Linux&FreeBSD ハードウェア設定

YAMAMORI Takenori ●yamamori

■コラム■ 「バージョンアップが早過ぎるのが,フリーUNIXの難点」

現在では,会社などのサーバマシンはもちろん,クライアントマシンにも LinuxやFreeBSDなどのフリーUNIXを導入することが増えていると思います. たとえばソフトウェア関連の会社などの場合,Solarisとか, IRIXとか(NEWS-OSとか)の商用UNIXも使用しつつ, フリーUNIXが増えつつある状況ではないでしょうか.

そのような中,フリーUNIXと商用UNIXを比較して,まず気になるのが フリーUNIXのバージョンアップの早さです.例えば,Linuxの場合, libc5からglibc2 へという大きな変化(RedHat 4.x→RedHat 5.x)があったのが まだ最近のことのように思っている間に,今度はもうkernel 2.2系に 移行しなければならないのか,という状況になってしまいました.

商用UNIXの場合,例えばSolaris 2.5.1の時代に導入したサーバマシンは, 今現在でもSolaris 2.5.1のまま,安心して稼働させられます. (もちろん,各種パッチは適宜あてています)

ところがこれがフリーUNIXとなると,新しいバージョンが出ると, ユーザの関心がすぐに新しいバージョンの方に向いてしまい, 以前のバージョンに対する関心や情報が,商用UNIXよりも急速に冷めてしまう 傾向が強いと思います.

しかし,サーバマシンは,一度導入すると,長期間連続稼働するものであり, そう簡単にはバージョンアップできません.

また,クライアントマシンであっても,会社などのプロジェクトで, プログラミング環境としてフリーUNIXを用いている場合, プロジェクト開始時の最新安定バージョンをひとたび導入すると, 途中でのOSのバージョンアップに伴うトラブルによって 本業のプログラミング作業が中断されてしまうことを避けるため, プロジェクトが終了するまではOSのバージョンアップを控えることが 多いのではないでしょうか.

そのプロジェクトは,場合によっては1年とか,2年以上かかったりする ものもあり,そのような状況を考えるとフリーUNIXのバージョンアップの早さは, この場合には欠点となってしまうのです.

一方,これが個人の趣味として,OSの最新バージョンの追っかけを 楽しみにしている方にとっては,夢のような話かも知れません. 特に,フリーUNIX系をLinuxの各種ディストリビューションまでも含めて 何種類もマルチブートしている方は,おそらく毎月のように何らかのOSの バージョンアップがあるでしょうから,年中OSインストールライフを 満喫することになるでしょう.


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このページは、技術評論社 Linux×BSD HYPER PRESS Vol.2秋号、『もう困らない!Linux&FreeBSD ハードウェア設定テクニック』 の原稿を元に、Web 用に再構成したものです。
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