Solaris 10(x86)をインストールしてみよう

 
  YAMAMORI Takenori ●yamamori

●Solaris 10のインストール

CDまたはDVDが用意できたら,さっそくSolaris 10をインストールしてみましょう. なお,本稿ではx86版のインストールを行ないます.

○インストーラの起動

Solaris 10のインストーラは,Software CD1またはDVDから起動します. あらかじめPCのBIOS設定画面で,CD/DVDドライブから起動できるよう 設定してください.なお,Solaris 9以前にあったWebStart専用の 「Installation」のCDはなくなり,対話式インストーラに統合されました.

CDやDVDから起動できない場合は,Software CD2(またはCD3,CD4やDVD)の中の, Solaris_10/Toolsディレクトリにあるd1_imageというイメージファイルを, 次のようにしてフロッピーディスクに書き込み,このディスクから起動します.

$ dd if=d1_image of=/dev/fd0 bs=1440k count=1  (Linux上での実行例)

CD/DVDからの起動時には,Solaris 9以前とは異なり, デバイスの認識やドライバの読み込みを行なう 「Device Configuration Assistant」の画面はデフォルトでは出なくなりました. デバイスの設定を変更する必要がある場合は, 最初の方の画面で「Press ESCape to interrupt autoboot」 と表示されている間に[ESC]を押して,設定画面を出します.


○インストール方式の選択

インストーラの最初の部分では,下図のような選択メニューが表示され, ここでインストール方式を選択することができます.

これらのうち,1は通常のグラフィカルインストーラ, 3と4はテキストインストーラです. 完全にテキストモードで動作するインストーラは4で, 3はX Window Systemが起動した上にテキストモードの インストーラが起動する方式です. なお,2のJumpStartは特別なインストール方法で,通常は使用しません. ここでは,1のグラフィカルインストーラを選択するものとします.

・図 インストール方式の選択
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1 Solaris Interactive                         ←SPARC版ではok boot cdrom
2 Custom JumpStart
3 Solaris Interactive Text (Desktop session)  ←SPARC版ではok boot cdrom - text
4 Solaris Interactive Text (Console session)  ←SPARC版ではok boot cdrom - nowin
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○Xの起動〜ネットワークの設定ほか

「1 Solaris Interactive」を選択すると,しばらくしてXが起動します. ここではSolaris 9以前とは異なり,ビデオカードなどの自動検出に成功した場合は, デフォルトでは解像度や色数などのXの設定画面は出ず, テキストによる確認メッセージのあと,自動的にXが起動します.

Xの起動後,左上のターミナル画面で言語としてJapaneseを選択したあと, インストーラの指示に従ってホスト名,IPアドレス(下図),デフォルトルート, DNS/NISなどのネームサービス,タイムゾーン,rootパスワードなどの設定を 順に行ないます.ただし,環境によってはIPアドレスなどの設定情報が インストーラによって自動的にネットワークから取得されることがあります.

・図 IPアドレスの設定
01-inst-ip.gif


○各種選択〜インストール開始

このあと,CD/DVDなどの媒体の指定,ライセンス同意,ロケール選択, Java Enterprise Systemなどの製品の選択,ソフトウェアグループの選択(下図), fdiskパーティションのカスタマイズ(下図),ファイルシステムの配置(下図) などを行ないます.インストールの準備完了(下図)の画面をクリックすると, 実際にインストールが行なわれます(※注).

なお,x86版のハードディスクでは,まずSolarisをインストールする fdiskパーティションを確保してから,その中にファイルシステム(Solarisスライス)の 配置を行なうという順序になるため,注意してください.

※注
これらの画面中,Solaris 10 11/04(b72)版では,インストーラの背景部分に Webブラウザが出現したのですが,リリース版では出なくなったようです.

・図 ソフトウェアグループの選択
02-inst-group.gif

・図 fdiskパーティションのカスタマイズ
03-fdisk.gif

・図 ファイルシステムの配置
04-fs.gif

・図 インストールの準備完了
05-inst-ready.gif


○CDの場合はリブートあり

CDからインストールしている場合は,1枚目のCD1が終了した段階で いったんリブートが行なわれ,ハードディスクから起動しなおされます. そのあと,指示に従って残りのCD2,CD3,CD4,LanguagesのCDを交換しながら インストールを行ないます.

○DVDの場合はそのまま続行

DVDからインストールしている場合は途中のリブートはなく, このままインストールの完了を待つのみです. DVDでは,CD1,CD2,CD3,CD4,LanguagesのCDに相当する内容が 一気にインストールされます.


○インストール完了

Solaris 10のインストールが完了し,リブートを行なうと, しばらくしてコンソールに下図のようなグラフィカルログイン(dtlogin)の 画面が表示されます.

・図 Solaris 10のログイン画面
06-dtlogin-s.gif


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このページは、技術評論社 Software Design 2005年4月号、『x86版 Solaris 10のインストール』の原稿を元に、Web 用に再構成したものです。
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