなければならないのが,バグ効果だ.4以降は攻撃を当てると相手にバグ効果を発生させるものや,ダークチップを使ったデメリットとして発生するバグ効果が登場した.状態異常はステータスガードで防げるが,バグは防げない.また,バグ効果はバグシュウセイ等で除去できるが,状態異常は時間経過か,あるいは,ユニゾン発動等の変身により回復する.

 チップを当てることで発生するバグ効果は,HP減少バグが主.戦闘中とカスタム画面中の2種類あるが,どちらも3段階まで重複していくので発生させるほど効果が高くなる.

のけぞり:状態異常ではないが,それに準ずる概念.原則として攻撃を当てると相手はのけぞり状態になり,無敵(インビジブル)時間が発生する.そのため,相手の動きは止められるが,かといって攻撃を連続して当て続けることもできない.例外として“無敵時間が発生しない攻撃”と“のけぞりも無敵も発生しない攻撃”がある.連続HITする攻撃と木属性攻撃は,無敵時間が発生しないことが多い.そのため,次の攻撃につないでいくことも可能である.のけぞりの発生しない攻撃は,相手の動きを止められない代わりに,一部の状態異常を解除させずにダメージを与え続けることができる.なお,スーパーアーマーを装備するとのけぞらなくなるが,パンチ系やエアシュートなどの強制移動を伴うのけぞり,すなわち,プッシュは無効化できない.状態異常は次々に上書きしていくことができるが,のけぞり中はのけぞりが発生しない.そのため,3の麻痺or束縛+プラズマボールのコンボは,スーパーアーマーを装備していると逃れられないが,装備していなければのけぞり時間を利用して抜けることができる.

麻痺:最も利用頻度の高い状態異常.動きが止まって行動不能になる.時間経過か,のけぞりの発生する攻撃を受けると解除.当てやすいものからそうでないものまで様々なチップがあるが,6ではあらゆるチップに麻痺効果を付加できるホワイトカプセルが登場した.これは,5のメディソウルの調合能力の一部がチップ化したもので,これによりコンボの幅が劇的に増えた.というより,何でも繋がるようになった.4以降は,カウンターを決めることで麻痺を発生させることができるが,相手の動きを読みにくい対戦中は,カウンターを狙うことは困難で,むしろ,偶発的にカウンターをとってしまうことの方が多い.

漏電:1と2のみ.一定時間,移動するたびに10ダメージ(無属性)を受け,のけぞりが発生する.スーパーアーマーでのけぞりは防げる.チップの使用は可能.1ではアーマーを装備しても漏電ダメージは半減されない.

移動不可:2から登場.その名の通り,一定時間移動できなくなる.麻痺との違いは,移動以外の行動,すなわち,チップ使用,バスター発射,シールド防御などは可能だということ.

混乱:2から登場.移動の方向がランダムになり,思うように動けなくなる.4以降は上下・左右反転するだけとなり,慣れれば普通に動ける.

凍結:2と6のみ.2ではフリーズボムの効果.ブレイク判定攻撃によるダメージが+200される.6では氷上+水属性攻撃の効果.ブレイク系統攻撃によるダメージが2倍になる.それ以外は麻痺と同じ.

束縛:3のみ.ツタにしばられ,2〜4回ほど30ダメージ(無属性)を受ける.それ以外は麻痺と同じ.炎属性2倍効果がありそうで無い.

盲目:4から登場.相手の姿や置物が見えなくなる.なお,3まではインビジブル中,相手に姿を見られなくなるが,4以降は半透明に変更された.

:6のみ.バブルスターの効果.電気属性攻撃によるダメージが2倍になる.麻痺と異なり,どんな攻撃を受けても泡がはじけて解除される.

 状態異常は上書きされるが重複しない.そういう意味では,のけぞりも状態異常の一つなのかもしれないが,スーパーアーマーの存在やのけぞりのみ効果が上書きされないことから,ここでは状態異常に含めないこととした.

 4から登場したステータスガードは,これら状態異常の一切を無効化するトンデモ能力である.もっとも,木属性ソウルの場合はターン制限,木属性クロスの場合は弱点解除という弱点を伴っているのでまだ良いのだが,改造カードによるステータスガードは何によっても解除されない.6では,状態異常を絡めたコンボが復権したにもかかわらず,改造カードONの対戦ルールにおいては,まったく使い物にならなくなった.

 状態異常を防ぐ手段を用意されるということは,むしろ歓迎すべきことである.状態異常はコンボの要であり,それゆえに状態異常を効果的に防ぐことは,一つの戦略となり得る.木属性にステータスガードという大味な防御が生まれてしまったのは,電気属性攻撃に状態異常が偏っていたせいでもあろう.たとえば,炎に盲目,水に凍結,電気に麻痺,木に束縛と分散していれば,炎には束縛が効かない,水には盲目が効かない,などといったような防御法も考えられたはずだ.

 5の大会でステータスガード(改造カード)の超絶効果が露見していたにもかかわらず,6で制限されなかったということは,開発者はあえてステータスガード前提の対戦をやらせようとしていたと受け取れる.改造カードがナビカスの延長だけに使われて,やることが改造カードの無い状態と同じでは面白くない.むしろ,ナビカスでは実現しない効果を使って欲しい.そのためには主流の戦略となるであろう状態異常絡みのコンボは封印して,改造カードでしかできない戦略・コンボを考えて欲しい,という意図があるとすれば,それはそれで一理ある.が,その思惑があったにせよ無かったにせよ,改造カードの効果が大きく活かされる戦略は,結果的にクロスの超性能によって封殺されていた.

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暗転

 暗転チップとは,発動後画面が暗転し,発動中時間が停止するもの.移動やシールドで攻撃を避けることが困難となる.暗転と非暗転チップが同時に発動した場合,暗転の時間停止の方が早いので,結果として優先される.4の頃,「イベントチップ」が公式用語として出てきたが,「暗転チップ」という言葉が既に定着していたため,イベントチップを使う人はあまりいない.大会の実況も暗転チップと言っている.

 3では暗転中に十字キーの左を押すことで,ダメージを半減することができた.入力はダメージ発生時にタイミングよく合わせなければならず,入力後一定時間は入力が無効になるため,連打では半減できないし,間隔の短い連続攻撃をすべて半減することはできない.当時,格ゲーで類似したテクニックが流行したことから,ブロッキングやジャストディフェンスなど,様々な呼ばれ方があったが,公式には「タイミングガード」と言う.今となっては,単に「半減」と言えば通じる.

 4以降,半減はできなくなったが,割り込みができるようになった.暗転チップ発動直後に暗転チップで割り込んで,効果を先に発動させることができる.割り込みにさらに割り込むことができるが,その際は最初のチップは発動しなくなる.公式には「カットイン」と呼ぶが,「割り込み」と言った方が通じやすい.大会の実況も「割り込んで発動したのは〜」と言っている.相手の大技を読んで,インビジブルやカワリミで割り込むのが常套手段.3までは暗転チップは先出し有利だったが,カットインの登場により,ターン開始時に発動させるより,待った方が有効な場合が多くなった.

 対戦テクニック関連の用語は,発売後半年程経たないと本や雑誌に載らないため,ネット上で別の呼び方が定着してしまっている場合が多い.そして,ネット上には無意味なものにまで命名したがる人も多い.

 3では,ターン開始時に暗転チップの先行入力が可能だが,同時発動の場合は通信ケーブルの1P(紫の端子)側が優先されるため,実は1P有利であった.そのため,その頃から暗転チップの割り込みは渇望されていた要素でもあり,実際に割り込みができるようになったことで戦略性は増した.そして,間接的ではあるがカワリミは強化されたと言える.一方で,半減はテクニカルで楽しい要素だったのだが消えてしまった.悲しいことに,3に慣れると4以降でも効果が無いと分かっていながらタイミングよく左を押してしまう.

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設置物

 フィールド上にしばらく残り,ロックマンとは独立して効果を発揮し続けるもの.障害物と置物の二つに分けられる.障害物は,ストーンキューブ系とステルスマイン.フィールド上にお互い2つずつまで置くことができる.ステージ上に初期配置されている岩などもこれに含まれる.置物はそれ以外,お互い1つしか置けないもの.どちらも制限を越える数を設置しようとすると,先に置いたものから消滅する.ただし,設置物全体を単に置物と呼ぶ場合も多い.

 多くのチップが瞬時の効果で終わってしまうのに対し,永続的な効果を持つということは非常に強力である.こちらの動きとは関係なく効果を発揮するため,永続効果の発生中に別の攻撃をしかけることもできる.戦略の幅を大きく広げてくれる一方で,永続効果が重複して発生するとバランスを大きく崩しかねない.そこで,1つしか置けないという縛りが生きてくる.置物は効果が重複しないため,ある程度強くてもバランスを破壊せずに済んでいるのだ.強力な連続攻撃であるPAボディガードなどは,厳密には何も設置していないが,置物扱いになることでバランスを保っている.

 置物の代表格といえば,2以降登場するPAポイズンファラオだ.弱体化が著しい6以外は,コードが合わなくても,とりあえずファラオセットをフォルダに入れておくだけで勝率が向上すると言っても過言ではないくらい強力だった.もっとも,ナビカス等の登場で増えすぎたHPを効率良く奪えるチップがこれくらいしかなかった,とも言えるのだが.4以降は永続インビジ剥がしとしても猛威を振るった.

 それゆえ,ポイズンファラオをどうやって潰すかという命題が置物対策の中核でもあった.置物を一撃で破壊するブレイク判定チップの中でも,自エリア最後列に置かれても対処できるものや,フィールド上のすべての置物を破壊するポルターガイスト系チップは,置物対策(=ファラオ対策)としてフォルダに一枚は必須という状況であった.

 それ以外にも,ガード性能を持っていて破壊が困難なルーク(3のみ)は,エリアスチールと組み合わせることで,陣取りをかなり有利にすることが可能だった.3はそれ以外にも有用な置物が多かった.4では,相手の動きをかなり制限できるメタルギアや,相手のチップを使用禁止にするギガチップ・シグナルレッドが強力だった.

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防御・無敵

 逃げ場が少ないだけに,防御・無敵系チップの効果は絶大である.防御・無敵系を大別すると,ガード,インビジ系,バリア系,罠,完全無敵(オウエンカ無敵)に分けられ,それぞれ効果が重複する.

ガード

 主にシールドにより発生するガード状態のこと.敵や設置物の中には常時ガード状態のものもある.ガード中は,ブレイク判定を持つ攻撃以外すべて無効.4まではB+左シールドが切れ目無く出せた(一部例外あり)が,5以降はシールドを張った後,一定時間経たないと再度シールドを出すことができなくなった.ただし,5以降でもシールドを張った後の硬直時間よりシールドの発生時間が若干長く,シールドの判定を残したまま上下マスに移動できるので,シールドの消失直後を狙って狙い撃ちするのは難しい.ナビカスに入れておけばほぼ無限に使えるが,シールド発生中は暗転割り込みを除く他の行動が取れないので,バランスを破壊するほどの脅威とは言えない.

 似たものに3のブロックがあるが,これはブレイク判定にかかわらず,すべての攻撃を半減するもので,バリア系と組み合わせる場合はシールドより相性が良い.

 1ではアイアンボディという,動けなくなるがすべてのダメージを1/8にするチップもあった.

インビジ系

 無敵の代名詞がインビジブル,縮めてインビジ.姿を消して,対インビジ判定を持つ攻撃以外無効化する.3まではインビジ中の対戦相手は本当に見えなくなったが,盲目が登場した4以降は半透明で見えるようになった.攻撃を受けた際に発生する無敵もインビジ判定.よって,対インビジ攻撃は,追い討ち攻撃としても使える.対インビジ攻撃のほとんどは電気属性で,麻痺を伴うものが多い.

 よく似た効果を持つチップはいくつかあり,その一つがカゲブンシン(2, 3).真っ黒の影になり,ソード判定を持つ攻撃以外無効化する.インビジとは重複しない.2ではカゲブンシン中,チャージ武器がフミコミザンになるという面白い効果も持っていた.インビジと好みの分かれるところであったが,良くも悪くも4以降はインビジに一本化される形となり消滅した.

 ユカシタ(1〜4,ただし3ではユカシタモグラ)は,攻撃するとき以外インビジ状態というインビジの派生であったが,3以降インビジとユカシタは区別され,攻撃するとき以外対地中判定を持つ攻撃以外無効化となった.分化以後はインビジやカゲブンシンと効果が重複する.また,インビジやカゲブンシンより比較的効果時間が長い.一度は分けられたものの,結局インビジ一本化の流れを受けて5で消滅した.5にはユカシタとよく似た効果で“水中”があった.

