VMwareとBochsを使ってみる

YAMAMORI Takenori ●yamamori
●VMwareの概要

VMware(http://www.vmware.com/)はx86系CPU環境上で動作する 優れたPCエミュレータです. VMwareは商用ソフトウェアであり,後述のBochsとは違って 使用するためにはライセンスの購入または評価用ライセンスの取得が必要です.

VMwareの大きな特徴は,CPUそのものはネイティブに動作するという点にあります. さらに,ネットワークカードもちゃんとエミュレートされ, あたかもVMware自体がLAN上に接続された1台の独立したPCのように動作します. (Bridged networkingの設定を用いた場合) もちろん,CD-ROMやサウンドカードもエミュレートされて使えます.

ビデオカードも16色モードのVGAとしてエミュレートされますが, ここだけは原理的に遅くなります. つまり,VMwareでエミュレートされたPCは, 「CPUは速いがビデオカードが遅いマシン」となるのです. そこで,“VMware Tools”と呼ばれるVMware専用のビデオドライバ(またはXサーバ) をインストールして,この部分のパフォーマンスを改善します.

“VMware Tools”は, おそらくビデオカード自体のエミュレーションをバイパスして, ゲストOS(エミュレータ内にインストールされたOS)からの画面出力を, ホストOS(エミュレータを起動しているOS)上のVMwareの画面に, より直接的な方法で出力しているものと思われます. このため,“VMware Tools”はゲストOSに依存したものとなり, インストールするOS別に“VMware Tools”を用意する必要があります. 現在,“VMware Tools”はWindows 95/98/NT/2000用・Linux用・FreeBSD用が 提供されていますが,これら以外のOS(Solarisなど)では “VMware Tools”は使えません. この部分については,「純粋にPCハードウェア環境をエミュレートする」 という概念からは外れているといえます.

VMwareには,Windows NTまたは2000用と,Linux用の2種類のバージョンがあります. 前者は,メインではWindows NT/2000を使用していて,一部LinuxなどのPC UNIXも 使用したい人向け,後者は,メインではLinuxを使用していて 一部Windowsのアプリケーションも使用したい人向けといえます.

VMwareのバージョンは,執筆時点で2.0.3(Build 799)となりました. なおVMware 2.0以降では,以前のVMware 1.xとは違って WindowsやLinux用の“VMware Tools”を別途ダウンロードする必要はなくなりました. (FreeBSDでは,従来通り“VMware Tools”が別途必要です) VMwareのメニューで, [Settings]→[VMware Tools Install...]を選ぶと WindowsではA:に,Linuxでは/dev/fd0に, “VMware Tools”の入った仮想フロッピーディスクが挿入されます. この方式により,“VMware Tools”のインストールがより簡単になっています. そのほかVMware 2.0以降では, 限定的ながらゲストOS上でSCSIも使用できるようになっています.

●ゲストOSのWindowsが,実用レベルで使える

結局のところ,エミュレータの善し悪しは 「エミュレータ上でWindowsがどの程度マトモに動くか」 という基準で評価されているのが実状でしょう. VMwareでは“VMware Tools”の効果もあり, ゲストOSのWindowsは, DirectXを駆使したゲームなどを除いて,ほとんどマトモに動作します.

なお,ゲストOSのWindows 95/98のインストール時には, インストールされるconfig.sys内のEMM386.EXEの行を remでコメントアウトしなければなりませんが, これはインストール途中の再起動時にセーフモードなどで起動する方法のほか, 起動ディスクをあえて挿入したままにしておき, DOSをブートさせてconfig.sysを修正するという方法も使えます.

VMware for Linuxを使えば,通常の作業はLinux上で行ない, 一部どうしてもWindowsでないと動かないアプリケーションのみ VMware内のWindowsを使うということができます.

この場合,ホストOSのLinux側にはSambaをインストールして, Windows上のデータや,OS本体以外のアプリケーションは, できる限りSamba上に置くようにするとよいでしょう. そうするとLinux側からもファイル操作を行なえて便利です. さらにDHCPサーバもLinux上に動かしておいて, ゲストOSのWindowsはDHCPクライアントにしてしまうとよいでしょう. WindowsのTCP/IPのプロパティに,手動でIPアドレスを入力する手間が省けます.

●ゲストOSのIPアドレスはDHCPで取得させると便利
vmware-win95-dhcp-s.gif


もうひとつ参考までに,VMware上にWindows 98をインストールし, これに http://98lite.net/ で公開されているIEradicator 3.1を適用し, 軽量化した様子を以下に示します.

●ゲストOSのWindows 98はIEradicator 3.1で軽量化
vmware-win98-ierad-s.gif


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このページは、技術評論社 「すみからすみまでLinux〜テクニカル編」および SoftwareDesign 2000年8月号、『VMwareとBochsを使ってみる』の原稿を元に、Web 用に再構成したものです。
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