フリーのエミュレータQEMUを使おう

 
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●ファイルの共有方法

ホストOS⇔ゲストOS間でファイルを共有するには,次のようにNFSやSambaを利用します.

○NFS

ゲストOSがUNIX系OSの場合,NFSによるファイル共有が可能です. ただし,-user-netの場合,NFSクライアントであるゲストOSからのNFSマウント要求が rootの特権ポート以外から行なわれるため,NFSサーバ側では特権ポート以外からの マウント要求も許可するように設定する必要があります.

NFSサーバがLinuxの場合は,/etc/exportsに下のリストのように insecureオプションを追加し,exportfs -aを実行すればOKです.

・リスト /etc/exports(-user-netの場合のNFSサーバの設定)
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/export *(rw,insecure)
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○Samba

ゲストOSがWindows系OSの場合は,Sambaでファイル共有することになります. -user-netの場合,QEMUの-smbオプションを利用すれば, 簡単にSambaでのファイル共有が行なえます. ただし,この機能を使うには,ホストOSに/usr/sbin/smbdが インストールされている必要があります.

たとえば,「-smb /tmp」というオプションを付けてQEMUを起動すると, ホストOSの/tmpディレクトリが,共有名qemuとしてゲストOSから見えます. 仮想のSambaサーバはIPアドレス10.0.2.4に存在するため, Windows系ゲストOSのlmhostsファイルに「10.0.2.4 smbserver」という行を加えれば, \\smbserver\qemuのネットワークパスでアクセスできます. ゲストOS内でsmbclientを使う場合は 「smbclient //10.0.2.4/qemu」でもアクセス可能です.

なお,QEMUの-smbオプションを使わない,通常のSambaによるファイル共有も, もちろん可能です.


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このページは、技術評論社 Software Design 2005年7月号、『QEMU使いこなしテクニック(Linux編)』の原稿を元に、Web 用に再構成したものです。
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