 一方,テンジョウウラ(1,2)は,次に攻撃するまでインビジ状態になるチップ.劣化版ユカシタとも言える.

 暗転割り込みが可能となった4以降は,強力な暗転攻撃をインビジで割り込んで無効化し,暗転攻撃がこなければターンの最後に使っておく,という使い方が一般的になっていた.インビジへの一本化は,守りの選択肢を減らす反面,対インビジ攻撃が使いやすくなるため,ゲームとしてより攻撃的になることを意味する.また,対インビジ攻撃と麻痺の組み合わせは,無限ハメの近道となるため,ハメ技が流行した3以降,微妙な調整が入れられてきた.昨今の格ゲーでは定番になりつつある(?)“ハメ抜け”があれば何の問題も無かったのかもしれないが.

バリア系

 一定量のダメージが蓄積すると壊れるバリアと一定値以上のダメージで壊れるオーラ.1から登場し,200以上の攻撃でないと壊れないドリームオーラはかなり強力であった.それゆえ,3からバリア系を除去するスーパーキタカゼが登場し,4からはそれまでインビジ優先だった重複順位がバリア優先に代わり,剥がしやすくなった.さらに6では,風系統すべてにバリア除去効果がついたため,トップウ・スイコミが永続バリア除去+強制移動という強力な置物になった.また,全体的に攻撃力が上昇したため200を超えやすくなっていた.もはや,これまでかというくらい弱体化したが,平均ダメージ150程度で200を超えるチップが数少ない状況で200未満無効が50秒程続くという性能がそもそも異常であろう.

 バリア系の派生として,バブルラップ(1,2,5,6),リーフシールド(1,2)が存在する.前者は電気属性攻撃で壊されない限り,破られても一定時間で再生するバリア(耐久力1).後者は炎属性以外の攻撃を受けると,逆にその分HPを回復するバリア.どちらも3では敵のみが使い,4でいったん消滅したが,バブルラップの方は悪でも使えるバリアとして5で復活した.5では耐久力150で同様に再生能力のあるブラックバリア(ギガチップ)も存在する.

 2から登場したいかにもカードゲーム要素らしい要素.あらかじめ罠を張っておくと,相手の特定の行動を無効化し,反撃を加える.罠を張ると,画面の隅に「????」と表示され,相手にも何らかの罠が張られたことが分かる.罠を重複して張ることはできず,罠を張った状態で新しい罠を張ると上書きされる.時間無制限で,発動させる以外に罠を剥がす方法は無いが,6ではカーソル系統の攻撃に罠破壊効果が付いていた.

 最も代表的な罠はカワリミ.攻撃を受けると発動し,攻撃を無効化しつつ手裏剣で反撃する.どんな攻撃を受けても反応するため最もよく使われる罠.3まではインビジなどでダメージを直接受ける状態でなくても発動した.また,発動後に隙があり,バスター等で発動させて,手裏剣を避けてから隙を突いて反撃することができた.しかし,4以降はインビジやバリアの判定が優先されるようになり,インビジ系が剥がれたときの保険としても使えた.また,発動後の隙が無くなった.さらに暗転割り込みの登場により,後出しも可能となった.どういうわけか,一本化されたインビジ,優先化されたバリアと比べて強化の程が著しい.3からは,B+左を入力すると短時間カワリミを張れるナビカスプログラム・カワリミマジックもあった.

 ナビスカウト.相手のナビチップの発動を無効化し,逆にこちらがそのナビチップで攻撃する.ナビチップの有用性がシリーズごとに異なるので,ナビスカウトの有用性も一定ではない.結局のところ,オールマイティなカワリミの方が好まれる傾向にあったようだ.

 シラハドリ.ソード判定チップの攻撃を受けると発動し,無敵状態でソニックブームを3連発する.一般的に日本人は剣好きであるためか,ソード系チップは強力なものが多い.そのため,ソード系統に対してのみカウンタートラップが存在している.カゲブンシンとの組み合わせは有効だが,やっぱりカワリミでも十分に代用が効く.

 バッドメディスン.相手が回復チップを使うと発動し,回復を無効化しつつ,回復量の2倍のHPを消失させる.ダークソウルユニゾンに唯一対抗できる手段であるため,5では必須チップとも言われていた.

 属性攻撃に対しては,属性ごとにトラップがある.属性攻撃が発生すると発動し,無効化しつつ,フィールド全体をその属性で攻撃する.2では何故か木属性に対する罠が無かった.3で一時姿を消したが,4で木属性トラップを伴って復活.また,6では,4属性すべてに効果のあるエレメントラップが登場した.系統にも弱点関係が生まれたため,属性にだけ罠があるのは不公平に思えなくもない.

完全無敵(オウエンカ無敵)

 緑色に点滅して,バッドメディスンやリョウセイバイといった“HP減少”以外いかなる攻撃も受けない状態.主にオウエンカを設置した際に一定時間おきにこの状態が発生するので,オウエンカ無敵とも呼ばれる.オウエンカの他に,バグスタイルの開幕無敵,ガッツソウルのガッツマシンガン,ナイトソウルの最前列チップ攻撃,チャージクロスのタックルなどでも見られる.ダークソウルユニゾンやダークインビジも緑色ではないが,この状態.罠以上に対抗策が乏しいものの,時間制限待ちや設置物破壊といった対処ができる分,罠より剥がしやすいかもしれない.ダークソウルユニゾンは論外として.

 現実的か否かは別として,守りを5枚6枚と重ねることができるため,攻撃する方にとって見れば非常に厄介極まりない.強力な攻撃コンボを用意しても,1,2枚張られるだけで効果を失うばかりか,そもそも重ねがけ防御を突破できずにコンボが始められない.防御突破に重視すると,その分威力的には低いチップを入れざるを得なくなり,ダメージ効率が落ちていくだけでなく,自分の守りすら危うくなってしまう.攻撃はチャージ武器主体で高威力チップだけ数枚用意し,残りのチップは防御に回すというスタイルが一番安定するのはそのためだ.

 強力な攻撃が存在するからこそ,防御の必要性が生まれる.しかし,同時に防御を破る方法も無ければ,お互い攻撃できないまま終わってしまう.もちろん,限りはあるものの,インビジを破られたときの保険にカワリミを張られては,対インビジを持ったチップもカーソル系統による罠破壊も意味を成さなくなってしまう.それが,3重,4重になったら尚更だ.せめて,重複を無効にするとか,罠も置物の一種にする,または,対策チップを豊富にするなど,一度や二度は攻撃を無力化できてもすぐ剥がされることを前提とした防御,あるいは,ある攻撃は無効にしても別の攻撃では手痛いしっぺ返しを受けるような防御でなければ,少なくとも単発の攻撃チップ一枚とは等価値にならないだろう.

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エリアスチール

 自エリアを広げることは,自分の動ける範囲を広げると同時に,相手の逃げ場を減らすことができるため,非常に重要である.特に高威力のチップは攻撃範囲が狭いことが多く,それらのチップを当てるためには相手のエリアを狭くするのが常套手段となる.

 陣取りのために使われる代表的チップがエリアスチール.シリーズ通じて登場している.類似効果を持つチップとして,2からパネルスチールが,3から5まではスチールゼリーがある.

 エリアスチールは敵エリアの最前列の縦3マスを自エリアに書き換えるもの.ただし,エリアが凸凹している場合でも,最前列しか奪えない.対して,パネルスチールは自分の前方の敵エリア1マスを自エリアとする.どちらも敵や置物のあるマスでは,ダメージ10を与える代わりにパネルを奪えない.そのため,常に最前列に立つか,自エリア最前列に壊しにくい置物を設置することがエリアスチールへの対抗策となる.よって,エリアスチールは奪える範囲も広いが防がれやすく,パネルスチールは狭いが防がれにくいと言える.

 スチールゼリーは威力120(3では90,130,170の3種)で攻撃しつつエリアを奪う.こちらも敵や置物のあるパネルは奪えないが,攻撃力がある分使いやすい.3でヒートスタイルが敬遠された原因もここにある.3では,エリアスチール同様,最前列の縦3マスにゼリーが落ちるが,4で強化され,敵エリアの各行最前マスにゼリーが落ちるようになった.欠点としては,穴パネルに対して効果が無いこと.エリアスチールとパネルスチールは,穴パネル(初期穴除く)に対しても効果がある.

 戦法によっては,エリアスチールで1列奪えば十分な場合もあるし,パネルスチールで真ん中だけを奪って敵エリアを分断するのも効果的である.時間経過でエリアは初期状態に戻るが,戻るべきパネルに置物やロックマンがいると,それらが退くまでエリアは戻らない.

 スチールへの対抗策として,1ではパネルリターンがあった.これは本来ヒビや穴をノーマルパネルに戻す効果を持つチップだが,エリアも初期状態に戻す効果も持っていた.2以降はその効果が無くなり,単にフィールド全体をノーマルパネルにするだけのチップになってしまった.

 一方,3からはスチールパニシュと,その上位版であるスチールリベンジが登場した.これは敵に奪われたパネルの枚数分相手にダメージを与えるもの.対インビジ判定を持つので連発することができ,非常に強力な攻撃手段であった.4からは攻撃力が抑えられ,エリア修復機能が追加された.連発できなくなり,攻撃としての役割は薄れたが,当てると相手が最後列に吹っ飛ばされるので,一気に形成を逆転させることができるようになった.

 3までは敵エリアを1マスまで追い込めたが,4からは最後列が奪えなくなり,3マスは保障されるようになった.いずれにせよ,エリアの奪い合いに押し負けると,こちらの戦法が崩れ,相手の攻撃を一方的に受けることになりかねない.立ち位置や置物,暗転割り込みのタイミングなどで多少変化するものの,やはり陣取り合戦の勝敗を決めるのはスチール系チップの絶対数.相手よりも枚数が少なければ,どうしても押し負けてしまうのは必然である.もちろん,スチールばかりのフォルダで,防御や攻撃が疎かになれば本末転倒なのだが,攻撃をチャージ武器に任せてしまえば,攻撃チップが少なくなり,スチールの枚数を増やせるので陣取りが有利になる.つまり,攻撃チップに頼った戦法はますます立つ瀬が無くなるのである.

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コマンド入力

 チップの中には,特定のコマンドを入力することで異なる効果を発揮するものがある,と書くと,あたかも1枚1効果の例外であるように見えるが,コマンド入力で効果の変わるチップのほとんどは,コマンドを成功させてこそ真の効果を発揮するのであって,コマンド入力無しで使うということは,波動拳を出し損ねてパンチだけ出てしまうようなものである.もちろん,使い分けが有効なものが無いわけではないが.

 コマンド入力は大きく分けて,非暗転,ナビチップ,ウイルスチップ,暗転カーソル系統の4種類.

 非暗転の代表的なものはバリアブルソードやパンチ系チップ.コマンドを入力しなくても効果は発揮するが,入力することで攻撃範囲やHIT数などが変化する.チップを使用する際にAを押しっぱなしにするので慣れないと難しい.また,コマンド入力受付時間に暗転されるとコマンド入力はまず成功しない.例外として,Zセイバーは攻撃発生中にコマンドを入力するため,性質としてはナビチップの追加入力に近い.

 ナビチップの中には,暗転してナビを呼び出した後,コマンドを入力することで,技の性質が変化したり,HIT数が増えたり,追加効果が付加されるものがある.

 3のウイルスチップは,3ないし4匹の飼育ウイルスがルーレットのように順々に表示され,選択したウイルスが召喚される.強いウイルスチップほどルーレットの速度が速い.なお,6のナビチップであるエレメントマンは,これと似たようなルーレットタイプのナビチップで,選択したエレメントマンの属性に応じて技が変化する.

 暗転するカーソル系統チップは,移動するカーソルをAボタンで止めて攻撃範囲を決定する.カーソル系統のナビチップ(サーチマン,キラーマン)もこの形式.

 いずれにせよ,コマンド入力の必要なチップは,コマンドを失敗すると他のチップと同等か,それ以下の性能で,コマンドを成功させると他のチップ以上の強力な性能を発揮する.これはコマンド失敗のリスクを考えれば当然のバランスではある.

