MISSION IPPSSIBLE(File.19191 美・サイレント)

 

『山羊の12人斬りはその後、どうなっておるのかのう。ムウによからぬ事をせぬといいのじゃが・・・。』

しらねーよ。そんなにムウが心配なら、首に縄でもつけておけ!←それをするとムウが口をきいてくれぬのじゃ
つーか、シュラに襲われるほど、ムウもバカじゃないだろう。

『まぁ、よい。山羊の元へ行って調べて参れ。』

ちょっと待て、ジジィ!なにが、「まぁよい!」だ!!
シュラから直接成果を聞けばいいだろう!!そんなことで俺をいちいち呼び出すな!!
もう、ホモの調査はごめんだってーの。そんなものは、カミュとかミロにやらせろよ!!
俺を使うなーーーーーー!!←余に逆らうなど600年早い

『なんじゃその不満そうな顔は!余は仕事が忙しいのじゃ!さっさと行って参れ!』

くっそーー。ジジィ、仕事なんてろくにないくせに、覚えてろよ!!←沢山あるのじゃ

はぁ、早く家に帰って、飯くって寝たい。←それ以外にやることはないのか?

俺は即行で磨羯宮に駆け込み、シュラにその後の様子を聞いてみた。
シュラは、前回のアイオリア斬りは無事大成功を収めた事を俺に話した。しかも、シュラはアイオリアの尻で5回もヤったらしい。←アイオロスに似ておるから萌え萌えなのであろう
うげげっ。そんなこと嬉しそうに俺に話すな、馬鹿山羊!!

『で、次はもう決まってるのか?』

『丁度今、進めているところなんだが、これがなかなかな・・・・・。難しい。』

シュラは、腕を組んで首を横に振った。
難しいってことは、やはりムウ?シャカとか??←即死する可能性があるからのぅ

誰を狙っているのかを訊ねた俺は、シュラの口から出た名前を聞いてびっくりした。
なんと、今度の相手はデスマスクなのだ。あんな毛蟹を!?←物好きであるのぅ

しかし、どうにもこうにもうまくいかないらしい。
シュラは、以前俺に話て聞かせた、デスマスクをホテルに連れ込む作戦を本気で決行するらしかった。そのために、睡眠薬?も用意しているという事だった。
だが、シュラが何度誘ってもデスマスクは乗ってこないらしい。
それで、今日もこれから巨蟹宮へ行ってデスマスクをナンパしに行くということだった。

十二宮をおりるシュラは、俺が訊ねもしないのにベラベラと今までのことを話し始めた。

『あいつさ、その気がないから誘っても乗ってこないんだよな。昨日はな、「いいレストランがあるから一緒に行かないか?」って誘ったら、「おう、そうか。今度女連れて行ってみるか。場所はどこだ?」って返されたんだ。だから、「試しに一緒に行ってみないか?」って今度は誘ったんだ。そしたら、「あ?今日は無理。先約があってな!」って断られてさ。』

なるほど、ふられたのか。

『でな、いつも「店の住所と電話番号教えろ。」とか、「今度皆で行ってみようぜ!」とか、「そうか、また今度行ってみような!」とかって、全部はぐらかされちまってさ。なかなか上手くいかないんだよな。』

そりゃ、そうだろう。男2人で、ディナーなんてあまり行きたくないもんな。←よいではないか

『こないだは、ホテルのディナーチケット手に入れて誘ったら、「おう、それくれるのか。ありがとよ!」っていわれて、チケットだけ取られたんだぜ!!くっそ、あれ高かったのに!!』

シュラのやつ、もしかしてデスマスクに貢いでるのか!?←結果的にそうであるな

『で、今日はどうやって誘うつもりなんだ?』

『まかせろ。今日は絶対にデスマスクをホテルに連れ込む!!今日は、会員制のクラブに誘うんだ。これなら、ばっちりだぜ!VIPルームで薬入りの酒を飲ます!!なんならそのままVIPルームでやる!!』

