白羊家の食卓(収穫祭 その1)

 

処女宮の裏庭、沙羅双樹の園は、今ではすっかりムウの野菜畑と化していた。

シオンを執務に送りだすと、ムウは篭と鋏を持ち、早速処女宮へと出かける。宮の主に目もくれず、一目散へ裏庭に向かうと、そのふくよかな頬を緩ませた。野菜たちは幹や根に沢山の実をつけ、収穫の時を待っていたのである。

真っ赤に熟れたトマトを物色し、鋏で茎を丁寧に切り落とす。艶やかではりのあるトマトにを手にとり、ムウの口には思わず笑いが浮かんでしまう。初の家庭菜園にして、その出来栄えは上々であった。

一方その頃、ようやく目を覚ましたミロは遅めの朝食を白羊宮でたかろうと、のそのそ自宮を出た。すると前方に挙動不審の人物を発見し、好奇心にまかせてその後を尾行する。処女宮の庭に出た不審人物は、柱の影に隠れたまま一向に動く気配はない。痺れを切らして、ミロは声をかけた。

ミロ「何やってんだよ、シュラ!」

突然背後から声をかけられ、シュラは漆黒の髪を揺らして驚いた。

シュラ「何だ小僧、お前こそ何やってる。」

ミロ「お前の尾行!」

シュラ「けっ、朝から暇な奴だ。」

ミロ「そういうお前こそ何やってんだよ!」

シュラは無言でミロに沙羅双樹の野菜畑を指差した。その先には緑の畑の中に、薄紫の頭がひょっこりと出ている。

ミロ「あ、ムウじゃん。ムウを襲うのか?」

シュラ「いいから黙って見ていろ、小僧。」

シュラに言われたとおり、ミロは気配を殺してムウの観察をすることにした。

ムウは比較的大きな葉の棚に近づくと、黒紫色の太く長いナスを手に取り、にやりと笑う。そして鋏で茎を切ると、うっとりとナスを眺めた。そして白い指でナスの腹を何度も撫でまわす。

ミロ「・・・なんてやらしい指の使い方だ。」

シュラ「うっとりしてるぞ、うっとり。」

ミロ「あ、ほおずりしたぞ。ナス・・・なんて羨ましい。」

シュラ「・・・。あれは尻用か?」

ミロ「尻用?」

シュラ「普通ナスに頬擦りするか?。あれは尻用だ、尻用。尻に入れるんだろう。」

ミロ「そういえば、最近アルデバランの奴見かけないもんな。尻が寂しくてナスかぁ・・・。」

シュラ「ハァハァ・・・、ムウ・・・一言いってくれば、俺のナスで慰めてやるのに・・・。」

シュラとミロの脳内では、全裸のムウがベッドの上で白い尻に極太のナスを挿し、淫靡な声をあげて腰をくねらせていた。

ムウはさらに隣の枝から、ナスを切り取り、再びうっとりとその横腹をさする。既に発情しているミロとシュラには、その手の動きが自分達の勃起したモノをうっとり撫でているように見えて仕方ない。

ムウがナスを切り取り恍惚とする度に、二人の股間はグングン膨らんでいった。

次にムウはナスの棚から移動して、黄色い花の咲く棚へと向かう。そして葉っぱの中に鋏を入れ、それを切り出すと、これまたそれを眺めてうっとりしはじめた。今度はキュウリである。

ミロ「あれも尻用かな?」

シュラ「キュウリはイボイボがついてるからな。」

ミロ「ぶっといキュウリだな・・・。ぅお!ムウ・・・なんて事をしているんだ!!」

シュラ「間違いない!あれも尻用だ!」

キュウリについた汚れを取るため、ムウがキュウリを掴んでその手を上下に動かすと、シュラとミロは鼻の下をだらしなく伸ばす。

ミロ「・・・・手つきがヤラシイぞ・・・ハァハァ・・・あれでフェラの練習してるのかなぁ・・・。」

シュラ「いいぞ・・・もっと擦れ・・・そのまま舐めろ!」

すでにズボンの前が膨らんでいる二人の脳内では、自分の股に顔を埋めたムウが、いきり勃った竿を白い手でしごきながら、先端から漏れる液を舌でチロチロと舐めまわしていた。

ミロ「キュウリで練習しなくったって、いつでも俺のモノを貸してやるのに・・・ハァハァ。」

ムウはさらに隣のツルから、キュウリを切り取り、再びこすって汚れをはらう。既に発情したミロとシュラにはその手の動きが、自分達の勃起したモノをうっとりとしごいているように見えて仕方ない。

続いてムウは棚から移動し、腰をかがめると、地面から緑の葉を引き抜いた。その先にはオレンジ色の太い根がついている。ニンジンである。泥をこすりおとし、その腹を撫でるムウの手つきに、シュラとミロはまたまた鼻息を荒げた。

ミロ「あれも尻か?!」

シュラ「賭けてもいい!尻だ!」

ミロ「根元までズッポリか?!」

シュラ「ああ、ズッポリだ!」

ミロとシュラの脳内では、全裸のムウが尻に根元までニンジンをさし、尻から緑の葉を生やして『はやく抜いて・・・。』と、紫色の瞳に涙を浮かべて哀願していた。

シュラ「ふ・・・ニンジンなどいれずとも、いつでも俺が掘ってやるのに・・・。」

ミロ「ぅお!すげぇ!なんだあの白いニンジン!超ぶっといぞ?!」

ミロはムウが引き抜いた大根を見て驚愕の声をあげる。野菜をすべて尻に入れるものだと考えているシュラも、大根の太さに目を見張った。

シュラ「・・・、あれは練習用だ!」

ミロ「練習用?練習用はキュウリじゃないのか?」

シュラ「教皇様のナニと、バイブを二本挿できるよう、あれで尻の穴を広げてるに違いない・・・・。」

二人の脳内で全裸のムウが大根を尻にさし、その痛みに涙をながし、いやいやと首と尻を振っていた。

ミロ「すげぇぞムウ・・・なんて柔らかそうな尻の穴なんだ・・・。」

とどまることを知らない妄想の翼は大きく羽根を広げすぎ、野菜本来の目的、食用であるということをすっかり忘れさせてしまっている。そしてムウがかぼちゃとスイカを収穫するのを見て、何に使うのかさっぱり分からず、ミロとシュラは頭をひねった。

 


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