 しかし,複雑なコマンドほど得られる効果は強力で,同時に成功できる人が限られてくるため,コマンド入力の得手不得手が対戦の勝敗に大きく絡んできてしまう.それがもっとも如実に現れたのが,3のバリアブルソードで発動するエレメントソニックである.これは縦3マスに各属性を帯びた4つの剣閃が画面端まで飛んでいくもので,ロックマンがほぼ確実に弱点属性を持つ3では,通常の5倍のダメージを与えることになる.たった1枚のチップから発生するにもかかわらず,発動に3ないし4枚のチップが必要なプログラムアドバンスよりも高性能であり,コマンドが複雑なためにその恩恵に与ることができるのは一部の人間だけである.もっとも,このような攻撃でも1枚の防御・無敵系チップで容易に防ぐことができてしまうわけで,チップ1枚の価値がこれほどまでに違ってよいものなのか,考えさせられる好例であろう.

 エレメントマンのようにルーレット方式で効果が変化し,臨機応変に使っていけるチップは,戦略的にも非常に面白いのだが,やはり1枚1効果が主流のエグゼにおいては例外中の例外なのである.

 エグゼがアクションゲームとカードゲームの融合である以上,プレイヤーがアクション派かカード派かでその評価も変わってくる.その最たる例がコマンド入力であって,好みが相当分かれる部分であろう.アクションを苦手としている筆者の書いた本項の内容にしても,そうでない人にとっては「わざわざ目くじらを立てるようなものか?」と思われてしまうかもしれない.その一方で,B連打ガッツマシンガンやB+左シールドといった比較的単純なコマンドを難しいと感じる人もいるのだから,尚更に評価が難しくなってくる.そういった人はゲームに向いていないと断じるのは簡単だが,ゲームの面白さを追求する上で果たしてこれらのコマンド入力が本当に必要であるか,代替手段は考えられないのか,議論する余地は十分あるように思われる.

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善専用・悪専用

 システム上の善と悪については,ナビカスタマイズの善・悪の項を参照されたい.

 善には善専用,悪には悪専用のチップが存在する.もちろん,この区分けが存在するのは善・悪という概念のある4と5だけであるが,3では悪専用に似たようなもので,“闇のチップ”という特殊なチップが存在した.これは,ダークホールやダークマンのチップでダークホールを作るか,ナビカスにダークライセンスというプログラムを入れないと使えないチップで,事実上,改造コード無しでダークライセンスを組み込めるバグスタイル専用チップとなっていたが,対戦バランスを大きく狂わせるような仕様ではなかった.

 閑話休題.善はナビチップ(通常のナビチップ以外にもナビを呼んで攻撃するチップを含む)やガンデルソル,バリア,バグシュウセイ,ホーリーパネル関連のチップを使うことができる.善専用というより,悪が使用できないチップという表現の方が適切かもしれない.

 悪はSPナビチップよりやや威力の劣るDSナビチップの他に,ノイズストーム,ムラマサブレード,ポイズンアヌビスなどの高性能チップやバグ関係ギガチップ,そして,ダークチップが使える.悪専用のチップは威力が高いのが特徴で,特にダークチップは驚異的な威力を持っている.

 善はソウルユニゾンの効果でチップの威力を上げることができるし,チャージ武器も強力であるが,悪にはそれが無いので,悪専用チップの攻撃力が比較的高めに設定されているのは納得のいく話ではある.ただし,ソウルユニゾンでチップを強化するには,まず,いけにえチップを使って変身するという大前提があり,ターン制限があるためにチップの引きに運が絡み,ものによってはチップチャージ(Aため撃ち)をする必要があるので連発できない.それに引き換え,たった1枚のチップを使うだけで,並のチップ2〜3枚分に相当する強力な威力を叩き出すことができるというのは,釣り合いが取れているのか疑問である.

 また,悪はバリアやホーリーパネルが使えないといっても,4重5重の守りのうちの一部が消えただけに過ぎず,シールド,インビジ,カワリミ,オウエンカは健在であるため,けして防御面が著しく劣っているという程でもない

 善と悪の性格を決定付ける意味で,善専用と悪専用のチップが存在すること自体には問題は無い.しかし,善悪共用のチップは,ソウルユニゾンによる強化を前提としたチューンが成された,いわば“特定ソウル専用”ともいうべきチップになっているため,実質的にはこれらも善専用である.そして,悪が使うチップは,ソウルユニゾンを使えない悪のためにチューンされた悪専用チップに限られ,しかも,その種類が少ないために,悪のフォルダは,使用ソウルにより限定される善のフォルダ以上の没個性化を余儀なくされるのである.

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プログラムアドバンス

 3〜5枚のチップを特定の順番で選択すると,強力な効果を持った1枚のプログラムアドバンス(PA)チップに変化する.

 PAには同チップ連番コードで発動するものと,異チップ同コードで発動するものがある.

 3までは,同チップ連番コードで,一定時間インビジブル状態でチップ攻撃を連発できるゼータ系PA(3枚発動)とその上位版であるオメガ系PA(5枚発動)が発動したが,これは攻撃により無敵時間が発生しないウイルスに対してのみ有用なPAであった.

 4以降の同チップ連番コードのPAは,そのチップの強化版といったような形式になった.対戦でも有効ではあるが,同じチップを選択するということは,たとえ*コードであろうと他の種類のチップを同時に選択できないため,どうしても単発で発動するしかなく,少々使い勝手が悪い.

 異チップ同コードのPAは,PA素材の強化版であるものもあれば,まったく異なる性能を持ったものもある.また,PAと他のチップを同時に手札に入れられるため,より戦略的に使うことができる.6では*コードだけで発動できるPAすら存在する.また,このタイプのPAは,素材をフォルダに複数セット入れることができるが,5からは戦闘中同じPAを二度使えなくなった.もっとも,それ以前の大会では,PAは試合中1回しか使えないという特別ルールが存在しており,それがフィードバックされる形で導入されたルールであろう.フォルダ制限の強化同様,RPGパートのみを遊んでいる人にとっては,改悪でしかない.

 複数枚のチップを同時に引き当てなければならないのだから,確率的に言っても,チップを単体で使うより強力な性能でなければ意味がいない.しかし,1のPAは発動させずに単品で3枚を使った方が得をする組み合わせというのも少なくない.逆に2ではその反動もあってか,異常にPAの性能が高く,また,最大HPが1000までしか上がらないため,一撃必殺も可能であった.3において,ようやく落ち着きを取り戻したが,最大HPの上昇とソウルのチャージ武器の台頭,PAがソウルによるチップ強化を受けないなどの理由から,PAを狙っていく戦法は徐々に下火になっていった.もっとも,2から登場したボディガードとポイズンファラオはシリーズ通して強かったのだが,それも6ではほとんど使われなくなった.

 複数のPAをフォルダに組み込むと,揃うまで思うように攻撃できなくなり,大幅にチップの回りが悪くなる.そのため,PAは切り札としてフォルダに1セット入れておく程度が現実的であった.それでも,揃えるためには運が大きく絡んでくるので,PAを戦法の核に据えるには難がある.そもそも,チップを組み合わせたコンボ攻撃が常にPAと同じくらいの効果を発揮してくれれば,PAなど必要のないシステムだったのかもしれない.

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レアチップ

 多くのカードゲームに,カードのレアリティが存在するように,エグゼにおいてもチップそれぞれにレアリティが存在する.しかし,ゲーム内で表示されるレアリティは実質的にほとんど意味がない.ここで取り上げるレアチップとは,入手方法が極めて困難なチップ,あるいは,ゲーム中においては絶対に入手できないチップを指す.

 大抵のチップはウイルスやナビと戦うことで入手できる.ウイルス戦では戦闘評価に応じて異なるコードのチップ(異なるチップが手に入る場合もある)を入手することができる.2や3では,瀕死状態(HP1/4以下)で入手できるコードが変わったり,3以降はバージョンによってコードが変わったりもした.マップ中に点在するミステリーデータ(=宝箱)やチップショップ(=武器屋)からも入手できるが,それらを利用して手に入るチップの種類やコード,入手できる枚数は限られる.これらの手段でも入手できないチップ,あるいは,1枚手に入っても2枚目以降はほとんど入手できないチップが,すなわちレアチップであり,その数は意外と多い.

チップトレーダー:3枚ないし10枚のチップ,あるいは,10個のバグのかけらを投入することで,新たに1枚のチップを入手するシステム.入手できるチップは,投入するチップとは一切関係がなく,ランダムである.ほとんどのチップはチップトレーダーから入手できる.言い換えれば,通常の方法(ウイルス戦,宝箱,店)では手に入らないチップ(コード別含む)は,チップトレーダーで出すしかない.1枚は手に入るが増やそうと思ったらチップトレーダーに頼るしかない,といったものもある.そして,強いチップほどそういったコードが多く,また,ウイルスから入手できないサポートチップの多くはチップトレーダー限定である.ウイルスから入手できるチップでも,バージョンによりコードも異なり,片方のバージョンでは出ないものもある.これも広い意味ではチップトレーダー限定と言えよう.

レトロチップトレーダー:2のみのシステム.通信ケーブルで1から1枚チップを送ると,6種類のチップのうち1枚を入手できる.しかし,レトロチップトレーダーは一度使うと壊れてしまい,数も限られているため,6種類30コードすべてを揃えることは不可能である(もっとも,通信交換等を利用すれば絶対に不可能ではないが...).なお,店売りで1コードだけなら買えるので,ライブラリを埋めるには問題ない.同様に,2のみに存在する「ハードモード」をクリアすることで獲得できるサンクチュアリも5コード中1コードしか入手できない.

通信対戦「本番」:通信対戦の「本番」で勝利した際,相手からチップを奪い取らず,自分のライブラリに登録されていないチップが沸いて出ることがある.チップトレーダーでも1/4の確率でライブラリ未登録のチップが出てくるので,わざわざ通信対戦で狙うほどのものでもないのだが,2では「本番」で勝利した際に,1/32の確率で手に入る隠しチップが10種類もあった.3においても,「ミドル級」以上の「本番」で勝利した際に,1/32の確率でギガチップ(通常版ならリョウセイバイ,Blackならデルタレイエッジ)が入手できる.ギガチップはコードが1種類だが,2の隠しチップは5ないし6コード存在するので,すべて集めるには相当な回数をこなさねばならない.そして,その10種類の隠しチップの中に,対ポイズンファラオの切り札であるポルターガイストが含まれている.2の大会では,幾度となくファラオが飛び交う光景を見られたが,正当な手段だけで枚数を揃えるためには,確率的にとんでもない回数の大戦を行わねばならない.

ナンバートレーダー:3から登場したシステムで,ウエハースチョコとの連動企画から生まれたもの.チョコと一緒にカードが封入されており,8桁のロットナンバーが記載されている.これを入力して,アタリの番号ならチップやナビカスプログラムなどが入手できる.ロット(=くじ)というだけあって,ハズレ番号も存在するが,エグゼ関連商品などに書かれている番号は必ずアタリである.4以降はロットナンバーという名前だけが残り,実質的には特定のアイテムを入手するためのパスワードのような役割を担った.一部はゲーム中にも登場するが,ほとんどは関連商品を買わないと分からない.もっとも,番号さえ分かれば誰でもアイテムを入手できるので,ネットで情報を引き出せる今日では,グッズ促販として正常に機能しているのか疑問ではある.ロットナンバーから入手できるチップの多くは,2枚目以降チップトレーダー限定となる.

カードeリーダー+:4から登場した改造カードは,パックの中に4枚の改造カードと1枚のキャラクターカードが入っていた.5からはこのキャラカードの代わりにアイテムカードが入るようになった.これをカードeリーダー+に通すことで,チップやナビカスプログラムなどを入手することができる.6では,イベントカードも存在し,これにより隠しイベント(隠し依頼)が発生する.そして,そのイベントをクリアしなければ手に入らない報酬(チップやナビカスプログラム)も存在する.

他ゲームとの連動:3は両バージョン合わせて100万本に近い売上げを叩き出した.これにより,エグゼを促販材料に使うという戦略が意味を持つようになった.4においては,ロックマンゼロ3と通信することで,Zセイバーのバトルチップが手に入り,ゼロ3側にはエグゼの敵が発生するようになる追加要素が発生する.しかし,他のカプコン作品と直接連動するのはこれが最後で,むしろ,コナミの「ボクらの太陽」シリーズとの連動が幅を利かせていた.

 4とボクらの太陽の連動は微々たるもので,ボクらの太陽の武器ガンデルソルがバトルチップとして登場し,ボクらの太陽をやらないと分からないロットナンバーが存在する程度.もっとも,チップとしてのガンデルソルやPAパイルドライバーの性能はかなり優秀である.

