MISSION IMPOSSIBLE(File No.444444 太陽の煌き黄金の翼)

 

『愚弟よ、サガが白くなった』

せっかく兄貴が執務当番で、俺が自由な時間を満喫していると、また教皇に呼び出された。

っていうか、なんで兄貴が都合よく突然白くなるんだ、ごら。←白サガの調査依頼がきたからじゃ

今朝の兄貴は、教皇の間に行きたくなくてゲーゲー吐いて、眉間の皺バリバリの鬱兄貴だったはずだ。←いかんのぅ

どうやらなんか昔の悪事を教皇にチクチク責められて、鬱になって自殺をはかろうとして、アイオロスにとめられたらしい。
んで、アイオロスがとめようとしたとき、羽交い絞めにして、思いっきり頭突きをしたのが原因で兄貴は白化したらしい。
←そういうことにしてあるのじゃ

なんで俺様が呼び出されるんだっ!!

まさか俺に面倒みさせるつもりじゃないだろうな?←その通り

兄貴のこと白くしたのは教皇なんだから、自分でなんとかしろよ。ふーざーけーんーなーーー!!←余が何とかしたのでは調査にならぬではないか

俺が教皇をプスリと殺ろうと思ったとき、玉座の後ろのカーテンから突然兄貴が、アイオロスに引っ張られて飛び出してきた。

俺が兄貴と目があうと、兄貴は突然号泣して教皇の汚い足にすりすりしはじめた。←汚くなどない、無礼者

『偉大なる私の教皇さま、私の可愛い最愛の弟がまた何か悪さをしたのでしょうか?ああ、この罪深きサガをお許しください、私の敬愛する教皇さま』

まだ何もしてねぇよ。
ていうか、本当に白くなったのか。だれが可愛い最愛の弟だよ、今までそんなこと思ったこともないくせに、どの口がいうかね。キショイんだっての、ごら!
←本当は嬉しいのであろう

『ああ、私の愛する罪深き半身よ、今度はいったい何をしたのだ。ああ、女神よ。この愚かで哀れな弟を、どうか貴方様の大いなる愛でお救いください。全ての罪は、この双子の兄であるサガにあります。愚かなる私の手はすでに多くの血で穢れ、私は弟を救うすべをしりません・・・…どうか可愛い最愛の弟カノンに、わずかばかりのお慈悲を……アテナぁぁぁ』

兄貴は教皇の間の奥にある見えない女神像に、片膝をつきながら手を伸ばして号泣しながら陶酔した。←自分に酔いすぎじゃ

だめだこりゃ。←終わっておる

『サガよ。落ち着くが良い。お前の弟はまだ何もしてはおらぬ』

ジーさんが見かねて言った。
そうだ、まだしてない!するのはこれからだ!
←するでない

兄貴の涙がスイッチをきったようにピタッと止まった。んで、俺を見た。
超瞳がキラキラしてた。まじキモイ。

余りのキモさに俺が目をそむけようとしたら、キラキラな目からまた水がどどどどどどっとでてきた。

『クァァァノォォォーーーーーーーーーン』

思わず殴られるのかと思って身構えると、兄貴は俺の膝に顔を埋めて泣きくずれた。

『すまなかった、カノン。お前を疑ったこのあさましい愚かな兄を許してくれぇぇぇ。ああぁ、教皇様、私の懺悔を聞いてください。私はこの世にたった一人の最愛の弟を疑い、その繊細な心に一生治ることのない大きな傷をつくってしまいました。私は汚い人間です、偉大なる人間元老さま。私には双子座の聖衣をまとう資格などありません』

そうだ、いいぞ兄貴もっと言え!!!お前に双子座の資格はない!←お前もない
ていうか偉大なる人間元老って誰だよ。俺か?
←余らしいのぅ

『ああ、私のカノン、本当にお前にはすまないことをした。この愚かな兄を許してくれなどとは言わない。だが、この兄が常にお前のことを思っていたことだけは忘れてくれるな、カノン。』←13年間忘れていたくせによく言うのぅ

許すわけないだろう、ごら!
お前だけは絶対一生死んでも許さん!!

