Free Solaris 7 日本語版

YAMAMORI Takenori ●yamamori
■ Solaris 7のインストーラで遊ぼう

Free Solaris 7のCD-ROMが届いたら, すぐにインストールしたくなるとは思いますが, 「では,どのハードディスクのどのパーティションにインストールするか」とか, まだ計画を練っていないかも知れません. Solaris 7のインストーラは自由度が高く,CD-ROMだけでブートして, その環境上だけでもいろいろ遊べますので,まずその方法を御紹介したいと思います. もちろん,ハードディスクはマシンにつながっていなくても構いませんし, すでに別のOSが入ったディスクがつながっていても構いません. 本当にインストールしない限り,既存の内容を壊すことはないのです.

○インストーラのブート

それではインストーラをブートしましょう. なお,ここでは“Web Start”ではなく, 通常の「対話型インストール」でOKです.

SPARC版の場合はCD-ROMから直接ブートでき, また,ハードウェアの調査が必要ないため, Intel版でのDCA(Device Configuration Assistant)に相当するものはありません. さらに,kdmconfig(Xの設定と起動テスト)も必要ないため, Solaris 7のインストーラで遊ぶ場合は, その意味ではSPARC版の方が適しているかも知れません. しかし,Intel版の場合でも, DCAでのハードウェアの調査結果をセーブしておくことにより, (もちろんDCAをあらかじめ別のフロッピディスクにコピーしておいて) 次回からの起動時間を短縮することはできます.

インストーラの起動時に,マシンがすでにLANにつながっており, LAN上の別のUNIXマシンに,RARP/bootparams/NISのサーバ設定ができている場合, Solaris 7のインストーラは,自分のIPアドレス,ホスト名,NISドメイン名 などを自動的に取得し,インストーラの画面上ではそれらの項目を 聞いてさえも来なくなります.たとえSolaris 7をディスクレスマシンに するつもりではなくても,RARP/bootparams/NISのサーバ側の設定を 行なっておいた方が便利というわけです.

結局,インストーラの冒頭で,手入力が必要だったのは, localeとタイムゾーンの設定の2点だけでした. (これらについても,NISを使って自動化できるそうですが, そこまではやりませんでした)

このあと,筆者環境の場合,本当にハードディスクをつないでいなかったため, 以下のように「ディスクが存在しません」という表示が出ましたが, もちろんこれでOKです.

no-disk.gif ●もちろんディスクが存在していなくてOK


○いきなりHotJavaを立ち上げる

さて,インストーラの方はこれ以上進めないようにして, ここで cmdtool(コマンドツール)を自分で開きます. するとここでHotJavaが起動可能なのです. ただし,デフォルトでPATHは通っていないので, /usr/dt/bin/hotjavaと入力します.

そしてこの,あくまでインストーラ上のHotJavaから, そのままインターネットにアクセス可能なのです.

ただし,そのためにはLAN経由でインターネットにつながっている 必要がありますが,筆者環境では,LAN上の別のマシンにpppのダイアルアップとNATを 行なわせており,そのマシン経由でLAN上のすべてのマシンが インターネットに同時にアクセス可能になっているのです. ダイアルアップルータを使用されている方なども,環境的には同様だと思います.

前述のように,Solaris 7のインストーラは,自分のIPアドレスを 自動的に取得していますが,この時,デフォルトルートもそのサーバに向くように 設定されています.DNS関係の設定は(この場合は)行なわれていないのですが, NISクライアントにはなっています.そして,筆者環境の場合, NIS経由でもDNSを引けるようにサーバ側で設定しているため, 結果的にこのHotJavaはDNSを参照できます.

というわけで,このHotJavaを使って,インターネット上のWebページをいろいろと アクセスしてみました.

このようなことはFree Solaris 7英語版の時でももちろんできていましたが, その時は日本語localeがない関係で日本語ページは表示できませんでした. インストーラ上のHotJavaで日本語ページを表示させたのは今回が初めてになります.

なお/usr/openwin/bin以下には,xclock,xload,xcalc などのおなじみのXアプリケーションもあり, その他CD-ROM上には,インストールには直接関係ないようなアプリケーションも いろいろ存在しますので,一度探検してみると面白いでしょう.

もちろん,このCD-ROMをシステムの修復などに用いることもできます. 筆者の場合,SunOS 4.1.4のマシンのハードディスクの増設・交換時には, 一時的にSolaris 7のCD-ROMでブートして,その環境上で format,newfsや “ufsdump|ufsrestore”の作業を行なうこともあります.


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このページは、技術評論社 SoftwareDesign 2000年1月号、『登場!Free Solaris 7 日本語版』の原稿を元に、Web 用に再構成したものです。
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