 5と続・ボクらの太陽では,クロスオーバーバトルという対戦モードが存在した.これはお互いのゲームシステムでシェードマンと戦い,先に倒した方が勝ち,というもの.対戦後両者にポイントが入り,そのポイントで限定アイテムが入手できる.エグゼ側では,ボクタイトレーダーなるものが存在し,ポイントに応じてランダムにチップが出てくる.その中にはボクタイトレーダー限定チップも存在する.ちなみに,映画がデュエル・マスターズ(タカラ)と同時上映ということもあって,デュエル・マスターズのカードがギガチップとして登場しているが,特に連動を強調することもなく普通に手に入るので,気付かない人も多かったようだ.

 6と新・ボクらの太陽でもクロスオーバーバトルが存在し,今度はボクらの太陽のボス・ハクシャクと互いに対戦する.なお,ガンデルソルからブレイク判定が消え,弱体化した,というより,“普通”になった.

 どうしてカプコンのソフトとコナミのソフトが連動したかといえば,プロデューサーの稲船氏と小島氏が友達だから,というだけのことらしい.全然ゲーム性も違うし,世界観も違う中での強引な連動で,お互いの売上げにはメリットがあったのかもしれないが,ユーザーにとっては迷惑な課金要素でしかない.

イベント配信:ポケモンで言うところのミュウ.次世代ワールドホビーフェアやタカラ(トミー)ボーイズホビーフェスティバルなどのイベント,あるいは,コロコロの懸賞で限定配信される正真正銘のレアチップ.ただし,1のフォルテのみ配信後はチップトレーダーからも出てくる.1では1種,2以降は基本的に2種類.2では,2回目のイベントで4種類のゴスペルチップを配信したが,1回に1枚しかもらえないために何度も並び直す人が続出し,イベント終了まで長蛇の列を作っていた.3では,ギガクラスのフォルテ(もしくはフォルテアナザー)を,フォルテGSに改造する“改造配信”という特殊な配信方法をとっていた.4からは,配信と同時に「配信カード」が貰えた.これは,カードeリーダー+に通すことで,イベントに行かなくても限定チップを入手できるというもの.しかし,結局カードを手に入れるためにはイベント会場へ行くか,ネットオークションで競り落とすしかない.配信チップは強いものから弱いものまで様々で,開発者も「バランス調整に苦慮している」と語っているが,基本的には強い.強いだけに,不公平感も増す.

 価値のあるチップのレアリティが高く,なかなか手に入らないというのは,カードゲームでは一般的なことだ.しかし,1枚1効果,1効果1枚で,代替効果を持つようなチップもなく,コードによって戦術が大きく制限されるエグゼにおいて,チップが揃うと揃わない,コードが揃うと揃わないとでは全然意味が違う.防御・無敵チップや陣取りチップの有用性は前述の通りで,さらにどんなコードとも組み合わせられる*コードならば,尚更有無により大きな差が開く.そして何より,PAR(プロアクションリプレイ)などの機器を使ったデータ改竄という抜け道があることで,問題はさらに深刻になる.改竄の有無で大きな差が開き,権威性を持った公式大会ですら改竄プレイヤーが上位を占める.ここまで来れば,“異常”ではなく“欠陥”である.無論,データ改竄など威張れるものではないし,カプコンも使用の自粛を勧めている.また,6ではソフトに改竄検知機能まで導入し,改竄プレイヤーを大会から弾く処理を取っている.それでも,現実にデータ改竄は無くならない.もはや,プレイヤー自身の良心では歯止めが利かないほどに,データ改竄が対戦での勝敗に関与しすぎているのである.

 データ改竄の他にもチップを増やす方法がある.通信交換を利用したチップ増殖法で,PARが流行する以前はこちらが主流であった.チップ送信後,データをセーブする直前に通信ケーブルを引き抜き,通信エラーを起こさせて,受信側はチップを無事受け取りながら,送信側は送信しなかったことにすることでチップを増殖していく方法である.しかし,タイミングを誤れば,セーブデータを破損してしまう恐れもあり,非常にリスクを伴う.リスクを伴うが,レアチップを集めるために必要な時間を考えると,増殖法の方が楽ではある.3ではセーブデータが壊れないように,セーブのタイミングに時差を持たせていたが,これによりデータを破損することなく,安全に増殖することができた.4以降は仕様が再び変わって,データ破損のリスクが復活し,また,PARの流行と相俟って,この増殖法を試みる人はほとんど見かけなくなった.

 増殖にせよ,データ改竄にせよ,それらが対戦の勝敗に大きく関与するなどということは断じてあってはならない.しかし,データ改竄はなくならないどころか,ゲーム自体がデータ改竄をやめさせる方向ではなく,むしろ,助長させるような機能を多く盛り込んでいった.レアチップがその最たるものであり,対戦に重要なエリアスチール*やアタックMAX(ナビカスパーツ),ボスナビタイムアタックで必須のクイックゲージ*などをロットナンバーやアイテムカード限定のレアアイテムとし,わざわざレアリティを吊り上げるようなこともやっている.口ではデータ改竄の自粛を求めるわりに,無意味なレアリティの吊り上げによって,実際は改竄を助長している.カードeリーダー云々にかかるコストとPARのコスト,どちらが安いか誰にでも簡単に計算ができる.チップトレーダーに入れるチップを集めるための単純作業にかかる時間とPARにコードを入力する時間,どちらが早いか明白だ.改竄が流行していることを認識していながら,データ改竄などに頼らずとも充実した対戦ができる環境を提示するような工夫を盛り込むことは一切無かった.あまつさえ,3のナビカスで「改造ツール」や「改造コード」などという紛らわしい用語を使い,その後も「改造カード」に見られるように“改造”という言葉を好んで使っているようでは,開発者自身が改竄を黙認し,あるいは煽動していると見られても言い訳のしようが無いのではないだろうか.

 注:一般的な言い方では,PARは「改造ツール」であり,「改造コード」を使ってデータを「改造」するのだが,エグゼでは,これらの言葉を敢えてゲーム内用語としても使用している.これと区別するため,ここでは「改竄」という言葉を使っている.

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アーマー・バスターUP

 本項からは,作品順にロックマンのカスタマイズについてまとめていく.

 1では3種類のアーマーを装備できた.すなわち,ヒートアーマー,アクアアーマー,ウッドアーマーで,それぞれ炎属性,水属性,木属性を持っている.これは,弱点属性以外の攻撃を半減するもので,実質的にHPを2倍にするものとも言える.見た目に変化がないので,どのアーマーを装備しているかは攻撃を当ててみるまで分からない.電気属性のアーマーが無いため,木属性攻撃はすべてのアーマーに半減される.もっとも,1の木属性攻撃チップは2種+ウッドマン系だけ.これほどまでに冷遇されている状況から見るに,開発の初期段階では炎,水,電気の3属性しか無かったのではなかろうかとも思われる.

 余談だが,GCの「ロックマンエグゼ トランスミッション」にはエレキアーマーが登場する.

 また,バスターUPというアイテムを拾うことでロックバスターを強化することができた.アタック,ラピッド,チャージの3項目があり,それぞれ5段階まで強化できる.全部回収すればオール5になるので,対戦では差がつかない.1のみ,チャージショットの2段階チャージができて,2段階ためると威力はアタック×16となり,シリーズ最高倍率である.2以降はアタック×10の1段階チャージのみ.バスターUP形式は,3でナビカスに統合され,消滅する.

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スタイルチェンジ

 2,3で登場.2はスタイルチェンジとバスターUP,3はスタイルチェンジとナビカスの組み合わせであるため,多少仕様が異なるが,基本的には,戦闘時の傾向に応じてタイプが変化し,そこに4属性がランダムで付く.属性は,チャージ武器(Bため撃ち)が各属性を持った攻撃に変化するというプラス面があるものの,弱点が付くというマイナス面の方が強い.しかし,各タイプの特殊能力と相殺すれば,ノーマルで戦うよりは有利であろう.

ヒート:チャージ火炎放射,V1:50,V2:70,V3:100.威力,範囲に優れるものの,発生を見てからでも避けられる.攻撃の効果時間が長いが,その間硬直するので隙も大きい.マグマを踏んでもノーダメージ.

アクア:チャージバブルショット,V1:30,V2:40,V3:50.チャージ時間に優れ,最も当てやすい.ただし,相手がのけぞらないため,相手のチャージを止められない.氷で滑らない.

エレキ:チャージラビリング,V1:10,V2:20,V3:30.チャージ時間が遅いが,麻痺効果がある.弾速は遅めだが,忘れた頃に使うと意外と当たる.マグネットパネルに吸い寄せられない.

ウッド:チャージコガラシ,V1:10,V2:15,V3:20.最大8HITするが,自分の2マス前にしか攻撃できないので,まず当たらない.木属性なだけに無敵時間の発生はない.クサムラ上で徐々に回復.

 チャージ武器の威力は,2では同じスタイルで戦闘を繰り返すとレベルが上がり,3ではナビカスにウエポンLv+1を装備するとレベルが上がる.大きいナビカスパーツなので,まず入れられない.

ガッツスタイル:バスターの使用頻度が高いと発現.アタック×2,ラピッド−4.2ではスーパーアーマー,3ではB連打ガッツマシンガン(バスター6連射+のけぞり発生)が付く.

カスタムスタイル:選択した手札の枚数が多いと発現.2ではオープン枚数が7枚,3では6枚.

ブラザースタイル:ナビチップを多用すると発現.2ではナビチップをフォルダに8枚,3ではメガチップをフォルダに6枚まで入れられる.

シールドスタイル:防御チップを多用すると発現.ファーストバリアが付く.2ではB+左シールドが付き,3ではタイミングよくシールド防御を成功させるとHPが最大値の10%回復する.

サイトスタイル:2のみ登場.属性が付かない特殊なスタイル.すべてのV3ナビをレベルSで倒すと発現するが,一度でも消してしまうと二度と手に入らない.アタック×2,ラピッド−4,スーパーアーマー,オープン10枚,ナビチップ8枚,ファーストバリア,B+左シールドが付くが,最大HPが半分になる.

グランドスタイル:3通常版のみ.地形変化を伴うチップを多用すると発現.チャージ武器にヒビ効果が付く.火炎放射との組み合わせが有効だが,メリットは薄い.

シャドースタイル:3Blackのみ.インビジブルを多用すると発現.チャージ武器が属性に関係なくショートインビジブルになる.ただし,ナビカスにウエポンLV+1を装備すると通常の属性攻撃になり,スタイルのメリットが完全に消滅する.

バグスタイル:3のみ登場.ナビカスをバグらせた状態で戦闘すると発現.戦闘開始時にランダムで強力な特殊効果が発生するが,同時にバグもランダムで発生するギャンブル要素の高いスタイル.プラス効果は,バスターALL5(5/16),10秒間完全無敵(5/16),ファーストバリア100(5/16),オープン10枚(1/16).マイナス効果はバスターから撃ちバグ(4/16),上あるいは下に強制移動バグ(6/16),バトル中HP減少バグ(2/16),カスタム画面中HP減少バグ(4/16).

 3はナビカスとの組み合わせで能力が変化するため,ガッツのスーパーアーマーやシールドのB+左シールドは標準装備ではなく,カスタムやブラザーの効果も2より低めに設定されている.スタイルごとに組み込めるナビカスパーツの色が決まっており,ガッツ・シャドーは赤,カスタム・シールドは青,ブラザー・グランドは緑,バグは灰色のパーツを組み込める.それ以外の色を組み込むには改造コードが必要.しかし,改造コードを使うとエキストラコードが使えなくなるため,決められた色だけで組んだ方が良い.結果的に,オープン枚数を増やしやすい青のカスタム・シールドに人気が集中し,プラス効果が強いバグスタイルが3番手といったところだった.

 戦闘中にスタイルが変化することはないので,状況に左右されず一貫した戦略で戦えるというメリットがある.ただ,2では2つ,3では1つだけしかスタイルを所有できなかったので,対戦ごとにスタイルを切り替えることができない.また,属性はランダムで決定されるため,好きな属性が出るまでリセットを繰り返す必要がある.各タイプの発現条件を一切満たさない場合(ガッツスタイルでバスターしか使わない,など),タイプもランダムで決定される.このとき,通常版でシャドー,Blackでグランドが発現してしまい,さらに操作を誤ると一生スタイルチェンジできなくなるという不具合があった.

 余談だが,チップに乏しい序盤にエレキやウッドになってしまうと,ゲームの難易度がかなり高くなる.

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ナビカスタマイザー

 ナビカスタマイザー,縮めてナビカス.ナビのカスタマイズにパズル的要素を取り入れたもの.5×5マスのメモリ領域に形や色の異なるナビカスパーツをルールに沿って組み込むことで,ナビを自由にカスタマイズできる.プログラムパーツによって特殊能力を付加し,プラスパーツによってHPやバスターを強化する.

