Vine Linux 1.1 のインストール

山森丈範 YAMAMORI Takenori ●yamamori

COLUMN
■コラム■ インストーラは未来時間

PCのハードウェアクロックは通常は日本時間(現地時間)に設定されているはずです. しかし,本来のUNIXカーネルは,それが世界標準時刻であることを期待しているため, システム時刻の設定には注意が必要です.

インストール時には,「ハードウェアクロックを世界標準時刻とみなします」 をチェックしないことによって, インストール後のシステムの時刻は問題なく合います.

しかし,インストーラ自体のカーネル(これもLinux)が デフォルトでハードウェアクロックを世界標準時刻とみなして立ち上がっているため, 実はインストーラは9時間先の未来時間で動いているのです.

なお,インストール中にシェルに抜けてdate を実行しても,一見,時刻が合っているように見えますが, これはUTCでの時刻を表示しているので,やはり9時間進んでいることになります.

このことが,インストールされるファイルのタイムスタンプに影響します. ほとんどのファイルは,rpm から展開されるため,オリジナルのタイムスタンプ(更新時刻) が保存されて問題ありませんが,/etc 以下などに,インストール時に作成されるファイルについては, タイムスタンプが9時間進んでしまいます. このため, インストール直後のlinuxconf でいろいろとエラーが出たり したのです.

この問題を解決するには,インストーラのタイムゾーンの 問い合わせ画面を最初のほう(たとえば言語の選択直後)に持って行き, そこでの選択情報をもとにインストーラ自身の時刻を再設定する方法が考えられます.

これらについては今後の改良に期待します.


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このページは、技術評論社 Linux×BSD HYPER PRESS Vol.1夏号、『Linuxのインストールとセットアップ/Vine Linux 1.1を導入しよう』 の原稿を元に、Web 用に再構成したものです。
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