にしても、兄貴絶好調だな。

俺の一張羅のスニオン服に汚い鼻水こすりつけんな!

『疑心にかられ、大切な家族を傷つけてしまった罪、せめてこの命をもって償わせてくれ……』

兄貴は突然右手を左胸に当てた。
口上はいいから、さっさと死ね!!

俺は思わず顔がにやけてしまった。が、突然アイオロスが兄貴を後ろから羽交い絞めにした。

『やめろ、サガ。くだらないことで自殺をはかるんじゃない。命を粗末にするな!!!』

馬鹿、なんでとめるんだ、アホ鶏め!!
死にたいって言ってんだから、死なせてやれ!!そして俺が双子座の聖闘士になるのだ!!!!!!

『アイオロスッ、とめてくれるな。私など生きている価値のない男だ。私の可愛いカノンを傷つけ、罪を犯した私に生きる資格などないのだ……』←その通り

その通り!!

『馬鹿野郎!お前は、女神から再び与えられた命を簡単に手放すつもりか!!女神の慈悲を何だと思っている!』

右手をアイオロスにつかみあげられて、自殺をとめられた兄貴はまたダーダー涙を流して、ぎゃんぎゃんわめいて、泣き崩れた。

『うおおおっ、アイオロスの言うととうりだ。女神から頂いた命を、無断で捨てようとするとは、私はなんて愚かで浅はかで汚いのだ……熱い愛と信頼の永遠なる胸・教皇さま。どうか、この愚かなサガをお許しください』←いい加減にせぬか

はぁ、まじで疲れる。

っていうか、なんで俺が呼び出されたのか、訳がわかんねぇ。まさか、俺マジでにこれの面倒をみろなんていうんじゃないだろうな?
普通の兄貴の観察するだけでも、大変だってのに、これの面倒は無理!絶対無理!!!

『ちょっと待て、サガ。今、お前なんて言った?』

『私は馬鹿でのろまで愚かで浅はかでどうしようもない、ごみのような人間だと言ったのだ』

増えてるじゃねぇかよ。てか、お前はどこかのスッチーかよ!←古すぎじゃ

『いや、そうじゃなくて。私のことを、なんと言った?』

『アイオロスだろう?お前はアイオロスであろう。それとも、ああ!!まさか、私の小さな可愛いアイオリア……?』

アイオロスだよな、どうみても。

『教皇。少しの間、サガを私に貸してくれませんか!』

アイオロスが突然立ち上がって兄貴の手を引っ張った。

『死なすでないぞ』

『あたりまえです!!』

『では、さっさと行け』

鶏は兄貴をひっぱって、光速で出て行った。

『愚弟よ。さっさと追いかけねば、サガをアイオロスに寝取られるぞ。はよう、アイオロスが何をするつもりなのか調べて来い』

俺がポカーーーーーーーーンとしていると、じーさんにまた命令された。

っていうか、だれがだれに寝取られるって?取られるもなにも、俺関係ないし。←光速で追いかけていったではないか

とりあえず、俺は仕方なく仕事をすることにした。

どうせアイオロスのことだから、人馬宮にキラキラ兄貴をつれこんで、昔の罪をちらつかせてヤってるんだろう。←いかんのぅ
まじホモ死ね。
どうして聖域はホモばっかりなんだ。たまにはお姉ちゃんとお姉ちゃんのくんずほぐれつエロエロ調査とかしたい。調査したーーーーーーーーーーーい!!
←そのような下賎な調査は必要ない

 

双魚宮まで仕方なくダラダラおりると、なんとアイオロスと兄貴は双魚宮にいた。

まさか3Pって書くと、じーさんは妄想だけでいきまくりか?←無礼者

アフロディーテが兄貴を見て、露骨に嫌そうな顔をした。んで、いきなりアイオロスを蹴り上げた。
いいぞ、アフロディーテもっとやれ!

