VMwareとBochsを使ってみる

YAMAMORI Takenori ●yamamori
●BochsにVine Linuxをインストール

次は,BochsにVine Linuxをインストールしてみましょう. まずVine 2.0を試してみたところ, テキストモードのインストーラを起動するようにしても, Bochsは以下のようなエラーメッセージを出してpanic終了してしまいました.

bochs: panic, KBD: io write 0x64: command = 0xD3(write mouse outb)

そこで今度は,前のバージョンであるVine 1.1をインストールしてみました. これはインストールに成功しました. Vine 1.1も,以前のバージョンながら 「エミュレータの実験台」としてはまだまだ現役という感じです.

BochsをVine 1.1のフロッピーイメージからブートすると, すぐに“boot:”のプロンプトが出た状態になります. Bochs上では,漢字コンソールのkonが使えませんので, ここで“boot: linux nokon”と入力してインストーラ上で konが起動しないようにします. (※注 このオプションは,Vine 2.0とは異なっています)

その後,インストーラのメニューで“English”を選択し, 英語表示でインストールを行ないます. インストールメディアとしてLocal CD-ROMを選択すると, インストーラは無事CD-ROMを認識しました. Bochsの“--enable-cdrom”オプションが効いていることが ここで確認できたことになります.

あとは普通にインストールを続行すればOKです. インストール画面の罫線が化けますが,これは仕方ないでしょう.

●Vine 2.0上のbochsにVine 1.1をインストールしているところ
bochs-vine-inst-s.gif

Vineは,生のPC上では15分程度でインストールできるのですが, Bochs上となると相当遅くなりますので, パッケージは必要最小限のもののみを選ぶようにしましょう. それでも,Xなしで約2時間,Xありで約3時間かかりました.

インストールが終了すると自動的にリブートがかかりますが, Bochsはまだリブートに対応しておらず,ここでBochsが終了してしまいます. そこで再度“./bochs”と,今度はboot:aオプションを付けずにコマンド入力すれば, Bochsはインストール済みの仮想ハードディスクからブートします. そして無事,ゲストOSのVine 1.1が立ち上がります.

●Vine 2.0上のBochs内で動くVine 1.1
bochs-vine-console-s.gif

さて,上図からも察しがつくように, コンソールloginしたシェル上での動作はOKですが,Xはうまく起動しませんでした. VGA16でなら立ち上がるかと期待して,いろいろやってはみましたがダメでした.

あとサウンドについても,sndconfigの実行途中でBochsがpanicしてしまい, 結局ゲストOSから音を出すところまでこぎ着けませんでした.

Bochsについては以上のような感じですが,今後BochsなりPlex86がもっと改良されて, VMwareと互角に張り合えるようになることを,ひそかに期待したいと思います.


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このページは、技術評論社 「すみからすみまでLinux〜テクニカル編」および SoftwareDesign 2000年8月号、『VMwareとBochsを使ってみる』の原稿を元に、Web 用に再構成したものです。
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