3:白,黄,ピンクの基本3色の他に,スタイルごとに入れられる赤,青,緑,灰色が存在し,決められた4色以外の色のパーツを入れるためには改造コードが必要だった.オレンジや紫といった改造コードなしでは入れられないパーツも存在した.また,改造コードの代わりにエキストラコードを入力することで,さらに能力を追加することができた.エキストラコードの中には効果が高い代わりにバグの発生するものもあった.バスターUPもナビカスに組み込まれたが,パーツが大きく,強化しにくかった.

4,5:入れられる色の制限がなくなったが,5色以上入れるとバグが発生するようになった.色の種類は白,黄,ピンク,赤,青,緑の6色に減り,バスター関係のパーツも徐々に小さくなってきた.改造カードが導入されたせいか,エキストラコードによる強化が無くなったため,できることが少なくなったとも言える.

6:各辺1マスずつはみ出して置けるようになり,25マスから45マスに広がった.入れられるプログラムパーツの最大数も5から7に増加し,HPやバスターの強化がやりやすくなった.

 カスタム+1系によるオープン枚数強化はいつの時代も必須事項.4以降は色制限が緩和したためプログラムパーツが入れやすくなり,スーパーアーマー,エアシューズまたはフロートシューズがほぼ必須となった.それらを入れて余った部分をHP強化やバスター強化に充てることになる.4ではHP強化の方が重要であったが,5と6はソウルやクロスのチャージ武器の威力がバスターのアタック依存になったため,バスター強化も重視されるようになった.

 あえてバグを発生させ,その効果を利用するカスタマイズも存在した.

 3では,バスターMAXを入れるとチップが勝手に発動するバグが発生した.これにより理論上最速でチップを使うことができたが,これを使いこなすには移動やバスターによるチップ発動タイミングずらしという高度なテクニックを要した.

 4と5では,エアシューズのヒビ発生バグを利用し,自エリアを穴だらけにして,一部のチップが効果を発揮できないようにする防御法が流行した.また,悪専用チップの中には,バグを発生させるほど強くなるものがあり,バスター空撃ちバグなど比較的デメリットの少ないバグを複数発生させるカスタマイズが猛威を振るった.

 エグゼにおけるカスタマイズの代表格であり,シリーズが進むにつれて進化している.ただし,自由度という点では若干問題もある.各種戦法に対処できる装備を揃えておきながら,自分の戦法にあったパーツを取捨選択するのが主な使い方だが,前述の通り,必須とも言えるプログラムはほぼ決まっているので,選択肢の幅としては,好きなプログラムを1つか2つ選んで,あとはHP強化とバスター強化にどれだけ振り分けるか,という程度.個性が出るほどの自由度はなかったとも言える.6でマス数が増えたが,必須プログラムを一通り入れてなお選択肢を増やすためには必然の改良でもあったと言える.しかし,ナビカスだけが悪いとは言えない.穴を利用した戦法に対抗策がエアシューズ装備の一択だったり,オープン枚数が7〜8枚ないとチップがうまく回らなかったり,HPを上げておかないとギガチップの攻撃で即死することがあったり,といった具合にバトルシステム全体が抱える問題点のしわ寄せが,カスタマイズの中核にあるナビカスに集まってきているとも言えるのだ.そもそも,カスタマイズの選択肢を用意しておきながら,結果的に必須プログラムと言えるものが存在しているようでは意味が無い.必須プログラムを必須プログラムたらしめているのはバトルシステムの抱える問題であり,ナビカスの潜在的自由度をバトルシステムが封じ込めているのである.

 ただし,あえてこの問題について開き直って,個性という要素は改造カードe+に任せ,ナビカスにおける個性の発揮はあまり重視しない,というのが4以降の方向性だったようにも思われる.

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ソウルユニゾン

 他のナビと魂を共鳴させることで,そのナビの特徴や性能を受け継いだ姿に変身.スタイルチェンジと異なり,戦闘中に変身を行うもので,ソウルごとに対応する属性・系統のチップを1枚いけにえに捧げる必要がある.デッキにフォルダ,カードにバトルチップという独自の用語体系を作ってきたにもかかわらず,“いけにえ”というカードゲーム用語をそのまま使っていることに多少違和感を覚える.

ファイアソウル:4RS.炎属性.チャージ火炎放射(威力50).炎属性チップチャージで威力150のファイアアーム.マグマパネルを吸収してHP50回復.発動時にフィールドに10マスのクサムラパネルを作る.

アクアソウル:4BM.水属性.チャージアクアショット(威力20).氷で滑らない.水属性チップチャージで攻撃力2倍.

サンダーソウル:4RS.電気属性.チャージラビリング(威力20,麻痺).無属性と電気属性チップに麻痺効果が付く.

ウッドソウル:4BM.木属性.チャージコガラシ(威力20×8).クサムラ上で徐々に回復.ステータスガード.木属性チップの攻撃力に,直後に選んだ無属性チップ1枚の攻撃力を加える.攻撃力を吸われたチップは使用できない.

ガッツソウル:4RS.地形破壊系統.チャージガッツパンチ(威力60,プッシュ).B連打ガッツマシンガン(威力5×8,のけぞり発生,発射中は完全無敵),無属性と地形破壊系統の攻撃力+30.

ウインドソウル:4RS.風系統.チャージフウジンラケット(威力50,トップウ効果),バスターエアシュート(威力5,プッシュ,連射不能).エアシューズ.フロートシューズ.風系統チップの攻撃力+10.発動時に相手のバリアを剥がす(キタカゼ効果).ユニゾン中,常にスイコミ.チャージ武器やバスターと併せて,相手を前後に揺さぶれる.

ブルースソウル:4BM.ソード系統.チャージワイドソード(威力80,何故かカウンターが取れる).B+左リフレクト(反射の威力50).ソード系統チップチャージで攻撃力2倍,2マス前にフミコミ.

メタルソウル:4BM.ブレイク系統.チャージメタルフィスト(威力150,プッシュ).エリアを狭めないと当たらない.無属性とブレイク系統チップチャージで攻撃力2倍.

ロールソウル:4RS.回復系統.チャージロールアロー(威力30,チップ破壊),チップを使用すると最大HPの10%回復.回復系統以外,どんなチップも対象(割り込み時は無効)なので回復量が異常.ロールアローを寸止めしてカスタム画面に入ると,相手はチップを選べない(選んでも即壊される).

サーチソウル:4RS.インビジブル系統.チャージスコープガン(威力10×5,対インビジ,対地中).発動時に相手のインビジ・ユカシタを剥がす.カスタム画面で3回オープンチップをシャッフルできる.手札を選択しつつシャッフルもできるのでかなり便利.

ナンバーソウル:4BM.数字付加系統.チャージサイコロボム(威力10×サイコロの目,直撃は威力10).ユニゾン中オープン10枚.無属性チップの攻撃力+10.

ジャンクソウル:4BM.置物系統.チャージポルターガイスト(威力100,置物飛ばし).当然,置物が無ければ効果は発揮されない.暗転するがチップで割り込めない.発動時,相手を混乱状態にする.カスタム画面で,双方が使ったチップが2枚ランダムに出現する(=リサイクルチップ).高確率でメガ・ギガが来る.

 以上が4のソウル.4属性はナビの特徴より3のスタイルを色濃く継承している.また,チャージ武器の攻撃力が控えめで強化できない.ここで出てくる無属性チップは,狭義の無属性(無属性かつ無系統)のこと.暗転チップとPAはチャージできない.PAは強化の対象外.変身時間は3ターン固定.

ナパームソウル:5ToB.炎属性.チャージファイアバルカン(威力(5+5a)×3).炎属性チップの攻撃力+40.炎属性チップチャージでナパームボムに変化(威力は元のチップの2倍).マグマパネルを吸収し,炎属性チップの攻撃力+10.水パネルに乗るとHPが徐々に減少.

トードソウル:5ToC.水属性.チャージショッキングメロディー(威力20+10a,麻痺,電気属性).水属性チップチャージで攻撃力2倍.水パネルに潜水.氷で滑らない.

マグネットソウル:5ToB.電気属性.チャージマグボルト(威力30+10a,前列に吸い寄せ,麻痺).B+左で前方の敵を移動不可に.電気属性チップチャージで攻撃力2倍.マグネットパネルで滑らない.

トマホークソウル:5ToC.木属性.チャージトマホークスイング(威力70+10a).クサムラ上で徐々にHP回復+木属性チップ攻撃力2倍.発動時,全マスをクサムラ化.ステータスガード.

サーチソウル:5ToB.カーソル系統.チャージスコープガン(威力(10+2a)×5,対インビジ,対地中).発動時,相手のインビジを剥がす.カスタム画面で3回シャッフル.5からの追加能力として,ユニゾン中は相手の手札枚数を見ることができる.

ジャイロソウル:5ToB.風系統.チャージトルネードアーム(威力(15+5a)×1〜3,バリア除去効果).風系統チップを使うとプロペラが回転し,無属性と風系統チップの攻撃力2倍.風系統を使い続ければプロペラの回転は続く.暗転チップとダークチップは倍にならないが,プロペラも止まらない.エアシューズ.フロートシューズ.

ブルースソウル:5ToB.ソード系統.チャージワイドソード(威力80+10a).B+左リフレクト(反射の威力50).ソード系統チップチャージで攻撃力2倍+フミコミ.

ナイトソウル:5ToC.ブレイク系統.チャージロイヤルレッキングボール(威力30+10a,混乱).自エリア最前列で攻撃力表示のある無暗転チップを使うと短時間完全無敵になる.ブレイク系統チップチャージで攻撃力2倍.

メディソウル:5ToB.回復系統.チャージカプセルボム(威力30+10a).カスタム画面に調合カプセルが2つ出現する.攻撃チップの後に選択することで,特殊効果が付加される.麻痺,盲目,混乱,HP減少バグ,自分のHP10%回復の5種類.ランダムに出現するので,使い勝手が悪い.

シャドーソウル:5ToC.インビジブル系統.チャージロングソード(威力50+10a).移動速度UP.フロートシューズ.B+左カワリミマジック.ソード系統チップチャージで,敵の背後に瞬間移動して斬る.

ナンバーソウル:5ToC.数字付加系統.チャージサイコロボム(威力(5+5a)×サイコロの目,直撃は威力10).オープン10枚.無属性チップの攻撃力+10.

カーネルソウル:5ToC.置物系統.チャージスクリーンディバイド(威力40+10a,ソード系統).暗転しない無属性攻撃チップを選択して,1ターンの間チャージ武器にできる.敵エリアにある置物がカーネルアーミーに変化する.自分の置物でも変化するが,レッドフルーツなど置物判定でも変化しないものがある.

 以上が5のソウル.チャージ武器とユニゾン時間(初期3ターン)をナビカスで強化できるようになった.全体的にToBのソウルはチャージ時間が短く,ToCのソウルは長い.ナビカスではアタック5までしか強化できないが,チップのバスターアップや改造カードの効果で最大10まで強化できる.

 4,5に共通する性能として,ユニゾン時に自分のすべての行動をキャンセルする.攻撃モーションや移動モーションをキャンセルするだけでなく,発生中の状態異常をもキャンセルする.そのため,カスタム画面を挟んだコンボは抜けやすくなった.また,善状態でなければユニゾンできず,ココロウインドウが不安の状態でもユニゾンできない.相手の猛攻で不安状態に陥ると,ユニゾンキャンセルで事態を打開することもできず,どんどんジリ貧になる.ユニゾン中は,ココロウインドウが変化しなくなる.また,5(と4のブルースソウル)ではナビカスのB+左系プログラムが発動しなくなる.

 5では,ダークチップをいけにえに捧げることで,カオスユニゾンができた.チャージ武器が各属性・系統のダークチップになるが,使っても最大HPは減少しない.ただし,タイミングを誤ると相手エリアに自分のダークソウルが出現し,ユニゾンも解除される.チャージ武器を使うほどタイミングがシビアになるので,連発は困難.チャージ武器以外の能力はソウルユニゾンと同じ.カオスユニゾンの効果時間は強化できず,1ターン固定.

 まず,一つの問題点としていけにえチップがフォルダを圧迫する.チップ主体で攻撃するならば,フォルダに攻撃チップ10枚というのが標準的だが,これをソウルユニゾン中の3ターンで効率良くデッキから引き当てるには相当運が絡む.しかも,ソウルユニゾンの特殊能力を付加することを前提として性能を決められたと思しきチップも少なくない.

