MISSION IMPOSSIBLE(File.91919 いけてる? その2)

 

即行で報告書を提出した俺は、ジーサンに殴られた。
いちいち殴るんじゃねぇぞ、俺を殴っていいのは兄貴だけだ、ごらぁ!←ほうほう、そんなにサガが好きか?

『馬鹿よ、いい加減きちんと仕事をせぬと聖域から追い出すぞ。』

はぁ?どうぞご自由に。っていうか、こんなところ言われなくてもいつでも出ていってやらぁ!!そしたら、また世界を混乱させる旅にでてやるぜ!←即行抹殺してくれるわ

『聖域から追い出して、お前をスニオン岬の岩牢にでも閉じ込めるかのぅ。』

げっ!!!!このクソジジィ、まじでむかつく。また俺をあんなところに閉じ込めるきかよ。
流石の俺も、あそこに閉じ込められるのは嫌なので、しかたなくシャカの再調査をすることにした。←素直に仕事をせい

俺が処女宮に戻ると、ちょうどシャカが出かけるところだった。24時間年中無休で寝ているシャカが、出かけるなんて珍しいな。←無休で寝るとはいいえて妙であるのぅ

もちろん俺は、こっそりと後をつけることにした。
シャカは十二宮をおりると、そのまま山の中に入っていった。そういえば、こいつは風呂にはいらないで沐浴をするんだったけ?ということは、沐浴タイム?
それとも場所をかえて昼寝のしなおしか?

河が流れる山中まで追いかけた俺は、シャカが歩く数十メートル先に、袈裟を着た男が数人半円の形で座っていたることに気が付いた。
俺は思わず、処女宮で会った大小の濃いインド人を思い出した。

シャカはその座っている男達を掻き分けるように歩き、真ん中に生えている木の下に腰をおろした。
その途端、その男達が、

『おシャカさまぁぁ!!』

と言いながら、手を擦り合わせて拝み始めた。
シャカは斜に構える角度をさらに上げ、ニヤリと嬉しそうに笑いながら空中浮遊でプカプカと木の下で漂っている。

ヤバイ、これってもしかして怪しい宗教か!?←そのようであるのぅ

シャカを拝んでいた男達は、今度は変な低い声でもごもごと歌を歌い始めた。←読経であろう
シャカの空中浮遊がさらに高くなったのを俺は見逃さなかった。

なんだか、危険な香がムンムンするぜ。宗教っていうのは、だいたいろくなもんじゃない。しかし、宗教関係の奴らは以外に操りやすくて、チョロいんだよな。←操るでない。聖域も宗教組織である。

俺が木陰に隠れていると、反対方向から雑兵が数人あがってきた。俺がどこに行くのかと奴らに尋ねると、奴らは修行に行くといってウキウキで、俺に紙切れを見せた。

レッツ!修行!!
おシャカ様の下で修行をつめば、貴方も必ず聖闘士になれる!
おシャカ様を拝み、修行を重ね、徳をつんでお釈迦様から聖衣をもらおう!!
信じるものは聖闘士になれる!おシャカさまを拝めば、貴方の夢は必ず叶う!
君はシャカの小宇宙を感じたことがあるか!?

とデカデカと書かれた文の下に、なんだか変な絵が書いてる紙だった。←曼荼羅かのぅ
ご丁寧にも、ここの場所と修行の時間まで書いてある。

なんだこれは?←勧誘のビラであろう

俺が紙を眺めていると、シャカの周りに座っていた男がこっちに走って、雑兵たちを連れて行ってしまった。

一体なんなんだ?

俺が雑兵とその男を見送ると、今度は違う男が輪から外れて俺のところに走ってきた。

『ちょっといいですか?貴方は今、幸せですか?』

その男は、シャカがよく蓮の上で寝ている時みたいに左手に輪を作り、右手を俺の前へとかかげた。

『あなたは本当に幸せですか?、普段の生活になにか不満はないんですか?おシャカさまを拝めば、真の幸せを得られますよ。さぁ、一緒におシャカ様を拝みましょう!!』←女神を拝めばよいのじゃ

男はまくしたてるように早口でいうと、いきなり俺の手を引っ張った。どうやら、シャカの所に連れて行くつもりらしい。
俺はマジでムカついたので、その男をボコボコにし首根っこを掴んでシャカの前に引きずり出してやった。←すぐ暴力に訴えるでない
ったく、なんなんだよ、この男は?