『おい、ごら!鶏野郎!!サガが白くなったからって、私に仲を見せ付けにきたのか?あん?いい度胸してんじゃないの、だったらこの私が愛の力でサガを黒くしてやろうか!!鶏頭のくせに、このアフロさまに嫌がらせなんて100年早いんだよ』←いかんのぅ

『ああ、私の美しいアフロディーテ、お前はなんて汚い言葉で酷いことを言うのだ……』

俺とアフロディーテとアイオロスは目が点になった。

兄貴が突然アフロディーテを泣きながら撫で始めたのだ。

『あらやだ、サガ。そんな面と向かって本当のことを言われたら、アフロ困っちゃう!!』

『私の可愛い綺麗なアフロディーテ。先輩であるアイオロスをそんな口汚くののしってはいけないよ。さぁ、アイオロスに謝りなさい』

『いやよ。私、悪くないもん……って、サガどうしちゃったの?』

『どうしたのだ、泣きぼくろの可愛いアフロディーテ。いつからそんなに聞き分けのない子になってしまったのだ。ああ、やはり私の教育の仕方が悪かったのか……。アイオロスすまない。すべては、このサガの責任なのだ……。あんなに可愛く美しいアフロディーテの口から、こんなに汚い言葉がでようとは……女神よ、このサガがいたらなかったばかりに、貴方の美しい聖闘士が……』

跪いて天を仰ぎ祈り始めた兄貴に、アフロディーテとアイオロスが顔を引きつらせた。

『サガ、どうしちゃったの?私はもう子っていう年じゃないわよ。っていうか、そりゃ私はサガの美しいアフロディーテだけどさ……。まさかマッチロサガになっちゃったの?』

アイオロスが頷くと、アフロディーテがまた露骨に嫌な表情になった。

『悪い、アイオロス。さっさとこれ、どっかに連れて行って。私、このサガ苦手だから……』

アフロディーテ露骨過ぎ。
思いっきり嫌な顔をしながら、兄貴をしっしって追い払ったのだ。

『サガぁ、もういい、行こう』

アイオロスはヨヨヨッと泣いている兄貴を引っ張って、双魚宮をでていった。

そのまま人馬宮に行くのかと思ったが、今度は宝瓶宮に寄り道だ。中からカミュがでてきた。

『おぉ、私の小さな泣き虫のカミュ、ミロとは仲良くしているかい?ミロとは喧嘩はしてはいけないよ。きっとミロも本当はお前と仲良くしたいのだ』

やっぱりカミュの目が点になった。

『サガ。私は泣き虫ではありません。それに貴方に言われたくもありませんし、ミロとは仲良しです』

『何を言っているのだ、私の可愛い赤い雪の妖精カミュよ。そうか、もう大きくなって泣き虫も卒業したのだ、カミュ。立派に育って……』

兄貴は突然カミュを抱きしめて、感動しはじめた。
いや、まだ泣き虫だろう、こいつ。
←泣きすぎじゃ
この前も、「ひょーがーーー」って泣いていたもんな。

ていうか赤い雪っていうのは、描写として超間違ってないか??
血で染まってる雪っていうなら、別だけどな。今の兄貴は絶対そういう発想しなさそうだし。

俺はカミュのいつもの自称クールな表情がちょっと緩んだのを見逃さなかった。←全然クールではない

『そうですか、まぁ、サガがそういうのでしたら、さぁ中に入ってください。寝室はいつでも貴方と私のためにあけてあります。』

カミュが兄貴の腰に手をまわした。さすがエロ瓶、ぬかりないな。
っていうか、ベッドはいつもミロと弟子のためにあいてんじゃねぇの?

『サガ、行くぞ』

なんか泣き虫を卒業できたカミュに感動してウルウルしていた兄貴は、危うくエロ瓶に連れ込まれそうになったところを、アイオロスに引っ張られた。


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