 一方で,ソウルユニゾンのチャージ武器をダメージ源とした場合,チップで攻撃する必要は無くなり,浮いた分をサポートに回せるため,ガードが強固になり一石二鳥.ヘビーゲージでターンを長くすることで攻撃回数も増やせる.特にチャージ武器の威力が上がった5では有効であったが,さらにそれを上回る悪の影に隠れてしまった.

 ソウルユニゾン,カオスユニゾンは善専用で,悪には悪専用のダークソウルユニゾンがあるのだが,かなり仕様が異なるので次の項に回す.

 ソウルユニゾンにより,戦局に応じて性能を変えることができるようになった.とはいっても,制限ターンやいけにえチップの問題から,けして使いやすいものではない.1枚1効果,1効果1枚ゆえにフォルダ側の柔軟性が無いので,相手に合わせて戦略を練り直せるほどの余裕はない.サーチやナンバーでデッキを回して,ある程度チップを揃えてから,メイン戦法のソウルに交代.そこで勝負が付けられなければ,ソウルのチャージ武器でジワジワダメージを稼ぐ,というパターンになりがちであった.最後はギガチップの一撃とファラオが頼みの綱となる.相手の守りがガチガチだと,目も当てられないままターンが無駄に過ぎてユニゾンが解かれる.各系統のチップ性能を考えると,攻撃のバリエーションも限定されるため,ユニゾン後の相手の行動は案外読みやすい.さらに,使えるソウルとそうでないものの差が激しいので,バージョン毎に戦略はほぼ固定されてしまったと言っても過言ではない.

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善・悪

 4と5にはロックマンの善悪度という隠しステータスが存在する.ダークチップとダークソウルユニゾンの使用により悪に傾き,そうでなければ善に傾く.両極端.

 善の特徴は,ソウルユニゾンとココロ変化.悪になるとユニゾンできない.ココロ変化は,画面隅のココロウインドウに現れる.

フルシンクロ:カウンターを取るとこれに変化.4では連続で攻撃を当てることでも変化した.チップの攻撃力が2倍になる.倍化したチップを使うか,ダメージを受けると通常状態に戻る.

怒り:一度に300以上のダメージを受けるか,2秒間麻痺するとこれになる.スーパーアーマーが付き,チップの攻撃力が2倍になる.ダメージを受けても戻らないが,倍化したチップを使うか,時間経過で怒りは収まる.

不安:4,5のみ.攻撃を連続で受け続けるとこれに変化.ソウルユニゾンできなくなる.

危機:5DSのみ.HPが1/4の状態で,不安の条件を満たしたとき戦闘中に1回だけこれに変化.マイクで応援するとパワーアップする.

疲労,消耗:6のみ.獣化3ターン後に疲労状態になり,超獣化できるようになる.超獣化後に消耗状態になり,HPが急速に減少する.疲労状態ではフルシンクロできず,消耗状態ではクロスもできなくなる.

 フルシンクロ,怒り,不安,通常状態が一定時間ごとにランダムで変化する「ココロバグ」が存在し,これをナビカスで発生させておくことで,タイミングがうまく合えば,フルシンクロや怒りのチップの攻撃力2倍を多用することができる.また,不安から連鎖するジリ貧を回避するのにも役立つ.一方で,怒り状態発生条件を満たしても長続きしないというデメリットもある.

 フルシンクロ,怒り,そして,ユニゾンの共通点は,条件さえ揃えばチップの威力や性能が強化されるということだ.善が“お膳立ての善”と呼ばれる由縁はここにある.とにかく,チップの性能を上げるためのお膳立てを必要とし,お膳立て段階で阻止されると戦略が崩れ去る.もっとも,お膳立てを阻止する方法が,無敵チップやら穴やら,やたら強力だったことに大きな問題があったようにも思われる.

 一方の悪は,ココロが変化せず,戦闘中ずっと悪状態のままである.HPの最大値を最低でも3減らさないと悪になれず,善に戻っても減ったHPは帰ってこない.RPGパートでずっと悪状態を維持するにはHPを下げ続けるしかないので,実質的に対戦専用と考えてよい.一時的に最大HPが下がるだけならともかく,二度と元に戻らないというのは,ナビのカスタマイズという点でも非常に特殊である.多くの人がそこに抵抗を感じていたのは事実で,余程のメリットが無ければ,悪を使おうという気にはなれなかっただろう.

 悪の最大の特徴は,一度だけデリート寸前にHP1で踏みとどまり,ダークソウルユニゾン(DSU)が発動すること.4では暗転中に連続攻撃を受けると発動せずにデリートされてしまうが,エグゼ5では必ず1で踏みとどまる.DSU中は,バッドメディスン以外の攻撃を受け付けず,チップ発動以外の操作も受け付けない.これまでプレイヤーが多用したチップの傾向,連続で使用したチップの組み合わせ(=コンボ)を覚えており,それらがHITするように移動して戦うことから「AI」と呼ばれる.公式には「オートバトルデータ(ABD)」だが,やはり用語としては広まっていない.使ったチップしか記憶されないため意図的にAIの使うチップを決めることができるが,AIが覚えないチップも数種存在する.また,ダークインビジを使えば戦闘中に任意のタイミングでDSUが発動できる(しかもデリート寸前に発動するDSUとは別カウント)ことから,5では強力なチップのみをAIに覚えさせる「AI戦法」が猛威を揮った.

 戦闘中のお膳立てを必要としない悪専用チップやダークチップの高性能ぶりも相まって,5は完全に悪優位となった.しかし,悪専用チップを使った戦術は限られており,悪専用ギガチップであるカースオブバグ(ToB)とバグチャージ(ToC)のどちらを主体にして攻めるか,という程度の違いしかなかった.そこで,悪の強弱の差は,作ったAIの性能差で決まることとなり,結果として,5の対戦は“より強いAIを作った人が強い”となったのである.

 特定のチップを使うAIを作るには,それだけを使って戦闘を続けるのが近道だが,対戦中に使ったチップもAIは記憶していくので,対戦を繰り返すうちに苦労して作ったAIが崩れることになる.では,なぜAI戦法が有効だったかといえば,AI領域をデータ改竄して好きなように弄ることができたからだ.これによりAIを作る手間も省けるし,大会が終わった後に,元の状態に戻してやることもできる.データ改竄せずにAIを固定化することが非常に困難であることから,強力なAIを持つ人はデータ改竄を使った人だったと断定しても良いだろう.もっとも,開発者も予想していなかった戦法だそうなので,これを改竄助長要素として槍玉に挙げて良いものかどうかは微妙だが,結果的にそうなっていたのは事実である.

 悪はココロが変化せず,形態も変化しないので,3以前のバトルスタイルに近いものであると言える.つまり,戦闘中にもカスタマイズできる対応力の善,戦闘前にカスタマイズを完了しておく速攻力の悪と位置付けられる.どちらかを自分の性格に合わせて選び,それぞれ自由にカスタマイズできれば,対戦は大きく幅を広げられたかもしれない.しかし,それを実現するためには,もっとチップの中身を吟味し,種類を増やす必要もあっただろう.また,HPを不可逆に減らすという前提条件が,悪をある程度強くしておかねばならないという無駄な足枷となっていたかもしれない.4では悪の魅力がHPの不可逆減少に見合わず,使う人が少なかった.そこで5ではかなりテコ入れされて使う人が増えると同時に,4のときには気付かれなかった悪の問題点が露呈した.結果として,“お膳立ての成功しないジリ貧の善”と“安定して高威力を叩き出す無個性な悪”の両極端に明暗が分かれたところで,想定外のAI戦法という横槍も受けて,善悪システムは幕を閉じた.

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クロス・獣化

 ソウルユニゾンに代わって6で登場した戦闘中の変身システム.弱点攻撃を受けるまで時間無制限で変身可能なクロスと3ターンの間変身できる獣化(ビーストアウト).どちらも戦闘中,ナビカス画面で発動可能であるが,クロスと獣化は同一ターンに発動できない.クロス後獣化するか,獣化後クロスすることでクロスビーストになれる.クロスビーストの能力は単純にクロスと獣化を足し合わせたものだが,クロスのチャージ武器より,獣化のバスターが優先される.また,無属性チップをチャージして“必殺技”を使うことができるようになる.なお,いずれの変身も,ソウルユニゾンと違って,いけにえチップを必要としない.

ヒートクロス:6G.炎属性.チャージ火炎放射(威力30+20a).アタック+1.炎属性チップの攻撃力+50.必殺技はグレイトファイア(威力50+30a).

チャージクロス:6G.炎属性.チャージチャージタックル(威力30+20a,完全無敵).炎属性チップチャージで徐々に攻撃力増加(最大+100).ターンが経過するごとにオープン枚数+1(最大8枚,クロス解除で元に戻る).必殺技はチャージバイト(威力70+30a,発射時に一瞬相手を移動不可にする).

アクアクロス:6F.水属性.チャージアクアショット(威力20+10a).直前に使ったチップの攻撃力に付加された数値が,チャージ武器の攻撃力に加算される“仕様”.水属性チップを使うとHPが最大値(ナビカスでの強化は含まず)の5%回復.水属性チップチャージで攻撃力2倍.氷で滑らない.必殺技はアクアスパイラル(威力(10+10a)×5).

エレキクロス:6G.電気属性.チャージサンダーボルト(威力40+20a).電気属性チップの攻撃力+50.無属性と電気属性チップチャージで麻痺付加.必殺技はビッグサンダー(威力40+30a,麻痺,ヒビ).

トマホーククロス:6F.木属性.チャージトマホークスイング(威力40+20a,無敵時間発生せず).木属性チップチャージで攻撃力2倍.ステータスガード.クサムラ上でHP回復.必殺技はウイングブーメラン(威力(50+20a)×1〜2).

キラークロス:6G.カーソル系統.チャージキラーズデスビーム(威力40+20a,対インビジ).チャージ武器がカーソル系統攻撃ではない.カーソル系統(暗転含む)の攻撃力+30.相手HPに4の数字が入っている時,無属性チップに即死効果(ウイルスなら即死,ナビならHP減少バグ発生)が付く.必殺技はキラーテイルアロー(威力70+30a,対インビジ,即死効果).

テングクロス:6F.風系統.チャージテングラケット(威力40+20a,トップウ).風系統チップの攻撃力+10.B+左スイコミ.エアシューズ.必殺技はテングストーム((30+20a)×1〜3).

スラッシュクロス:6G.ソード系統.チャージワイドスラッシュ(威力60+20a).エリアスチール1回でほぼ必中状態になる上,トマホークスイングよりチャージが早い.直前に使ったチップの攻撃力に付加された数値が,チャージ武器の攻撃力に加算される“仕様”.ソード系統チップの攻撃力+50.ソード系統チップチャージで剣閃が画面端まで飛ぶ.例外としてエンゲツクナイは1マスしか飛ばない.属性ソードも飛ぶ.必殺技はスラッシュエックス((威力50+30a)×1〜2).

グランドクロス:6F.ブレイク系統.チャージグランドドリル(威力(10+10a)×1〜3.発動直後ユカシタ).ブレイク系統チップの攻撃力+10.ブレイク系統チップチャージで落石(威力30+10a)を追加.敵エリアに3つ落ち,内1つは相手の頭上を狙う.スーパーアーマー.必殺技はドリルドライブ(威力(90+20a)×2).

ダストクロス:6F.ブレイク系統.チャージスクラップリボーン(威力50+10a,ヒビ).カスタム画面で選択したチップを捨てて,入れた数だけ新しいチップをオープンできる(代わりにナンバーオープンとサーチシャッフルの効果は消える).B+左で置物吸引.吸い込んだ置物はBで発射,威力200.必殺技はダストシューティング(威力80+20a,敵エリアにランダムで6発,ヒビ,発射中完全無敵).

グレイガビースト:B押しっぱなしでバスター超連射.無属性チップチャージでグレイガクロー(威力(50+10a)×2).スーパーアーマー.

ファルザービースト:B押しっぱなしで3列バスター.無属性チップチャージでファルザークロー(威力(50+10a)×2).エアシューズ.フロートシューズ.

 両ビーストに共通の能力として,無属性チップの攻撃力+30.無暗転チップは自動的に相手に当たる位置に移動してから使う.その際は敵エリアでも一時的に侵入する.

 獣化終了後は疲労状態になり,フルシンクロできなくなる.また,この状態でさらに獣化させると1ターンの間,超獣化(ビーストオーバー)が発動する.DSUのように完全無敵状態となり,こちらの操作を一切受け付けない.DSUと異なり,手札に選んだチップしか使わず,また,その発動も自動である.その他の能力は獣化と同じだが,無属性チップの攻撃力は+30ではなく2倍.超獣化後は消耗状態になり,HPが急速に減少する(1で止まる).消耗状態になると,獣化はもちろん,クロスもできなくなる.

