路上を歩いていたら、突然若い女性に呼び止められた。
英会話や就職についての意識調査を行っているらしく、「アンケートに協力して欲しい」と頼まれたので、軽い気持ちでアンケートに記入した。 |
数日後、アンケートに記入した電話番号に、担当者から電話が掛かってきた。
「就職活動に役立つ説明会を行っています。就職活動に役立つ最新の企業情報も提供しています。説明会と就職カウンセリングをやっているので、まずは参加して欲しい」
などと説明された。就職活動に役立つ情報には興味があったので、とりあえず説明会に参加してみることにした。 |
スクールを訪れたところ、大きな説明会場ではなく、個別のブースに案内され、1対1でスクールについての説明が始まった。
ビデオを見せられ、感想を聞かれた後、担当者から、
「就職活動には、英会話やパソコンスキル、資格取得が必須です。特に、新卒採用について、企業は英語力を重視しています」
「TOEICは何点ですか?」「・・・そのスコアでは心配ですね」
「就職活動に成功する方の多くは、就職活動への意識が強く、大学に入ってすぐ、ダブルスクールで勉強を始めるんです」
「英会話スクールに通ってTOEICのスコアを上げたり、パソコンスキルを身につけたり、就職に役立つ資格を取得したり、就職活動に失敗しないよう、早い時期から準備しているんです」
「将来の夢はありますか?」
「希望の自分になるためには、まず自分自身を変えないと。こうしている間にも、他の人に差をつけられているんです」
「それに、勉強する環境って大事ですよね。当校に通う方は、皆さん目的意識を持ったポジティブな人達です。目的意識を強く持った人たちと一緒に勉強することで、英会話やパソコンスキルだけでなく、ポジティブな考え方を身につけることが出来ます」
「当校は単なる英会話スクール、パソコンスクールではありません。実際の就職活動に役立つスキルを身につけることができますし、面接対策や最新の企業情報を提供することができるんです」
「当校独自のノウハウで、大学生の就職活動をサポートしています」
「自分を変えるためには、まず第一歩を踏み出さないと。自分自身を向上させるには、まず行動を起こさないと」
「後でキャンセルすることもできますから、まずは今日結論を出しましょう。しばらく通学してみて、どうしても気に入らなければ相談して下さい」
「学生の皆さんを支援するために、教育クレジットもご利用いただけます」
などと、就職に役立つ説明会のはずだったのに、いつのまにか契約の話しになってしまった。
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数十万円もする契約をいきなり勧められても、急には決められないので、
「一度帰ってよく検討したい」「金額も大きいし、自分では決められない。親に相談してから決めたい」
と伝えて契約を断ろうとしたところ、
「自分の将来の問題なのだから、自分の意思で決断しないと。親に甘えた考えを捨てて、自立した大人にならないと」
「自分自身を変えるには、まずその考え方から変えないと駄目。社会に出たら、自分のことは自分で決めないといけないんだよ」
などと、「契約しないのは甘え」「自分自身から逃げている」と人格否定されてしまった。
なんとか断ろうと「まだ学生なのでお金が無い」と言ったものの、
「学生だからというのは甘え。自分の将来のためにアルバイトをすればいい。クレジットを利用すれば、月々25,000円程度で大丈夫。自分のために、たったそれだけも投資できないの?」
「まず自分自身を変える努力をしないと。行動で示さなきゃ。まず第一歩を踏み出さないと。今日、この場で、自分を変えると決心しないと」
などと、繰り返し説得されてしまった。 |
勧誘は数時間続いてしまい、契約しないと帰してもらえない状況になってしまった。
そのうち担当者の上司も勧誘に加わったため、断り切れなくなり、仕方なく契約することとなってしまった。 |