真実の仮面その4(Jailbreaker−I AM A FREE.)

 

シオン「オトコォーーーー!オトコをもってこーーーーい」

今日もスニオン岬にシオンの声は寂しく響く。

 

童虎「シオン、まだくたばらんのか?」

シオンはスニオン岬の岩牢前に現れた童虎に声をかけられ、鉄格子にしがみついた。

シオン「そんなに簡単にくたばってたまるか!!」

童虎「お前がそこに入って3ヶ月だぞ。もういい加減にくたばったらどうだ?」

シオン「うるさい。まだ、ジェミニもペルウセウスも・・・・・・・・・・・・・略・・・・・・・・・・・・・・アンドロメダともまだヤってないのに、くたばってたまるか!」

童虎「お前、そんなに男が好きなのか?」

シオン「今更何を言っている!?」

童虎「女には興味無いのか?」

シオン「女だと??あんな生き物には興味は無い。」

童虎「もったいない。お前くらい頭がよくて、強くて、容姿も整っておれば、女など選り取りみどりなのになぁ。」

シオン「女など興味はないと言っているだろう。」

童虎「女はいいぞ。ムチムチして柔らかくて、優しいし、いい香りもする。そしてあの包容力。守ってあげたくなるよな。」

シオン「男はいいぞーーー!!あの引き締まった尻!・・・・・童虎まて!!男のよさを聞いていけぇーーーーー!!」

 

その日の午後。

キャンサー「おーい、シオン。死んだか?」

スニオン岬の岩牢前に一人の男が現れた。
真っ白い肌に、肩まで伸びた金髪を潮風になびかせて歩いてきた男は蟹座の聖闘士であった。シオンは蟹座の聖衣を改造してしまうほど、この男のウナジに心酔していた。

シオン「おぉ!蟹よ。久しぶりだな。元気だったか?」

キャンサー「おう!久しぶりだな。お前こそ、元気だったのかよ?」

シオン「当たり前だ。こんなことでは、くだばらん。」

キャンサー「そうか。そりゃ安心したぜ。」

シオン「なんだ、お前は私の事をそんなに心配していてくれたのか?」

キャンサー「は?馬鹿いっちゃいけねーぜ!お前の心配なんて誰がするか。俺は、お前にいやがらせをしに来たんだ!!」

シオン「なんだと?」

キャンサー「お前、3ヶ月もご無沙汰なんだろう??」

シオン「そうだ。」

キャンサー「それじゃ、たまってるだろう?」

キャンサーは意地の悪い笑顔でシオンに訊くと、後ろを向いた。そして、両手で金色の髪をかき上げると、シオンに自慢のウナジがよく見えるように顔をやや下に向けた。

キャンサー「ほぉーら、ほぉーら♪お前の大好きな俺のウナジだ!!」

シオンは思わず格子にしがみ付き、鼻息を荒くした。この前はスコーピオンとアクエリアスの痴態、その次はジェミニの痴態、そして今、目の前になんとも美味そうな蟹がいる。シオンはこれでもかというくらい格子にしがみ付き、手を伸ばした。

シオン「蟹!早くこっちへ来い!」

キャンサー「い・や・だ・ね!!俺のウナジが舐めたけりゃ、てめぇが来やがれ。ふふーん♪」

シオン「おのれ、蟹ぃ〜〜〜〜!!!」

キャンサー「これるものなら、こっちへおいでぇ〜♪」

キャンサーは髪をかきあげた状態を保ちつつ、シオンに流し目を送り腰をくねらせた。

キャンサー「ほーら、ほら!!俺が食べたいだろう。どうよ!?」

シオン「くっそぉーーーーー!!」

シオンは、無意識のうちに格子を握った手に力を込めた。しかし、女神の力で封じられた格子はびくともしない。

キャンサー「ぐはははっ!!シオン、日ごろの行いの悪さが祟ったな!!ほーら、ほーら。食えるもんなら、食ってみろ!!」

キャンサーは再び腰をくねらせて、笑った。

シオン「おのれ蟹め。この私を馬鹿にしおって。お前の聖衣、またイヤらしく改造してやる。」

シオンは格子を握った手に、さらに力を込めて血の涙を流した。もう、シオンの情欲は限界に達していた。言葉には出さなかったが、もちろん今すぐにキャンサーを襲って情欲を解放したかった。

シオンの目の前で、キャンサーはまだ後ろを向いて、髪をかきあげたまま腰を振っていた。

シオン「おのれ、蟹!!蟹!蟹!蟹!!!!!!!!!」

シオンは更に興奮し、手に力を込めた。

シオン「蟹ぃーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」

 

パキッ!