 クロスは弱点で解除される他,クロスビーストが終了した際にも解除される.クロス・獣化ともにアタック5までしか反映しない.B+左系プログラムは効果を発揮しない.ココロが変化しない.発動時にすべての行動,状態異常(混乱,盲目除く)がキャンセルされる.

 ビーストの“必殺技”により,多くのチップに複数の使い道が生まれた.エリアスチールやクイックゲージのように攻撃力を持たないチップすらも,場合によっては攻撃に回せる.また,ビースト時の自動フミコミにより,攻撃範囲の狭さが難点だったチップも使いやすくなった.

 一方で,クロスにはソウルのようなターン制限もなく,チャージ武器の威力も一段と強化され,攻撃チップ離れの傾向に拍車をかけている.普段の攻撃はクロスのチャージ武器で十分だし,攻撃力の無いサポートチップも攻撃に回せるとなれば,いよいよ攻撃チップを入れる意味が薄れてくる.また,弱点を突かれれば解除されるというクロスのデメリットも,見方を変えれば,守りを固めて弱点攻撃さえ受けなければ使い続けられることになる.

 とはいえ,スラッシュクロスやキラークロスのようにチャージ武器の性能が高いものもあれば,グランドクロスやダストクロスのように,発生を見てから避けられるような低性能のものもある.しかも,それぞれに弱点関係を持っているためバランスがとれない.特に系統クロスのバランスは明らかにおかしい.スラッシュが使いやすいせいで,テングは解除されやすく,それもあってキラーも使いやすいが,チャージ武器はカーソル系統でないため,グランドとダストを解除できない.しかし,そもそもグランドとダストのチャージ武器は当たらないのでスラッシュは余計に使いやすくなる.バージョン間で違いを出させるためか,グレイガは悪的な単発で高威力の攻撃が揃っているのに対し,ファルザーは“お膳立ての善”的な一癖ある攻撃が揃っている.どちらが対戦で使いやすいか,答えは明白だろう.

 いずれにせよ,弱点攻撃や罠破壊,対インビジ性能,威力に優れた一部のナビチップやギガチップを入れるのみで攻撃チップは事足りる.あとはクロスの保持に回してしまえば良いのだ.だから,そもそも状態異常を絡めようとコンボは成立しにくいし,ステータスガードのある改造カードONの対戦では尚更だ.お互い同じようなクロスを使い,同じようなナビチップを撃ち合い,割り込みインビジやカワリミの成否で勝敗が決まる.それまでどのような予選が繰り広げられたかは別として,一般人が知りうる全国大会の決勝戦,つまり,エグゼの大会最終試合は,そういう試合だった.

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変身総括

 結局のところ,カスタマイズシステム,変身システムは何が一番良かったのか,結論を出すのは難しい.それぞれにシステムが違うし,また,このシステムを取り巻く周囲のシステムも大きく変化している.また,バージョンごとに変身が異なるという要素も,必要だったか疑問が残る.善と悪にしても,それぞれチップが充実していれば,また違った局面も現れたかもしれないし,ナビカスに大きな変化があれば,クロスの使い勝手もまた大きく変わっていただろう.

 1枚のチップが持つ価値もまた,変身システムによって大きく変化した.チャージ武器が強化されれば,攻撃チップの価値は減り,変身状態を存続させるためのチップ,チャージ武器を当てやすくするチップの価値は高まる.チャージ武器がオマケ程度でしかなかった頃は,価値観が逆転するとまではいかないが,攻撃チップはもっと価値を持っていた.

 一つ言えることは,攻撃チップの価値を落とすような変身システムは,各人のフォルダの個性を大きく奪ったということだ.多くの攻撃チップが見向きもされず,定番のサポートチップ,一部のナビチップ,バランス無視のイベント配布チップばかりに偏ったフォルダでオリジナリティも無い.当初,エグゼシリーズが目指していた方向性とは,本当にこういうものだったのであろうか.

 変身は,攻撃チップを,ひいては戦略をもっと多様化する方向に導くこともできたはずだ.たとえば,ファイアソウルの炎属性チップチャージでファイアアームに変化させる能力.あるいは,シャドーソウルの剣系統チップチャージで相手の背後から斬り付ける能力.エレキクロスの電気属性と無属性チップチャージで麻痺効果を付加する能力.これらはすべて属性・系統に偏った能力であったため,使用する変身がフォルダを規定し,変身自体の性能差がフォルダのオリジナリティを奪っていた.しかし,ファイアソウルがどんなチップでもファイアアームに変えることができたなら,まったく別の属性を主体にフォルダを組んでおきながら,戦局に応じて炎主体に切り替える,という使い方ができるようになっただろう.シャドーソウルも,もっと多くのチップで背後に回れれば,相手の前後移動にどんどん揺さぶりをかけることができただろう.チップにホワイトカプセルがあるのだから電気属性以外が麻痺効果を持っても何ら問題は無いはずだ.

 たった5つや6つしかない変身によってフォルダが一様に決まってしまうようなシステムではなく,まず多様な組み合わせが作り出せるフォルダから,変身によってさらに多様な使い道が生まれることができたならば,フォルダの持つオリジナリティ,変身を活かした戦法のオリジナリティがますます広がっていたのではないだろうか.

 何故,エグゼがオリジナリティを狭める方向へ進んでしまったのか,たぶん,それは開発に携わった当事者しか分からないことだろうが,非常に残念なことだと思う.1年以下(4に至っては半年)という短い開発期間では複雑なシステムを作ることが難しかったのかもしれないし,メインターゲットを小学生に据えていたので複雑化に歯止めがかけられていたかもしれない.あるいは,端からオリジナリティの発現など追求してはいなかったのかもしれない.

 結果的に変身システムが,対戦バランスを大きく左右するものであったため,ここに一つの総括を書くことになったが,仮に変身システムがオリジナルティを伸ばす方向に変わったとき,4で気付かれなかった悪の問題点が5で次々に浮上してきたように,変身システムの影に埋もれていた問題が浮き彫りになることは間違いない.防御・無敵チップ関連は既に問題が多いし,そこに手をつければ強力無比な暗転チップたちが顔を出す.ナビカスにも火種が残っている.もっとも,「流星のロックマン」はエグゼの遺伝子を受け継いでいるとは言え,いくつかの重要な前提条件を踏襲しないようなので,それらの問題は火種のまま消えていくのかもしれない.

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仲間ナビ・リンクナビ

 ナビカスタマイズとはあまり関係が無いようであるような項.

 仲間ナビは5のリベレートミッション,リンクナビは6のロックマン救出イベント等で操作可能なロックマン以外のナビ.ロックマン以外のナビを操作できるというのは,バトルチップGPや4.5でフィーチャーされた要素ではあるが,通常の形式で戦闘できたという点では5が最初.

 ロックマンと基本的な違いはないが,ソウルやクロスなどの変身能力を持たない代わりに,チャージ武器がそこそこ強く,また,フォルダのチップとは別に固有チップを1枚持っている.通常のオープン枠とは別枠で戦闘開始時から選択が可能で,効果としては,暗転の無いナビチップといった感じのものが多い.ナビによっては,エアシューズやスーパーアーマー,チップチャージで属性チップ攻撃力2倍などの能力を持つ.ただし,ソウル・クロスしたロックマンよりも全体的に能力は低く,ナビカスによる強化もできない.序盤のロックマンよりは強いが,終盤のロックマンに比べるとかなり弱い.5の仲間ナビは,リベレートミッションごとに能力が少しずつパワーアップしているが,6のリンクナビは最後までパワーアップしない.それもそのはず.彼らが真価を発揮するのは,GBAに周辺機器を装着したときだからである.

 3まではバンダイが関連グッズを出していたが,4からはタカラ(現在のタカラトミー)に代わり,それと同時に,関連グッズとゲームとの連動が濃密になっていった.その一つが,リアルチップによる連動で,PETの玩具に使うチップをGBAのゲームでも使えるようにするGBA周辺機器“バトルチップゲート”が登場した.4とバトルチップゲートとの連動に始まり,5とプログレスチップゲート,6とビーストリンクゲートといった具合に,シリーズが進むにつれチップゲートもマイナーチェンジされて,連動による追加要素も,4では4.5の試作品のようなミニゲームが加わるだけだが,5では戦闘中にカスタム画面で仲間ナビと交代できたり,6ではリンクナビを持ちナビとして操作できたりした.5の仲間ナビとの交代は,5DSにも組み込まれ,戦闘中2人の仲間ナビといつでも交代ができたり,パーティカスタマイザーという簡易版ナビカスで多少のカスタマイズもできた.ビーストリンクゲート対応のナビデータチップには,半導体メモリが内蔵されており,PET玩具やアーケードゲーム(バトルチップスタジアム)で育成したデータが,6に挿したときに反映されてパワーアップする.最大レベルまで育てれば,クロスしたロックマンと同程度まで強化される(ナビカスが使えないので,結局ロックマン以下ではあるのだが).

 チップゲートはGBAの拡張端子,すなわち,通信ケーブルの端子に挿して使うのだが,チップゲートにも同規格の拡張端子が付いており,チップゲートを挿した状態でも通信対戦ができる.さらに,お互いがチップゲートを挿していれば,仲間ナビ2体と交代可能なチームバトルや,リンクナビ同士での対戦をすることも可能である.

 バトルチップゲートにせよ,リアルチップにせよ,それらは単なるスイッチに過ぎず,追加要素のデータは初めからソフトの中に入っているので,それら周辺機器を使わなくても遊べるような仕様にもできたはずである.実際,6のリンクナビを操作するイベントは,チップゲート追加要素の一部を拝借してきたものだと言えるし,5のナビ交代も,5DSでは多少仕様は違うもののチップゲートなしで遊べる.そもそも,クロスのシステム自体,HP制か弱点解除かという違いだけで,5のナビ交代に近いものがある.もっと言えば,ソウルユニゾンではなく,いけにえチップを使って一時的に仲間と交代するシステムであっても何ら不都合はなかっただろう.

 悪ロックマンが,ソウルユニゾンできない代わりに安定した能力を発揮し,マイペースな戦法でも十分に戦えたように,仲間ナビやリンクナビも,各々の属性・系統のチップの真価を引き出すことで,臨機応変に姿を変えるロックマンと互角に対戦できれば,あるいは,スタイルチェンジ派の受け皿になり得たかもしれない.せっかく個性豊かなナビが100体以上もいるというのに,それらのほとんどが刹那的な使われ方で役目を終え,まったく活用されずに消えていくのでは,悲しすぎるとしか言いようがない.

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改造カードe+

 4から登場した追加要素.カードeリーダー+を介してロックマンをカスタマイズできる.

 4ではHP増加やバスター,チャージ武器等の変更,ナビカスプログラム効果付加,ロックマンの色変化,メニュー画面の色変化,常にソウルユニゾン状態などの効果を持ったカードが存在し,それぞれ改造アドレスが指定されている.改造アドレスは6ヵ所あって,アドレスが重複しなければ最大で6つの改造効果を発揮することができる.強すぎる改造にはデメリットもあり,3のエキストラコードの拡張版という趣だが,最大HPが5000を超えてしてしまうなど,かなりやり過ぎな面もある.

 5と6では,1枚のカードが複数のメリットとデメリットを併せ持ち,また,カードごとに容量が決められている.容量が足して80MBまでなら,何枚でも改造を保存できる.後から使ったカードの効果が優先されるので,組み合わせ次第でデメリットを潰していくこともできるし,敢えてデメリット(=バグ)だらけにすることもできる.ナビカスでは付加できないステータスガードやチップリカバリー(チップを使うとHPが一定量回復),ナビカスに入りきらなかった必須プログラム(エアシューズやスーパーアーマー),そして,HPブーストが基本的な改造.チャージ武器の変更やB+左で技発動は,ソウルユニゾンの方が優先されてしまうため,改造カードで変更したチャージ武器で戦うなら,圧倒的に悪が有利である.

 改造カードも,結局はナビカスのように必須ともいうべき改造に人気が偏っていたが,カードの組み合わせが比較的豊富なため,ナビカスよりは取捨選択のオリジナリティが出やすい.しかし,いくら改造カードならではの奇抜な戦法を組み上げたとしても,必須改造が無ければ安定して戦えないので,多くのカードが無駄な紙切れと化してしまっている.もっとも,奇抜な戦法ほどお膳立てが重要で,無敵チップの餌食になりやすいという面もあり,結局はオーソドックスな改造とオーソドックスな戦法が一番強い,という悲しい現実がある.

