★MISSION IMPOSSIBLE(File No.???? 聖闘士達の熱き戦い)
磨羯宮は静かだった。ジーさんが言うところの「騒がしい」っていう状況じゃないので、ここは軽くスルーか。
入口までいくと、階段の上にドラゴンが座っていた。
俺が声をかけると、やつは振り返った。
「デスマスクから逃げてきたのに、シュラが中にいれてくれないんです!」
は?
デスマスクから逃げてきたってことは、襲われそうになったってことか?
まさか、デスマスク→ドラゴン→シュラ→ドラゴン?←蟹は男に興味なかろう
超三角関係じゃん。とりあえず、どっかの師弟みたいに3 連結でもしておけ。俺はホモにかかわりたくない。
「お願いです、シードラゴン!じゃなかった、カノン!シュラに、俺にも協力させてくれと言って下さい!!」
ドラゴンが俺に泣きついてきた。俺に泣きつくってことは、よっぽどだな。←みっともない
だが俺にはドラゴンに協力してやる義理はまーーーったくないし、俺は仕事で忙しいのだ。
俺に泣きついてくるドラゴンを引っぺがし2階にあがった。
ドラゴンの話だとシュラは私室にいるらしい。
シュラの様子も見ておかないと、シュラROBAのジーさんに怒られちまうからな。←Loveじゃ
俺はそのまま磨羯宮の天井裏から私室に入った。
まさか一人でまた自家発電中じゃないだろうな。ということはオカズはアルテミスか?
アルテミスもやっぱウチの女神といっしょで巨乳美女なんだろうか。←不謹慎であるぞ
だからって、もうシュラの右手の運動を見るのはごめんだぜ。
シュラはリビングにいた。しかも黄金聖衣を着ていた。
まさか、ドラゴンの侵入を防ぐためにわざわざ聖衣きて、小宇宙を燃やして結界でもはってんのか?
シュラはなんか一人でブツブツ言っていた。
「どうした、シリュウ」
は?シリュウ?って、ドラゴンは外にいるはずだ。
「どうした、シリュウ」
シュラは小指と親指を立てた変な構え方をして、ブツブツ一人事を言っていた。
やばいぞ、兄貴の病気が伝染したか?
「これじゃマンネリだよな。アルテミス側につくのもマンネリだしなぁぁ。困った……。たまには構えを変えてみるか。ついでに台詞ももうちょっと変えてみようかな……あっ、声変わったからどっちにしろ撮り直さなくちゃいけないしな!」
シュラは手を上に上げてエクスかリバーを構えた。
「どうした、シリュウ。お前の腕には俺がさずけたエクスかリバーが……。いかん、なんかシックリこんな。ジャンピングストーンの構えでやってみるか」
シュラはその後ずっと「どうしたシリュウ」とやりつづけた。←無芸じゃのぅ
俺はそのまま磨羯宮を出ることにした。
人馬宮も静かだった。
俺は勝手に私室に入って、びっくりした。
アイオロスが筋トレをしていないのだ。
信じられん。筋トレしか能が無いアイオロスが、筋トレしてないのだ。明日は雨が降る、いや、雪か!?
よく見ると、アイオロスはブツブツいいながら聖衣を磨いていた。
こいつ聖衣に話し掛けてやがる……それって兄貴やデスマスクと同じレベルだぞ。
ついにアイオロスも「鬱の世界へようこそ!」か?それとも、「聖衣と新婚生活」?
「いいかぁ、よぉく聞け私の射手座の聖衣。私はお前だけが頼りなんだからな……しっかり黄金色に輝いて、一番目立てよぉ。お前が目立てば、私は本望だ……。どうせ私は死んでしまっているから、出番がない……ううっ、お前だけが頼りだぞ、射手座の聖衣」
あいつ泣いてるのか?←情けない
まぁ、アイオロスはさくっと兄貴にぶっ殺された挙句に、冥闘士としても活躍できなかったからな。ていうか聖衣だけでも目立とうとするなんて、セコイ奴だ。
とりあえず、これは兄貴に報告してやらなくちゃな。「私が殺したから」とかいって、兄貴自殺→双子座の聖衣ゲッツ!!俺、頭いい!←くだらぬことを考えるでない
俺はそのまま天蠍宮に入った。
このパターンで行くとミロは青いズラ被ってるよな……。
相変わらず天蠍宮はゴミ溜めだった。アルテミスに聖域のっとられたら、まずはこの宮は消滅だな。
俺が見ても汚すぎだ。ゴミ捨てろ!←いかんのぅ
しかもいつもよりなんか臭う……ゴミが腐臭だしてるのか?
兄貴もカミュもこんなになる前に何とかさせろよ、くせぇんだよ!