『なんだね、カノン?』

俺が連れてきた男を見て?、シャカはすっとぼけた。

『なんだね!じゃねぇだろう、ごら。こいつが、俺に訳の分からんことを言って、てめぇを拝めて言ってきたぞ。』

『知らん。』←無責任であるのぅ

『しらねぇじゃねぇだろう、シャカ。お前を拝んでいたこの男が、俺にお前を拝めって言ってきたんだ。』

『ほう、そうなのかね?、では拝め。』

拝めじゃねぇだろうが、この馬鹿!!こいつは、拝まれる事しか頭にないのか?
俺はさっき雑兵から奪った紙を、シャカの鼻っ面につきつけ読み上げてやった。

『なんなのだね、それは?』

『またお得意のおとぼけか、シャカ?』

『とぼけてなどいない。』

『雑兵が、てめぇの信者から貰ったらしいぜ。お前、嘘ばっかり並べて、てめぇの信者を増やしてるのか?』

『信者ではない。弟子だ。』

弟子!?、ここにいるやるらが、シャカの弟子ということか?←信者であろう。いかんのぅ。
そういえば、よく見ると全員シャカみたいに座って、シャカみたいに手を組んで、シャカみたいに額にゴミをつけて眠っている。
あっ!!!この前処女宮で見た、濃いインド人もいやがる。

なるほど、これは修行って奴なのか。って、これのどこが修行だよ。全員座って寝てるじゃねーか。しかも、さっきの雑兵たちも寝ていた。

こいつら全員シャカに騙されて、信者じゃなくて弟子になったのか?
本当にシャカを拝めば聖闘士になれるとでも思っているのかよ。それだけで聖闘士になれれば、世の中聖闘士だらけじゃねぇか。←その通り

『だいたい、お前を拝んだだけで聖闘士になんてなれるのかよ。っていうか、お前の弟子に聖闘士なんているのか?』

『ふっ・・・・・、このシャカ、随分と見くびられたもんだな。よかろう、私の弟子の力を見るがいい。アゴラ、シヴァ!!』

シャカに呼ばれて、輪の中から出てきた奴らは、この前処女宮で見た濃い顔のインド人だった。

デカイくて超超濃いほうが蓮座のアゴラで、小さくてやや濃いほうが孔雀座のシヴァと名乗った。

蓮座ってなんだよ。俺の記憶が正しければ、そんな星座は存在しないはずだ。もしかして、シャカは勝手に星座を作っちゃったのか?!?!?!←インドの星座かのぅ
まさかとは思ったが、この男ならやりかねない。

俺はさらに聖衣(?存在しない星座は聖衣と呼んでいいのか?、ジーサン。)を着た濃いインド人を見て、さらに驚いた。←聖衣ではあるが蓮座ではあるまい
奴らの聖衣のアンダーウェアが変なのだ。っていうか、なんか全体的に変なのだ。
俺は日本の仏教(だったか?)をベースにした、変なアニメを思い出した。そのアニメにも、こいつらと似たような格好をした男達が出てきた気がした。←天空●記シ○ラトであるのぅ

『アゴラ、シヴァ!君達の実力を、カノンに思い知らせてやるのだ。』

インド人2人は拝みながら返事をすると、いきなりもにょもにょと低い声で歌い始めた。

『どうだね経の効果は。これで君はピクリとも動けまい。』

身構えてる俺の後ろでシャカが偉そうに言った。なるほど、この変な一遍調子な歌は仏教?の経だったのか。
この俺様がそんな経ごときで動けなくなるわけないだろう。だいたい俺は、仏教徒でもなければ、神仏云々は信じない質なんだ。←女神を崇めよ

馬鹿な奴め、この俺様のゴールデン・トライアングルで異次元に行くがいい!!

俺は、小宇宙を燃やし構えようとした。

が、俺の体が動かない。嫌な小宇宙が周りに漂い、それが俺の動きを封じていた。←情けないのぅ

まさかこの俺がこんな訳の分からない聖闘士の経ごときで、動きを封じられるとは・・・・。

俺は一瞬愕然となったが、この小宇宙に心当たりがあった。俺の動きを封じる技をかけているのは、目の前にいるこの2人のはずだ。が、俺の動きを封じている小宇宙は明らかに、後ろから感じる。っていうか、この小宇宙はシャカのじゃねぇかよ!!

『ごらぁ、てめぇら。何、シャカに手伝ってもらってんだ!聖闘士なら正々堂々と闘え!!』←お前がいうと滑稽であるのぅ

俺が怒鳴ると、なんと小さいほうが、

『何を訳の分からないことを言っている、これはおシャカさまの大いなるお力だ。おシャカさまの御加護なのだ!!』

と不適に笑って言いやがった。
なんなんだこいつらは?

『おい、シャカ!てめぇ、力使ってんじゃねーぞ。それともなにか、お前の弟子はお前の力なしでは、ろくに闘えもしないのかよ!』

俺が後ろにいるシャカに怒鳴ると、体が自由になった。
だが、インド人2人はシャカの援護が無くなったのも気が付かずに、のんきにまだまだ経を唱えていた。まったくもって、駄目駄目な弟子だ。←いかんのぅ


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