 改造カード最大の問題は,直接財布に響いてくるコストである.通常のプレイに必要なGBA本体とソフトの他に,リーダー(定価4800円+税)とGBA本体もう1台,通信ケーブル1本を必要とし,さらに改造カードを買わねばならないので,かなりの出費となる.また,4の改造カードが非常に多くの不良在庫を生んだせいか,5以降のカードは扱わないか,少量しか入荷しない玩具店も多かった.

 チップゲート同様,カード無しで遊べるようにもできたはずであるし,その方が対戦も1人プレイも面白くなったに違いないのだが,ただゲームを面白くすることよりも,カードによる追加料金の徴収を優先させたのは,大阪の企業ならではなのかもしれない.任天堂以外の会社がカードeリーダー+に手を出した数少ない例であり,任天堂ですら使わなくなったカードeリーダー+を最後まで使い続けた類稀なる例でもある.

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対戦形式

 対戦時のルールはシリーズ通して大きく変わっていない.先にHPが0になってデリートされた方が負け.2までは10ターン,3以降は15ターンを経過しても両者存命の場合,与ダメージの多い方が勝ちとなる.なお,ポイズンファラオの毒や太陽光線,バグ,バッドメディスンなどによるHP減少は“ダメージ”ではないため,ノーカウントである.また,リカバリー系のチップで回復しても,与ダメージが減るわけではない.

 対戦形式には,負けた方からバトルチップを1枚奪い取れる「本番」と,バトルチップの奪い取りが発生しない「練習」がある.「本番」で戦うと勝敗数が記録される.もっとも,奪い取れるチップがランダムで,しかも通常1枚しか手に入らないようなチップも平気で取られるため,「本番」で対戦を挑むことはほとんどない.そもそも,欲しいチップがあれば,通信交換で貰えば済む.レアチップの項にある通り,2と3では通信対戦「本番」限定チップが存在したのだが,4以降は無くなり,いよいよ「本番」の価値は無くなったと言えよう.大会でも「練習」で対戦が行われる.大会が本番でなくして,いつ本番が来るのかよく分からないが,それでもシリーズ通して「本番」が無くなることはなかった.

 3では,「ライト級」,「ミドル級」,「ヘビー級」という階級選択があり,3階級を連続して行い,先に2勝した方が勝ちとなる「トリプルバトル」も登場した.階級の違いは,対戦フィールドの違いであり,「ライト級」ではノーマルパネルと初期穴だけのフィールドで,障害物もストーンキューブだけである.階級が上がるにつれ,厄介な地形や障害物がフィールドが増える.「ヘビー級」では特殊ルールの「フラッグバトル」も出現する.これは,自陣にある耐久力1000のフラッグを壊されると即敗北というもの.フラッグを守る手段に乏しく,守りながら攻撃することなど不可能に近いので,瞬発的な攻撃力で勝敗が決する.なお,フラッグバトルは3と4だけである.

 エリアスチールが無効化される初期穴パネルや破壊しにくい岩などが登場すると,戦法次第で有利・不利がガラリと変わる.お互いの戦法をガチンコでぶつけ合うなら,ノーマルパネルだけのフィールドが最も適しているのだが,「ライト級」でさえ初期穴やストーンキューブが出てきてしまう.しかも,階級制は3だけで消滅してしまい,4以降は「シングルバトル」と「トリプルバトル」しか選べなくなった.なお,4以降でも「ヘビー級」相当の地形パターンは「トリプルバトル」にしか出現しない.フィールド選択や出現地形・障害物のOn/Off機能があっても良かったと思うのだが,最後まで地形は運任せであった.ちなみに,戦闘開始時の地形を指定できるナビカスプログラムが3のみに登場するが,そもそも3まではチップ1枚でフィールド全体の地形を容易に変更できたので需要は少ない.

 4では,特殊な対戦形式として「代表戦」が存在する.これは異バージョン同士の対戦時にしか指定できず,形式としてはトリプルバトルである.「本番」とは別に勝敗数がカウントされ,勝つと+1勝,負けると-1勝となり,+10勝ごとにギガチップ・メテオレッドサン(RS)とブルームーンレイ(BM)の攻撃力が40ずつ上昇し,それぞれ最大で500(+40×5)と600まで増加する.とはいえ,最大になって初めて他のギガチップと同等の威力になるという微妙なチップである.

 また,4のみ,「練習」・「本番」を選択する際にLボタンを押しながら決定すると,対戦中お互いのHPが見えなくなる.ある意味,別次元の対戦になる.

 6では,互いのフォルダやナビカスタマイズがランダムで決定する「ランダムバトル」があった.ランダムとはいえ,3種類の傾向があり,一定のルールに沿ってフォルダが構成されるようである.

 その他,4ではオペレーションバトル形式による対戦(要バトルチップゲート),5ではチームバトル(要プログレスチップゲート),クロスオーバーバトル(対「続・ボクらの太陽」),6ではリンクナビ同士の対戦(要ビーストリンクゲート),クロスオーバーバトル2(対「新・ボクらの太陽」)などがある.

 いずれにせよ,対戦の根幹部分には,ほとんどと言って良いほど手が加えられていない.初めからほぼ完成形だったと言えなくもないが,地形や障害物の配置パターンについては,もう少し配慮があっても良かったと思う.あるいは,初期穴のように変化しないパネルが無くなり,バトルチップに地形変化効果を持ったものが多数あれば,初期配置など大した問題にもならないのかもしれない.

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サバイバルネットバトル

 いわゆる公式大会のこと.次世代ワールドホビーフェア(WHF)やタカラボーイズホビーフェスティバル(TBH)の中で行われる.大会については,既にウィキペディアに詳しく書かれているので,そちらを参照されたい.

 サバイバルという名前は,おそらくその予選形式に由来するものだろう.各々3枚のチケットを持たされた状態で対戦を初め,敗者は勝者に1枚チケットを渡す.その後,対戦を終えた者から順に別の相手と対戦し,チケットをすべて失った者はその時点で失格,そして,チケット枚数が最も多かった2名(1〜3までは4名?)が決勝進出となる.

 いわずもがな,この予選ルールは,たとえ勝率が高くても,対局数が少ない者は負けとなる超速攻型有利のルールである.防御・無敵チップが強いため,基本的に待ち戦法や逃げ戦法の方が勝率は高いのだが,時間をかけて勝利しても意味が無い.逆に,いくら速攻型で挑んでも,待ち・逃げ戦法で挑んでくる相手と対戦してしまうと,大幅に時間をロスすることになりかねない.

 一方,決勝戦は時間無制限のトリプルバトルなので,予選とは全然勝手が違う.当然,戦法を変えてしかるべきなのだが,5の頃から予選後にカートリッジが厳重保管され,決勝でも同じ戦法で戦うことを強いられるようになった.もっとも,カートリッジ保管は改竄防止の意味も兼ねているのだろうが,5の頃は明らかに予選直後にカートリッジをすり替え,仕込んだAIが崩れないようにしている輩もいた.

 大会は基本的に傍観者であったため,あまり多くは語らない(語れない)が,この予選形式が妥当なものであったのかは,十分に疑いの余地がある.確かに15ターンギリギリまで使って判定に持ち込まれるような試合ばかりになると1試合に2〜4分かかってしまい,これではいつまで経っても大会が終わらない.しかし,時間制限を設けて速攻有利のルールにしても,それでエグゼの頂点が決められるわけがない.事実,トーナメント方式が採用されたKNCにおいて,勝ち残った戦法は速攻タイプではけしてなかった.

 互いの優劣を決する上で最も重要なことは,互いが納得できる形で決まることである.すなわち,公正,公平なルールの下,誰もが納得のいく形で勝者と敗者が決しなければならない.公式大会がこの条件を満たすことができていたのだろうか?もちろん,ルールが定められている以上,これで納得せざるを得ない.結局,強い戦法の種類など高が知れているのだから,上位に来るのはほとんど同じ戦法で,それを上手く扱いこなしているものが,やはり優勝しているだろう.だから,優勝者の名誉を汚すつもりはまったくない.しかし,チップ増殖やデータ改竄が蔓延し,むしろ,それらに手を染めないと勝ち残れないような大会を,誰が納得できるというのだろうか?(無論,これは大会ルールだけでなく,エグゼの対戦そのものが抱える問題でもある.)

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流星を迎えた後で改めてエグゼを振り返る

 「流星のロックマン」が発売されるまでに,と思って書き始めたのだが,結局,発売後に書き終えることとなってしまった.エグゼ総括の題材として流星を使用することは本来の趣旨から少し外れてしまうかもしれないが,ここでは敢えて,流星へのリニューアルを踏まえながら,もう一度エグゼを振り返り,幕引きとさせていただきたい.

 流星を実際にプレイしてみて分かったことは,戦闘システムがエグゼ6からの延長線上にありながら,多くの問題を抱えていたチップのコードやエリアスチールといった要素をバッサリと捨て,非常にシンプルかつ爽快なシステムになっていたことである.罠が地形に統合され,罠パネルとなったことも興味深い.

 逆に対戦については急速に退化したという見方が強い.ナビカスを受け継いだブラザーバンドシステムは,カスタマイズ性が無いに等しい.戦法もカスタマイズも画一化されて,その上でのテクニック勝負,一歩間違えると“運試し”という印象だ.今作がリニューアル第1作で,最初のエグゼも対戦バランスは破綻していたことから,流星もシリーズを重ねるにつれて対戦が面白くなるだろう,という予測もあるようだが,筆者は別の予測を立てている.すなわち,戦法もカスタマイズも画一化された上でのテクニック勝負が,製作者の望む対戦の形なのではないかと思うに至ったのだ.

 これまでの流れから見ても,シリーズを重ねるにつれて,戦法・カスタマイズの自由度が増える傾向にはない.6でナビカスのサイズが拡張されたことは,カスタマイズ性を広げるのではなく,カスタマイズを画一化する方向へ働いたし,そもそも誕生当初のナビカスは,スタイルチェンジの平均化・没個性化を担っていた.チップの種類数は2以降大きく増えてはいないし,多様であった無敵系はインビジブルに統合されていった.ソウルユニゾンはフォルダから個性を奪い,公式大会は戦法を速攻型に絞らせた.

 つまり,最初に述べたデータアクションの面白さである「アクションとそのアクションの自由なカスタマイズ」のうち,後半部分は消滅する傾向にあるのだ.これこそが,4以降のエグゼに違和感を感じてきた理由であろうし,流星は,リニューアルを機として一気にこれを推し進めたに過ぎない.推し進めすぎて様々なホコロビができているのは事実で,シリーズが進むにつれて,それらが改善されていくことは期待できるが,根本的な路線として,自由度の向上ではなく,アクションテクニックや瞬発的な判断力をより一層重視する方向へ向かうと考えられる.

 筆者はこの流れに悲観的だ.誰だって,画一化された状態で勝つよりも,自分の個性を出しながら勝つ方が嬉しいに決まっている.ほとんど似たような効果でもいいから,多様なバトルチップが用意され,特殊能力を取捨選択しながらカスタマイズし,互いのセッティングに個性を出した上で,テクニック勝負ができる状態が最も好ましいと思っている.しかし,カスタマイズの段階で相性の良し悪しが決してしまうと,初めから結果が見えていることとなり,対戦しても面白くない.多様なカスタマイズに対しての対処法を盛り込んでいくと,結局カスタマイズはある程度画一化していかざるを得ない.そうであれば,カスタマイズの段階であまり差ができないようにした方が,対戦が面白くなると言える.しかし,それはあまりにも短絡的思考だ.多様なカスタマイズに対しての対処法もまた多様であれば,カスタマイズは画一化されずに済むはずだ.

 GBAでは容量の問題もあって,それが難しかったのかもしれないが,ハードがDSに移ったのだから,その言い訳は苦しくなってくる.あとは開発期間が1年しかないという問題もあるが,伸ばせないのであれば,シリーズを重ねるごとに積み上げていくしかない.つまり,前作のバトルチップ(流星ではバトルカード)を極力消さずに増量していけば,自ずと多様性は増すということだ.あるいは,1つのチップに対して2つの使い道を持たせ,使用段階で判断しながら使っていくようにすれば,チップ自体の種類数は増えなくても,実質的な種類は倍増することになる.

 いずれにせよ,これまでの流れから見て,流星2の開発は既に開始しており,2007年12月17日のロックマン生誕20周年に合わせて発売されることは想像に難くない.そして,流星2によって,今後の方向性が明らかになることだろう.その方向性が,良い意味で期待を裏切ってくれることを期待している.(2007.1.17記)

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