ミロたんといっしょ(ミロたんと男のダンディズム その1)

 

 ミロはカーテンの隙間からさす、朝日を顔に受けて目が覚めた。隣では、カミュが心地よい寝息を立てている。
 ミロがカミュを起こさないように、そっと上半身だけ起こすと、二人に掛けられた毛布がはだけた。

ミロ「・・・・・・・・・・・・。」

 ミロは、上半身があらわになったカミュをジーーーーーっと見つめている。ミロは、右手をそっとカミュの胸に伸ばすと、その手にカミュの青い胸毛を絡ませた。
 カミュの胸は、その髪の毛と同じ青い色の胸毛で覆われている。その胸毛は、カミュの鍛え上げられた胸を全て覆い隠すほどの量はなく、かといって、胸が露出するほどの量でもない。

カミュ「・・・・・んっ・・・・・・なんだ、ミロ。朝からおねだりか??」

ミロは黙ったまま、カミュの胸毛をもてあそんでいた。

カミュ「ふっ・・・・・。ミロは可愛いな!」

ミロ「・・・・・・・可愛い??カ・・・・・・カミュのばかぁーーーーーー。」

カミュ「ぎゃぁ!」

 ミロは、手に胸毛を絡ませたまま、ベッドを飛び出した。図らずも、カミュの胸毛は引っこ抜かれ、突然のことに、カミュは短い悲鳴をあげた。

 

双魚宮

アフロディーテ「あらっ、ミロたんどうしたの??朝からカミュと喧嘩ぁ?」

ミロ「・・・・・・・・・・なんでわかる。」

アフロディーテ「そりゃ、パン一で目に涙を浮かべて、家に飛び込んでくるんだもん。嫌でも分かるわよ。」

ミロ「・・・・・・・・・。」

アフロディーテ「とっとと宝瓶宮に戻って、素直にカミュに謝んなさい。どぉーせ、あんたが悪いんだからさっ!」

ミロ「嫌だ!帰らん!!」

アフロディーテ「ふん、夫婦喧嘩ならよそでやってよね。まったく、もう。ほら、いつまでもパンツいっちょじゃ風邪引くわよ。」

ミロ「ねぇ、胸見せてくんない?」

アフロディーテ「はぁ?あんた、朝っぱらから何言ってるのよ。昨日、散々カミュとしたんでしょう?」

ミロ「そうじゃなくて・・・・・・。」

アフロディーテ「ちょっと、近寄るんじゃないわよ。この色ボケ小僧!」

ミロ「違う!違う!俺の話しを聞いてくれ!」

アフロディーテ「はぁ?????胸毛が見たい??」

 ミロは黙って頷いた。

アフロディーテ「ちょっと、あんたね。失礼なこと言わないでよ。この私に胸毛が生えているとでも思ってるのぉ??」

ミロ「え??生えてないの??」

アフロディーテ「あったりまえでしょう。」

ミロ「一本も??」

アフロディーテ「とーーぜん!!胸も、腕も、脇も、足もみーーーんなツルツルよ。」

ミロ「なんで?」

アフロディーテ「な・・・なんでって、あんた。永脱に決まってるじゃないの。え・い・だ・つ!」

ミロ「えいだつ??なんだよそれ?」

アフロディーテ「うふっ。私のボディはね、あんた達、肉団子と違ってお金がかかっているのよ。いつサガ(黒)が私を迎えに来てもOKなように、エステに行って永久脱毛してもらってるのよ!」

ミロ「抜いちゃうの??もったいない・・・・・・。」

アフロディーテ「ははぁ〜〜〜ん。分かったぁ。あんた、胸毛にあこがれてんでしょう!そのチョロ胸毛じゃねぇ〜。」

ミロ「チョ・・・・・・チョロ胸毛ぇ〜〜〜〜〜。アフロディーテのばかぁ〜〜!」

アフロディーテ「馬鹿に馬鹿って言われる筋合いないわよ。とっとと出ておいき、このチョロ胸毛!!」

ミロ「うわーーーーーーーん。」

 ミロは、アフロディーテに双魚宮を追い出され、なびきもしないチョロ胸毛をなびかせ、宝瓶宮へと戻った。

 

宝瓶宮

 ミロは宝瓶宮に入ると、通路の真中に自分の服を見つけた。その服は丁寧に畳まれている。

ミロ「あっ・・・・カミュ、怒ってる。でも、元々カミュが悪いんだ。俺の胸毛を可愛いなんて言いやがって。」

 ミロは服に着替えると、磨羯宮へと急いだ。

 


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