MISSION IMPOSSIBLE(File.5000 Mission Impossible その1)

 

『サガの弟よ。おぬし、女神にいいところを見せたいか?』

は??見せたいに決まってるじゃねーか。

『今回の調査は女神からの依頼である。調査内容はこれじゃ。』

なんだよ、勿体ぶらずに口で言えよ。俺は教皇から女神からの調査依頼の手紙を受け取った。

Dearシオン

あのね、シュラのことが知りたいの。シュラって、絶対、受けだと思うのよね。沙織は特に、サガとかアイオロスとの仲が怪しいって睨んでるの。だから、調査して日本に報告書を送ってね。よろしくぅ(^^)

From沙織

・・・・・・・・・・。

『サガの弟、そのような顔で余を見るでない。無理な調査だということは、余も重々承知しておる。取り合えず、山羊の元へ行き確認してまいれ。なんであれば、お主が山羊を掘ってもよい。』

じーさん、無茶を言うなよ。女神はシュラの絶倫山羊という異名をご存知ないのか・・・・。←女神は純朴な乙女である

俺は仕方なく磨羯宮へと向かった。

シュラは、素肌に真紫のシルクのガウンを羽織って、新聞を読んでいた。どうやら寝起きらしい。
俺は単刀直入に聞いてみた。

『お前、みんなに掘られたい??』

案の定、俺の質問にシュラの目が粒になった。

『特に兄貴になんて掘られたら、超幸せか?』

シュラの目は確認できないくらい小さくなった。

『カノン、朝っぱらから冗談がきついぞ。俺は掘るのが専門で、掘られるのはごめんだ。なんなら、今ここで証明してやろうか?』

シュラは新聞を床に放り投げると、片手でガウンの紐を解きながら俺に手をかけた。俺は、慌てて教皇の間に戻った。

 

『教皇、やはりシュラは・・・・・・。』

俺は教皇に頭を下げて答えた。

『うむ、皆まで言うな。余も分かっておる。しかし、困ったのぉ。女神になんとご報告すれば・・・・・。嘘の報告もできんしのぉ。』

ジーサン、分かってるなら最初から俺に調査なんてさせるな。俺の尻は危うく・・・・・。←掘られるのではなく掘るのじゃ!

『仕方ない、直々に謝罪に行くか・・・。サガの弟よ、お主も着いて参れ。』

俺は教皇に肩を掴まれた瞬間、テレポートした。

 

ここが日本?テレビで見た日本とは随分違うようだが・・・・。
それにしても、デカイ滝だな・・・。

『ここは中国の五老峯じゃ。今回ばかりは童虎に力を借りねばならんからの。』

なんで中国になんか??童虎??あの高名な天秤座の童虎か??老師って呼ばれている童虎??
これがジジィから脱皮して若返ったっていう老師か!。俺は初めて現物を見た。

『ほうほう、どうしたシオン。お主がここまで来るとは珍しい・・・・。』

『困ったことがあっての。お主に力をかして欲しいのじゃ。』

『お主が困っておるとは、女神がらみか??』

『おぉ、さすが童虎じゃ。実はの・・・・・・・・・・。』

教皇の言葉を聞いた老師は絶句した。

『あのシュラがか??それはちと無理難題だのう。よい、わしもお主と一緒に日本の女神の元へと参ろう。』

俺は老師と教皇に肩を掴まれると、再びテレポートした。

 

『おや、もう調査は終わったのですか?シオン。』

ひれ伏している俺達を見て、女神が教皇に言った。

『はい、恐れながら女神。聖域で飼っております山羊・・・・・・・・。』

『シオン、山羊の名前はシュラじゃ。シュラ。』

老師が教皇の隣で小声で囁いた。

『聖域で飼っております山羊、シュラは絶倫山羊でございます。ですから、女神。山羊・・・・シュラが他の者から攻められるというのは・・・・・・。』

『ありえないと言うのですか??』

『はい。』

『万が一にも??』

『・・・・・はい、恐らく・・・・。聖域内では、アレを食そうと思うものは、まずいないかと存じますが。』

あれ?ジーサンはシュラを食べなかったっけ??←食ったわ。嘘も方便じゃ。

『女神、なんでしたら本人にご確認してみたら如何でしょうか??』

見かねた老師が口を挟んだ。

『そうですね。そのほうが早そうですね。童虎、シュラをここへ。』

老師は瞑想を始めた。次の瞬間、シュラがテレポートされてきた。

 

『こ・・・・・これは、だれ??』

女神は顔を引きつらせながら言った。

『女神、お呼びでしょうか?私、山羊座のシュラでございます。』

Tシャツ・ジーパンで現れたシュラは、女神にひれ伏した。

『これは、私の知っているシュラではありません。その・・・・・顔が・・・・・。』

俺達はシュラの顔を見た。・・・・・・・シュラはいきなり呼ばれたため、髭を剃っておらず、顔に黒カビがはえていたのだ。

『女神、これはシュラでございます。シュラに中座させる無礼をお許しください。シュラ、今すぐ髭を剃ってこい。』

老師がそう言うと、シュラは再び俺達の目の前から消えた。
五分後、シュラは再び俺達の前へと現れた。
今度はさっぱり、すっきりスーベスベのシュラだ。そのシュラを見て、女神は安心されたようだった。

『シュラ。貴方に聞きたいことがあります。』

気を取りなおされた女神はシュラに聞いた。

『貴方、誰に攻められたい??』

『は?』

シュラの目は粒になった。

『だぁかぁらぁ〜〜〜。沙織はね、貴方は絶対に受けだと思うのよ、うけ!!皆はそんなことはありえない!って言うんだけど、どうなの?』

『はぁ・・・・・。』

シュラの目は見えないくらい粒になった。

『山羊、12人斬りのことを言うのじゃ!』

返答に困っているシュラを教皇がコツいた。

『女神、せっかくのご期待にお応えできなくて申し訳ございません。実は私は、12人斬りを目指しておりまして・・・・・。』

『え?12人ぎり??12人、全員に攻められるの??超ドキドキィ〜♪』

女神の大きな瞳が輝いた。

『いえ、その逆でございます。』

駄目押しとばかりに、老師が口を挟んだ。老師の言葉に女神の表情が変わった。

『逆??一体それはどういうことですか?』

『よろしければ、シュラから直々に話させますが、如何でございましょうか?』

老師は再び言った。おいおい、女神にこいつのエロ話を聞かせるのかよ・・・・。

『いいでしょう。話しなさい、シュラ。』

『し・・・しかし、女神。そのような話しを、女神にお聞かせする訳には・・・・・。』

『シュラ。このわたくしが聞きたいと言っているのです。正直に全部話しなさい。』

『事細かにでございますか??』

『えぇ、もちろん!!』

『はい、分かりました。』

シュラは観念し、女神に壮大な計画を語り始めた。


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