MISSION IMPOSSIBLE(File.166666 愛ゆえに)

 

1.ターゲットの兄が、いつも彼をしかり、暴力をふるうこと。

恐らく、この兄弟は暴力と叱責でしかコミュニケーションをとれないのであろう。しかし、聖域に居を構えることを許され、兄の仲間達と生活するようになり、ターゲットの心は揺れ動いたのだと思われる。なぜなら、聖域にはアイオロスとアイオリアという深い絆で結ばれた、絵にかいたような仲の良い兄弟がいる。それを目の当たりにし、自分達兄弟の異常さ、および自分への兄の接し方に疑問を抱いたに違いない。ようするに、兄にもっと自分に優しく接し、たまには誉めて欲しいということだろう。←知っておるわ

 

2.ターゲットの兄が、ターゲットを幽閉し放置したことをまったく悔いていないこと。

これは言葉どおり、兄に謝って欲しいと思っているのだろう。おそらく、その生活環境から推測するに、外界から隔絶されていたターゲットにとって兄は唯一無二の存在であったはずだ。その兄に死への引導を渡されたも同然のターゲットは、自分の行いは棚上げし、深く傷ついているに違いない。ターゲットは一方的にこの件に関しては、兄に非があると思い込んでいる。しかし、兄がそれを認めず謝罪すらしないことが不満であるらしい。←自分の悪事を反省せぬのがいかんのじゃ

3.ターゲットの兄が、ターゲットに厳しいこと。

これは1の裏づけでもあり、やはり兄に優しくしてもらいたいのであろう。←28歳にもなって情けない

4.ターゲットの兄が、風呂の時間が長すぎること。

さて、これはターゲットだけが持っている不満とは一概にはいいにくい。ターゲットの兄の入浴時間の長さは聖域でも有名である。誰しも、サガと生活を供することになればこの不満にいきつくだろう。いや、私を含め約数人は別であるが。←ほうほう
しかし、我々はこの言葉の奥深くを、ターゲットの本心を読み取ることに成功した。
これは、単に入浴時間が長すぎて自分の風呂の自由がきかないという不満だけではないのだ。実はこれは、ターゲットが兄と一緒に風呂に入りたいということを暗に言っているのではなだろうか。兄とともに風呂に入り、互いの体や頭髪を洗い流しあい、裸の付き合いをしたいということではないだろうか。
そして、我々はそのさらに裏を読んでみた。
もしかすると、あまりにも美しい兄が入浴することにより、さらに美が磨かれ、悪い虫がつくのを恐れているのかもしれないといこうとである。ただよう石鹸の香りと美しさに、自分がつい心を傾けてしまうのだから、他の男もそうであろうというターゲットの不安といってもいいだろう。←深読みしすぎじゃ

5.ターゲットの兄はまじめすぎて、規律正しい生活をターゲットにも強要すること。

これは明らかに、兄を心配した言動といえる。兄はそれまで何度となしに、この行為をターゲットに強要していたはずだ。しかし、いまになってそれに不満をいうとは、これはターゲットが兄を心配するからだと言える。あまりにも几帳面で神経質な性格が災いし、ターゲットの兄は精神を病んだといっても過言ではない。であるから、再び兄の病を悪化、再発等をさせないために、ターゲットは文句をいっているのである。要するに、兄が心配でたまらないのであろう。←単にだらしないだけじゃ

6.ターゲットの兄が勝手に自分の部屋を片付け、私物を廃棄すること。

これはかなりの爆弾発言である。男性は主として家事全般が苦手な者が多い。特に我々のような戦士となると、その比率が高い。よって、他人に部屋を片付けをしてもらうのは迷惑どころか、ありがたいはずである。念のため我々の中で、もっともだらしない男と言われているミロに意見を求めたところ、
『ありがたい。毎日やってほしいくらいだ。迷惑だなんて思ったことも無い。』
という言葉が返ってきた。片づけをしてもらうということは、自分の手間も省けるということもあり、感謝こそすれ、嫌がるというのはおかしいのである。
ただ、部屋の片づけを迷惑だと思う理由を我々は見つけた。
それは、部屋に秘密のものを隠し持っているということである。特にターゲットは、兄に見つかってはまずい何かを部屋に隠し持っているに違いない。(たとえば、教皇暗殺計画書、世界征服計画書、ぬいぐるみや幼いころから愛用していたヨレヨレのタオルケット、リカちゃん人形、セーラームーンのビデオ、実はのりPのファンでそのグッズの類、同人誌、10年前の同人誌の原稿・・・・など)←余に言うオタクであるのぅ
しかし、ターゲットが兄に秘密にするということは、ホモセクシャルのアダルト雑誌や兄の写真、兄のヌード写真、兄の使用済み下着、兄の使用済み衣服、兄への熱い思いをつづったラブレターなどもあるかもしれない。

7.ターゲットの兄に客が多く、在宅時に客を招き入れるために、常に第三者に干渉されているようで生活しにくいこと。

ターゲットの爆弾発言はさらにエスカレートしていく。これはもう間違いなく、兄と二人っきりの時間を邪魔されることへの不満に間違いないといっていい。実際問題として、我々が双児宮のサガをたずねると、必ずといっていいほどターゲットは双児宮におり、そして我々にあからさまな敵意をもった視線を向けるのである。←友達がおらぬから、双児宮しか居場所がないだけである。

