MISSION IMPOSSIBLE(File No. 678910 めざせニッポン!)

 

『牛の角はいつになったら直るのじゃ、調べて来い』

そんなの直接ムウに聞けよ。
じーさん→俺→ムウ→俺→じーさんのくだらない伝言ゲームになること間違いないだろうが。←つべこべいわず仕事せい

今日の晩飯か、ベッドの中で聞きやがれ!

俺がぼけ老人にでも分るように言うと、ペンが飛んできたのでそれを華麗に避けて投げ返してやった。←刺さったではないか

『ムウに聞いたら、本人が直したくないということじゃ。仕方のうて先日、牛本人に直せとゆうたのじゃが、青銅に負けたふがいない己への戒めだといいおった』

理由が分ってるなら、俺が調査する意味ないだろう。

『しかしあれではみっとも無くていかんから、教皇命令で直せと命令したのじゃが、いまだに直そうとせぬ』

さっさと行って来いといわれて、俺は仕方なく金牛宮に向かった。

この時間帯は多分、金牛宮でムウとしっぽりか、白羊宮でいい人ぶっている時間だ。←けしからん

とりあえず珍しく一人で金牛宮にいたアルデバランに単刀直入に聞いてみた。

『おい、さっさと聖衣を直せ』

『なんのことですか?』

『お前がさっさと聖衣を直さないから、俺がじーさんに呼び出されちまったんだ。さっさと直せ。直さないんだったら、それなりの納得のいく理由をぼけ老人にでも分るように説明しろ』←ぴちぴちの18歳である

俺は単刀直入に言った。

『あれは青銅に負けた自分への戒めとして、あのままにしてあるんですよ』

『教皇はそんな理由聞き飽きたっていってたぜ。正式に教皇命令が出てんだろう、さっさと直せよ』

俺が言い終わる前に、アルデバランは突然でかいカバンを持ってきて荷造りをはじめた。

夜逃げか?

聖衣直すの嫌で夜逃げなんてことない。しかもまだ真昼間だし。

『おい、アルデバラン。どこに行く』

『はい、日本に出張です!』

出張?
じーさんから聞いてないぞ。←そんな命令をした覚えはない
つか、俺の話はさくっとスルーかよ。

『日本に出張に行くので、聖衣の修復は帰ってからにします、と教皇さまにお伝えください。それじゃ!』

アルデバランが逃げるように金牛宮を出て行った。

ていうか、日本に出張に行くのになんでブラジル国旗を肩にかけてんだ?
つか、出張に行くのに太鼓がいるのか?しかも肩から拡声器までかけて?

出張にしては思いっきり不自然なんだが。どう見てもサッカーの応援だ。ワールドカップは来年じゃなかったか?

行き先は分っているので、俺は双児宮に戻って冷蔵庫に張ってある当番表を見た。

アルデバランは昨日は教皇の補佐当番だったが、出張の予定はどこにも書いていなかった。

ということは急遽出張か?←逃亡じゃ

俺は新聞のスポーツ欄でサッカーの試合予定を確認した。

トヨタカップ

ってのをみつけたので、とりあえず教皇に報告しにいくことにした。

 

報告 アルデバランは出張から帰ったら聖衣を直すらしい。聖衣よりトヨタカップ!

何じゃそのトヨタカップというのは?!またサッカーか!?
さっさと教皇の間に連行して来い。

教皇シオン


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