そういって、小さな瞳を輝かせて気合を入れたシュラは、巨蟹宮へと入っていった。
何がばっちりなんだかなぁ。

俺は柱の影に隠れて、様子を伺う事にした。

シュラは、外出から帰ってきたデスマスクを捕まえると、早速その会員制のクラブへと誘った。その誘いにデスマスクは、快く頷いた。
なんだ、デスマスクもチョロいな。

『よし!ミロとカノンも誘ってやろうぜ。俺、今から天蠍宮に行ってくらぁ!』

デスマスクはそう言って、軽やかに走って十二宮を上っていった。
シュラは、がっくりと肩を落として、呟いた。

『くっそぉ、また失敗だ!』

やっぱり、アイオリアの時みたいには、いかないようだな。←獅子はチョロすぎである

『なぁ、カノン、なんかいい案ないか?』

柱の影に隠れている俺に、シュラが言った。そんなこと俺に聞くなよ。男を襲う作戦なんて思いつくわけないだろう・・・。←サガを襲う計画なら思いつくのであろう
結局その日の作戦は、俺とミロというお荷物がいたせいで、シュラはデスマスクを襲うことができなかった。しかも、今回の遊び費用は全部シュラもちとなってしまい、シュラはまたまたデスマスク(俺達も含む)に貢ぐこととなった。←羽振りがよいのぅ

次の日、双児宮にシュラが現れた。なんだよ、今度のターゲットは兄貴か!?
シュラは、再び俺に、何かいい案がないかたずねてきた。だから、俺には分からないってーの。

『カノンは悪知恵には長けているだろう。だから、何かない?こうなったら、卑怯な手段でも何でも使う!!』

シュラは真剣な顔で俺に言った。
そうまでしてデスマスクを襲いたいのか??それよりも、魔鈴に変装してアイオリアを襲ったり、薬をもってデスマスクを襲うのは卑怯な手段じゃないのか?←卑怯であるな。

『だったら人質とって、襲えば?』

『人質?』

『キャサリンだよ。キャサリン!!』

『デスマスクの新しい彼女の名前か?』

『あー、正確には聖衣質かな。』

『くろすじち?』

訳が分からずに、目を粒にしているシュラに、俺はデスマスクの聖衣の話しをしてやった。
デスマスクの聖衣の名前がキャサリンで、3回も家出されたデスマスクは異様に聖衣に執着していることを話した。蟹座の聖衣のキャサリンを誘拐して、磨羯宮に呼び出せばいいのだ!!後は、俺の専門外だから、シュラの好きにすればいい。←聖衣を玩具にするでない

『お前、頭いいな!!』

シュラが感心したように俺に言った。お前が馬鹿なだけだ!!←二人とも馬鹿である

シュラは俺の話しを聞くと、ソファに身体を埋めて目を閉じて考え始めた。どうやら、磨羯宮でどうやってデスマスクを襲うか考えているらしい。シュラは眉間にしわを走らせて、唸りながら考えていた。

『カノン。お客さんが来てるなら、お茶をだせといつも言っているだろう。気が利かなくてすまんなシュラ。』

書斎から出てきた兄貴が、シュラのコーヒーを持って現れた。
はぁ?こんなやつ、客でもなんでもねぇよ。
シュラは兄貴が自分の前にコーヒーを置いたのを見て、有難うと礼を言いながらも左の手で兄貴の尻を撫でていた。すかさず兄貴の鉄拳がシュラを直撃した。←撫でられる方が悪い

『すぐに人の尻を撫でるんじゃない!』

『すまん、つい癖で・・・。尻??尻・・・・・尻の穴・・・・・・・・・・そうか、穴だ!穴!!』

いきなりシュラは立ちあがり、訳の分からないことを言い始めた。そして、シュラの言葉に驚いて呆然としている兄貴に礼を言って、シュラは急いで双児宮を出ていった。

『な、なんだあれは?』

『馬鹿だ、馬鹿!』

未だに呆然としている兄貴に俺は答えた。だって、本当のことだから仕方ない。

夕方になって、デスマスクの聖衣箱を抱えたシュラが再び双児宮に現れた。どうやら、デスマスクが不在の隙をついて箱ごと盗んだらしい。←盗むでない
こいつ、本当に盗んできたのか・・・・。流石に俺は呆れて物が言えなかった

シュラは俺に、

『デスマスクが聖衣を探しにきたら、俺のところにあるって教えてやってくれ。頼んだぜ!いや、それよりも、聖衣が無くなったら絶対にムウの所に行くと思うから、双児宮の入り口か出口で待機していてくれ。デスマスクがおりてきたら、聖衣の場所を教えてくれな!』