ミロのことだ、絶対とんでもなく馬鹿なことをやってくれてるに違いない。俺は鼻をつまみながらさらに奥に入ることにした。
グニャっとなんか踏んだ。キモイ……。
足元を見ると、なんかコンブみたいなヌルヌルした物体を踏んでいた。
俺は恐る恐る摘み上げてみると、その先で悲鳴が聞こえた。
「いてっ!!!」
なんとゴミの塊がガサガサ動いて、なんかが出てきた。
俺は一瞬、得体の知れない生き物がゴミの中から出てきたかと思って、小宇宙を燃やしてゴールデントライアングルを構えてしまった。←本当は怖くて泣いたのであろう
が、それはテルテル坊主になったミロだ。いや、ついゴミとして処分されるのか?
ミロは頭から黒いゴミ袋を被って、頭だけだしていたのだ。
そうか天蠍宮の一番のゴミはミロだもんな。
で、悪臭はミロが放っていた。ミロは生ゴミらしい。
なんか頭もぐちゃぐちゃになってこんがらがってて、本当にホームレスみたいななりだな……。
「おう、愚弟じゃん!!!!」
相変わらず馬鹿みたいに暢気に笑っていた。黄金聖闘士として今の自分に危機感はないのか!?
寄るな、ゴミロ!!くさっ!!!
「お前、その格好どうした?」
「これ?ああ、これ?俺、次の映画に出るじゃん?だから頭染めてるところ!でもじっと待ってられなくて寝ちゃった」
美容院行けよ、貧乏人がっ!
ていうか、もう出ること前提に話進めてんのかよ。青銅が主役だ、ミロみたいな役立たずに出番があるわけないだろう。本当におめでたい頭してるな。←めでたすぎじゃて、ま、まさか……。俺はさっきわかめをつまんだ手を見た。
青くなってやがる……。
「どう?いい色だろう?」
俺はその辺にあったTシャツで手をぬぐいながら、ミロを見た。いい色っていうか、なんか頭斑になってるが……。
俺は取り合えずうなづいて、さっさと天蠍宮を出ることにした。
これ以上いたら、臭くてらりっちまう!
ほーーーーーーーーーーんっとに十二宮って、ジーさん筆頭に馬鹿ばっかりだな。←無礼者
どいつもこいつも出れもしない映画に必死だ。
俺は唯一まともっぽい天秤宮で一息入れることにした。中国のじーさんのことだ、どうせ「どうじゃ!」とかって、脱ぐ練習してんだろうからな。
だが、天秤宮も俺の予想をはるかに超えた超取り込み中だった。
「ふんっ!!」「はぁぁぁ」「ほうっ!!」
とジーさんが気合を入れてふんばっているのだ。
よく見ると、手に何かもっている。
まさか……。
「おい、じーさん!!何をしてるんだ!」
「おぉ、サガよ。よいところに来たのぅ、ちと手伝え」
サガじゃねーっての!!!←似たようなものじゃ
「サガよ、これをこう広げて持っておれ!」
だからサガじゃねぇよ!!!!俺はカノンさまだ!
俺はじーさんに手渡されたものを見て、悲鳴をあげそうになった。
皮だ……。人間っていうか、紫のヨーダの皮だ!!!!←気色悪いのぅ
「はよう元に戻らんと、出遅れてしまうわ」
ジーさんがチャックを開けて中に入ろうとした。
体調90センチくらいのヨーダの皮に、身長165くらいか?のじーさんが一生懸命身体を丸めて入ろうとしてるのだ。←自称170じゃ
そういえば、日本のテレビでエスパー◎トウとかいうのが、カバンの中に入ってたな。
まさにそれ状態!!!
「はぁぁぁぁ、ほうっ!!」
ジーさんが気合を入れて小さい皮の中に入った。びびった、まじで入ったのだ!!!
これって中国の気孔ってやつか?気孔っていうより、奇行だな。「チャ、チャックをしめてたもう、サガよ!」
皮の中から中国のジーさんが言った。
なんか皮は伸びてパッチンパッチンになっていた。
「おい、じーさん。皮ぱっつんぱっつんだぜ」
「構わん。滝の前に座って喋るだけじゃ。はようチャックをしめろ!」
はいはい。
俺は背中のチャックを閉めた。だが途中でジーさんの背中が引っかかってしまらなかった。無理矢理引き上げたら、じーさんの背中の皮が挟まった。←ぬかりない
悲鳴が聞こえたが、俺はとりあえず上に引き上げた。
その瞬間、ビリッっと音がした。
許容量を超えた皮が破けたのだ。
じーさん2度目の脱皮完了!!!←馬鹿め
「ああ、なんてことじゃ……もう一度縫い直さねばらならん。はようせねば、二月に間に合わんのじゃ!!」
もしかして、これって手縫い?ジーさんお手製なのか……。←知らんかったのぅ
しょんぼりしながらジーさんが皮を繕い始めたので、俺はさっさと処女宮に降りることにした。