 

キャンサーは、シオンが手出しできないのをいいことに、今まで無理矢理ウナジを舐められ犯された仕返しを心底楽しんでいた。
しかし突然、キャンサーは頬に強烈な風を感じて動きを止めた。何かが、髪をかきあげた手と頬の間を通り抜けたのだ。それは音を立ててキャンサーの目の前へと刺さった。そして、もう片方の頬にも・・・・・。
彼は、自分の両頬を掠め、地に刺さったものを見て青ざめた。それは、どう見ても鉄格子だった。

異様な気配を背中に感じ、髪の毛をかきあげたままの姿勢で後ろを振り向くと、そこに見たのは、もぬけの殻となった岩牢と目の前に立つシオンであった。
その瞬間、髪の毛を掴まれ、キャンサーはシオンにウナジをべろリと舐められた。

シオンはついに煩悩の小宇宙で鉄格子を破ったのだ。不幸にも2本の鉄格子が外れた音は、波の音に掻き消され、キャンサーの耳には届かなかったらしい。

シオン「ははははははっ!!!蟹よ、そんなにウナジを舐めて欲しいのなら、たっぷりと舐めてやるぞ!」

キャンサー「うぎゃーーーーーーーー!なんで、なんで、なんでぇーーーーーーーー!!!」

シオン「ふふふっ。相変わらず、お前のウナジは美しい。潮風に当たって、今日は少し塩味が濃いな!!」

キャンサーは突然のことに腰を抜かし、涙を流していた。

キャンサー「ぎゃ!ぎゃ!!!やめろ!何をする!!」

シオン「何をするとは、どういうことだ。自分から誘っておいて・・・・。ほぉら!」

キャンサー「ぎゃーーーーーーーー、舐めるなぁ!!!」

シオン「ふふふっ、こうやって、私に舐めて欲しかったのだろう?」

シオンはそういうと、キャンサーの頭を地面に押し付け、四つんばいにさせた。」

キャンサー「ぎゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」

キャンサーの悲鳴がスニオン岬に木霊した。

 

童虎「シオン、お前どうやって抜け出した?」

スニオン岬から放たれる異様な小宇宙を感じ、女神が童虎と他の黄金聖闘士を引き連れ駆けつけた。

シオンは放心状態のキャンサーから体を放すと、キトンの服を正し仁王立ちになった。

シオン「どうやったも、こうもない。私は最初から悪いことなどしてはいない。だから、岩牢から出られたのだ!!私は正義だ!!はははははっ!!」

シオンはすっきりした顔で大声を上げて笑った。その瞬間、女神が振り下ろしたニケの杖がシオンの頭を襲った。

シオン「ぐおっ。何をするのだ、女神!」

女神「あんた、全然反省してないじゃない!!」

シオン「反省などする必要ない。私は悪くない。」

女神「キャンサーをこんな目にあわせておいて何を言ってるの!」

シオン「誘ったのはこいつだ!私は悪くない!!!。」

女神「寝言は寝てからお言い!どうやって、この岩牢から抜け出したの!?私の許しがなければ、ここからは出れないはずよ!」

シオン「私は無罪だ!だから、天がここから私を出した!それだけだ!」

女神「馬鹿言ってるんじゃないわよ!」

女神は怒鳴ると、今度は力を込めてシオンにニケの杖を振り下ろした。童虎は、ニケの杖により気を失ったシオンの襟首を掴むと岩牢へと引きずっていった。その後に女神と他の聖闘士が続く。

女神「はっ!!」

女神は気合を入れると持っていたニケの杖を真っ二つに折り、それを外れた格子へとあてがった。そして、格子に手を添えると、静かに目を閉じ小宇宙を高める。他の黄金聖闘士たちも女神の後ろで小宇宙を高め封印に手を貸した。

女神「まったく、この化け物!。しかし、もうこれでシオンはここから出れないでしょう。ふっ!」

童虎「愚かな、シオン・・・・・・・・。」

こうして再びシオンはスニオン岬の岩牢へと戻った。出所時間、僅か2時間であった。

 

シオン「なぜだぁ!!だせーー!だしやがれぇ!!!」

今日もスニオン岬にシオンの声は寂しく響いた。

 


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