といっきにまくし立てた。
はぁ?こいつ、なんでこんなにやる気満々なんだ?もう、すでに興奮気味?←そうであろうな

『なんだその不満そうな顔は?そうか、お前はただ働きはしないもんな。だったら、サガの裸彫・・・・・。』←本当は貰ったのであろう

『1週間分の飲み代!』

シュラは俺の言葉に頷くと、蟹座の聖衣箱を背負って自宮へと戻っていった。

さてと・・・。俺は、シュラの言うとおりに、双児宮の出口に腰をおろしてデスマスクを待つことにした。
程なくして、デスマスクは外出から戻り、階段に座っている俺に挨拶をして巨蟹宮へと戻っていった。デスマスクが自宮へと入っていった数分後、

『キャスァリーーーーーーーーーーーーーーーン!!』

と叫ぶ声が聞こえ、デスマスクが涙を流して必死の形相で階段を駆け下りてきた。←かわゆいのぅ
デスマスクは俺に、キャサリンを見なかったか、キャサリンがまた家出した、と息を切らして訴えてきた。もちろん、俺は蟹座の聖衣を磨羯宮で見たことをデスマスクに言ってやる。すると、デスマスクは光速で来た道を戻り、磨羯宮へと走っていった。

こいつはなんで、磨羯宮に自分の聖衣があるのか疑問に思わないのだろうか?4度目の聖衣の家出でそれどころじゃないのか?←動揺丸出しであるな
やっぱり黄金聖闘士は馬鹿ばっかりだな。←お前ほどではない

俺は、光速で消えていったデスマスクの後を追い、磨羯宮へと潜入した。

『おい、シュラ。俺の聖衣をどこへやった!』

『ああ。俺の聖衣と一緒にいるぜ。俺が帰ってきたら、お前の聖衣が来てたから驚いたよ。』

『で、どこなんだよ!』

わざとらしくシュラが答えても、デスマスクは聖衣のことで必死でそれどころじゃないようだった。
シュラは、デスマスクの問いに、肩をすくめて指を指す。

『それが、困った事になってな。2つの聖衣はこの壁の向こうにあるんだ。』

そういって、指差した先には壁があり、一つの小さな窓があつらえてあった。はっきり言って、思いっきり不自然なその窓・・・いや、そのリビングを中途半端に区切った、その壁自体が思いっきり不自然なのだが・・・・その丸い形をした窓は、まるで壁にぽっかりとあいた穴のようだった。

穴・・・・・、まさかシュラが言っていた穴って・・・・。

『なに!?この壁の向こうだと?なに馬鹿なことを言ってやがる。』

『本当だ。なんなら、覗いてみろよ。』

そういったシュラの言葉に、デスマスクは頷くと、その窓に首を突っ込んだ。

『あ!キャサリン!!』

嬉しそうなデスマスクの声を聞いたシュラは、いきなりデスマスクの頭を思いっきり穴に押し込み、そしてシャツの後ろ襟を引っ張ると、ウナジを剥き出しにした。

『おい、シュラ。何をしやがる!!』

突然のシュラの行動に驚いたデスマスクが、声を荒げながら頭を穴から引き抜こうとしたが、壁についていた両手を、シュラに押さえ込まれたデスマスクは身動きが取れなくなってしまった。←情けない

そして、シュラはついに行動にでた。

デスマスクの剥き出しになったウナジをベロリと舐めたのだ。その瞬間、デスマスクのギャーーという悲鳴が磨羯宮内に響き渡った。
シュラは、それでも舐めることをやめず、下から舐め上げ、上から舐め下ろし、横咥えのように舌を這わせてみたりして、デスマスクのウナジを堪能していた。

デスマスクはシュラに舐められる度に悲鳴をあげていたが、穴に頭を突っ込んだ状態で、後ろからシュラに押さえ込まれてウナジを舐められるという、あまりの間抜けな姿に同情どころか、爆笑するしかなかった。

そして、その後どうなったかとういうと・・・・。

ウナジを舐めること約5分。

たっぷりとウナジを味わったシュラは、壁をエクスカリバーで粉々に粉砕してデスマスクを解放してやった。
もちろん、解放されたデスマスクの蟹パンチ、蟹キックを何発も受けボッコボコにされたシュラであったが、その表情は何かを成し遂げた達成感に満ちており、満足気な表情で気を失った。

 

報告:シュラは本当にデスマスクのウナジを舐めるだけでした。デスマスクも馬鹿だが、シュラは巨大な馬鹿!

どうしようもない馬鹿であるな。
聖衣は玩具でも道具でもないので、くれぐれも粗末に扱わないように。
掘らずとも成功のうちとは、随分と手ぬるい十二人斬りであるのぅ。

教皇 シオン


End