★MISSION IMPOSSIBLE(File N.O.676767 蟹道楽)
俺がきもちよ〜くぐっすり寝ていると、兄貴に髪を引っ張られて起こされた。←早寝早起きを心がけよ
俺の部屋に勝手に入るな、俺に構うな!俺に触るな!
『教皇様がお前に直々に用事があると、リビングに……き、きさま、また何かよからぬ事をしでかしたのではあるまいな!』
胃をおさえながら蹲った兄貴の背中に蹴りを入れた俺は、ジーンズとTシャツを引っつかんで、慌てて窓から飛び出した。
が、リビングにいるはずのジーさんが外にいた。←お前の行動などお見通しじゃ
おのれ、くそ兄貴。俺をだましやがったな。後でぼこぼこにしてやる!←返り討ちであろう
『愚弟よ、仕事じゃ。山羊が朝から白羊宮を嗅ぎまわっておるようじゃ。余の可愛いムウによからぬ事を考えておるのかもしれん、調べてこい』
朝から山羊12人斬り調査かよ。この際、もう斬られちゃえよ!←ムウはよのものじゃ
俺はジーさんに見送られながら、渋々白羊宮までおりた。さっさと出勤しろ、じじぃ。
つか、今回の調査って……俺の遠い記憶が間違ってなければ蟹じゃなかったか?いつから山羊にすりかわったんだ。ジーさんもボケがいよいよ深刻になってきたな。←結果的に蟹であればよいのじゃ
白羊宮の出口で無駄に髪の毛を逆立てた山羊が、コソコソと上を見上げていた。
中を覗き見じゃなくて、目的は外か?
まさかどこかの馬野郎みたいに兄貴の出待ちか?
しかもシュラは俺の顔を見て、露骨にため息をついて柱に隠れた。
『誰を待ってるんだ』
首根っこをとっ捕まえて聞くと、奴の粒目が粒になった。
『なんで分かる?』
『親分と動きが同じだからな』
シュラの粒目が落ち着きをなくしたかと思うと、肩が落ちた。
『デスマスクが、ムウと浮気してるらしいんだ……』
はぁ?
浮気もなにも、デスマスクはいったい誰と本気なんだ?←聖衣かのぅ
ていうか、ムウと浮気なんて絶対ありえん。ムウとアイオリアがくっつくくらいありえない!!←ありえぬな
『俺は証拠を押さえてるんだ!俺のデスマスクが、俺のデスマスクが!!』
いつからお前のものになったんだ、おい。
俺の知らないところで、山羊と蟹はホモップルになったらしい。
『これがその証拠を収めたブツだ!』
シュラが自信満々にCDを俺に突き出した。それに蟹とムウがやってる声でもはいってるのかと思ったが、プレステ2の聖闘士星矢のゲームソフトだった。
これのどこに証拠があるんだ。ていうか、それ超クソゲーだし。俺が出演してないから超クソゲーだ。1日で全クリだったぜ。←余も出ておらぬのじゃ。けしからん。
早くポセイドン編とハーデス編をだせ、ごら。このカノンさまが華麗に青銅と冥闘士を倒してやるぜ!←負けたであろうに
せめてシークレットのラスボスで俺を出してくればな、ロングヒット間違いなしだったんだが。←それは余のポジションじゃ
『1ヶ月かかってようやく出したシークレットストーリーで、ムウとデスマスクがラブラブしてやがったんだ!!!』←闘っていただけではないか
一ヶ月もかかったのか!?このヘタレゲーマーめ。←一月もゲームをやっていたのか、ばか者め
ていうか、それは18禁ホモゲームじゃないぞ。まかりまちがっても天下のバンダ○がそんなエロゲーだすわけない。
『うおぉぉ、俺の可愛いデスマスクが羊の毒牙に!あいつ、俺にだまって白羊宮に通ってたなんて』
あのムービーのどこをどう見たらそうなるんだ。あの毛蟹のどこをどうみたら可愛いんだ。○ンの大きさが可愛いのか、ぷぷぷぷっ。
とりあえずノン気の俺にもわかるように説明して欲しい。
『何ですか、そうぞうしい』
諸悪の根源ムウが出てきた。そりゃ、外で「デスマスク、デスマスク」って騒いでりゃいくらムウでも出てくるわな。
『お前、蟹とどういう関係なんだ。このバカが気にしてるぜ』
俺はシュラから受け取ったゲームのROMを見せながらムウに言った。
これでムウがいつものようにくだらないの一言で否定すれば、調査終了!
だが、俺の予想に反してムウがニヤリと笑った。キモイッ!
『いつも食べてますよ』←ほうほう
なに!?!?!?
食うってことは、やっぱりあれか。ホモってるってことか。きしょ!
『うおぉぉぉぉぉ、やっぱりぃ!!』
シュラが頭を抱えて蹲った。アホか、そんなオーバーなリアクションとるほどのことかよ。
ムウがすかして笑った。
『やっぱりジーさんから習ったホモ技術を駆使したのか?』
『そんなもの必要ありません。全部独学ですよ。私流に料理してやったまでです。もうそれはそれは毎日毎日……』
『いったい何をしたんだ!!俺のものを勝手にいいようにするな!』←蟹は山羊の私物ではない
『ふふっ、先に手に入れた人間の物ですよ』
まじでムウ×デスマスクかよ。お前、もっと相手選べよ。
『先日はたっぷりしゃぶりました』
シュラの目が見えないくらい小さくなった。
『な、な、な、な、何をしゃぶったんだ!ごらぁ!!』
何をって、ナニだろう?
女の体じゃあるまいし、ナニしかしゃぶるところないだろうが。ショックで物が考えられなくなったか?
『ちゅうちゅう音を立ててしゃぶりつくしてあげましたよ』
『だから何をだぁぁ!! オレに教えてくれ、ムウ! デスマスクのナニをしゃぶったのか!!』
『湯上りで体が真っ赤になって、とても美味しそうだったのでつい夢中になってしまいました』
シュラの絶叫を無視してムウがさらりといった。
やっぱり俺にはホモの感覚は分からん。
湯上りのデスマスクの何がいいんだ。←湯上り羊のほうが美味そうじゃがのぅ
『いいや、嘘だ!あいつが大人しく、お前にさせるわけない。ムウ、この俺を騙そうとしても無理だぞ!』
シュラがようやく冷静になったらしい。まぁ、いくらへタレ蟹でもあいつはノン気だしな。
だがどうやらシュラは強がってるだけらしい。俺は粒目がウルウルしてるのをバッチリ見てしまった。
23歳、男寝取られて泣くのか?←情けない
『動けないように紐で縛ってますから、問題ないです』
『なにぃ!? デスマスクを亀甲縛りにして、調教したのか!!』
おいおい、亀甲縛りで調教とはいってないだろうが。
だがシュラは亀甲縛りで風呂に入れられて、ムウにしゃぶりつくされてアヘアへになってるデスマスクを想像して、悶絶していた。
まさか怒りながらピン○勃ちか?←であろうな
『あっ、そういえばゴムで縛ったのでした』
シュラも絶句したが、流石の俺も絶句した。カミュのイメクラクラプレイもかなりきついが、こっちもそうとうな趣味だな。←ハードじゃな
つかデスマスクはそういうのが好きだったのか。とんだ変態野郎だ。
シュラがショックの余りひざから崩れ落ちて、
『ラララララララララララバープレイ、フォーーーーーッ!』
とかわけの分からない悲鳴を上げながらプルプル震えた。まるで生まれたての山羊だ。