8.ターゲットの兄の食事がまずいこと。

これはそのままだろう。しかしもちろん我々はその裏に隠された真意を見抜いた。確かに、人それぞれ嗜好は違うのは当然である。たとえそれが双子であっても、互いに生活環境が異なっていれば、それは当てはまるだろう。だが、ここで我々はなぜターゲットが兄の作る食事に文句を述べるのかという点に注目した。我々黄金聖闘士ともなれば、生活の保障はされており、身の回りのことを任されている神官や兵士らが大勢いる。確かにサガはかつての罪を償うということからも、それら一切の付きといわれる世話係を置いてはいない。しかし、上に行けば教皇庁の食堂があり、下に行けば誉めればなんでも作る白羊宮のムウ、さらにその下には他の聖闘士や兵士達のための食堂や、村には酒場などもある。文句をいうほど兄の作る食事が嫌であるなら、そこに行けばいいのである。しかし、ターゲットは兄の食事にこだわっている。となれば、これは「味は薄いが兄が自分のために作ってくれる料理が好き!」という結論にいきつくのではないだろか。←動くのがめんどうなのであろう

9.ターゲットの兄の通院に、ついていかなければならないこと。

これは我々もどういう意味にとっていいか分からなかった。ターゲットの言葉の裏には、かならず兄への思いが隠れているはずである。今までの言動からも分かるように、ターゲットはかなり天邪鬼といっていい。ゆえに、この言葉はまったく正反対の意味を持っているはずだ。簡潔にいえば、兄との通院はそれほど苦痛ではないと取っていいだろう。←思い込みを前提に推測するでない
暗に、ターゲットは我々に「通院はつらくないのか」というつっこみを入れられることを恐れているのかもしれない。または、普段から兄好きを隠し、兄嫌いを主張しているターゲットにとっては、これもそれを隠す一つの手段でもあるのであろう。

10.ターゲットの兄の二重人格の発作がでないように監視しなければならないこと。

もうこれはもう誰がなんと言おうとも、本心では兄の精神的疾患を本気で心配しているのだろう。だがしかし、ターゲットの性格には、若干あるいはそれ以上のサディズムが見られる。ゆえに、ターゲットは病に苦しむ兄に性欲とほぼ同一の欲情を抱いている可能性が高い。また、これはいかなるときも兄と共にいる自分への、そして、対外用の言い訳でもあるだろう。本心は、上記の理由によって兄の傍に常にいられることを喜んでいると思われる。←監視せねば自分が掘られるだけであるからのぅ

11.ターゲットの兄がホモであり、自分がいる双児宮でターゲットの目もはばからず、男といちゃつくこと。

ターゲット曰く「きしょい!」ということで、その言葉を連呼していたが、連呼すればするほど、相手に対しての嫉妬が深いのだと我々は判断した。本来なら、兄の隣は自分の指定位置であり、そしていちゃつくという行為は自分だけが行ってよい行動だと思っているに違いない。その言動から終始見られる兄への思いは、明らかに相手であるアイオロスに嫉妬しているのであろう。またそれを表面上は拒んでいても、本気でそれをしない兄に対しての怒りの現れでもある。
また、兄の相手があのような天然筋肉団子の鳥頭の御気楽年中無休発情男なのが、ターゲットには許せないのであろう。
そして、兄が過去の罪によりアイオロスには逆らうことが出来ず、それを逆手にとり兄相手に傍若無人な振る舞いや淫行に及んでいるアイオロスに殺意すら抱いているといっても過言ではない。←おぬしものぅ
さらに付け加えるならば、ターゲットにとってアイオロスは上記の理由のほかにも、彼を忌む理由がある。13年前に彼が兄を差し置いて次期教皇に選出されたことも、忘れてはならない。これによって、ターゲットは教皇への謀反を企み兄に幽閉されたのだ。よって、アイオロスとはターゲットにとってこの世の中でもっとも忌むべき存在であり、それがターゲットの生活に入り込み、兄の傍に常にいるとなれば、その心中は容易に察することができる。←それは逆恨みじゃのぅ。

12.ターゲットの兄が日に2回のトレーニングを強要すること。

この不満の真意を求めるのに、我々は数時間を要した。これはただ単純に、ターゲットが怠け者であるという答えしか見出せなかったのだ。しかし、我々はあることに気が付いた。ターゲットは上記の分析を見ても、極度に兄への思い入れが強い。しかし、それを自己及び対外にも伏せようと必死であるのは誰が見ても明らかである。察するに、これは兄とともにトレーニングをし、兄弟仲がいいと思われることを危ぶんでいるのである。はっきりいって、自意識過剰である。そのようなことを危ぶんではいても、ターゲットはつねに兄とともにいるのに気が付いていない。そして28ともなる大人が、兄とともに訓練をするというのに、羞恥を覚えているのだろう。特訓ともなれば、そのメニューにもよるが場所は聖域外にも及ぶことがある。ここでは聖域内での話にとどめておくが、兄と訓練するにあったって様々な場所で他人の目が彼らに集中するだろう。なぜならば、兄は最強を誇る黄金聖闘士であり、兄弟は聖域内に知らぬものはいない前科ものだからだ。ゆえに、自他共に認める悪であるターゲットにとって、兄ともに仲睦まじく訓練などするのは、羞恥の極みであるといっていい。←ただの怠け者である

13.その他

他には、馬鹿、まぬけ、アホ、変体、ボケなど、子供のけんかのような言葉を吐き出していた。

結果、やはりターゲットは兄にただなみならぬ想いを抱いていることは間違いなく、その確固たる証拠を掴むために、我々は計画の最終段階へと移行した。


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