Free Solaris 7 日本語版

YAMAMORI Takenori ●yamamori
■ Solaris 7 Intel版のインストール

Intel版の場合,まず付属のDCAのフロッピディスクを使ってブートします. (Solaris 8以降はCD-ROMから直接ブート可能になっています)
多くのPC UNIXなどと異なり,DCAのイメージファイルはCD-ROMの中には ありませんが,以下のURLからダウンロードもできます.

http://soldc.sun.com/support/drivers/DeviceConfig7.html

ハードディスクにはまだSolarisがインストールされていない段階で, OpenWindowsのインストーラが立ち上がることは, 「Solaris 7のインストーラで遊ぼう」に書いた通りです.

インストーラを進め,途中の「ソフトウェアグループ」の選択項目では, あとでgccをインストールすることに備えて, 「Developer System Support」を選んでおくようにすればOKでしょう.

インストールが終了すると,CDEのlogin画面が立ち上がります.

通常,UNIXマシンの新規インストール直後は, まずrootでloginして, そこですぐに一般ユーザアカウントを設定したりしますが, 筆者環境でのSolaris 7の場合,その必要もありませんでした. というのは,前述のようにインストール時に 自動的にNISクライアントに設定されているため, インストール直後,すでにNIS上に登録済みの一般ユーザでloginできるのです. しかも,auto.homeのNISマップも自動的に読み込まれるため, 一般ユーザでloginすると,そのままいつもの自分の$HOMEが, NFSサーバからマウントされます.

※注 Solarisではauto.homeはauto_homeに変更されていますが, 互換性のため,auto.homeのNISマップでも受け付けてくれます.

さて今,日本語環境でCDEにloginしてみたところ,確かにWnn6のアイコンとかも あるのですが,一部英語環境のままになっていたり,おかしな状態になりました. これは,自分の$HOME以下の個人的な設定ファイルで, LANG=ja_JP.EUCにしていたのが原因とわかりました. Solarisでは,標準的にはLANG=jaにしなければなりません. ただ,Solaris以外のUNIX環境とも環境を共通化するため, やはりLANG=ja_JP.EUCで通したいと思いました. そこで,以下のようにlocale関係のシンボリックリンク2箇所を張って対処しました.

LANG=ja_JP.EUC でも使えるように
# cd /usr/lib/locale
# ln -s ja ja_JP.EUC
# cd ja
# ln -s ja.so.2 ja_JP.EUC.so.2

これでCDEにloginし直すと,dtterm上に Wnn6からの日本語入力ができるように なりましたが,dttermのメニューなどがまだ英語のままです. そこで再度,以下のようにシンボリックリンクを張ってみました.

● ここもシンボリックリンク
# cd /usr/dt/lib/nls/msg
# ln -s ja ja_JP.EUC

これで再度loginし直すと,dttermの様子は以下のようになりました.

dtterm.gif ●Wnn6での日本語入力もOK

これでだいたいOKなのですが,manコマンドで何かマニュアルを読もうとすると, 依然英語で表示されます.そこで今度は図*のようにシンボリックリンクを 張りました.

● 日本語マニュアルのため,ここもシンボリックリンク
# cd /usr/man
# ln -s ja ja_JP.EUC

このような感じで,日本語対応がおかしいと思った場合はとりあえず LANG=jaにしてみて挙動が変わるかどうかを確認し,変わった場合は 関係するjaという名のディレクトリを見つけては ja_JP.EUCにシンボリックリンクを張る… という作業の繰り返しになります.

そういう面倒なことをしたくない場合は,素直にLANG=ja で使った方がいいのかも知れません. 少なくとも,JDKでは,単純なシンボリックリンクでは対応できず, ちゃんとLANG=jaなどにしないと 完全には日本語環境で動作しませんでした.


○ CDEを使わず、普通に xinit

さて,CDEはこれくらいにして,CDEのlogin画面で「コマンド行ログイン」 を選び,普通にコンソールにloginしてみました. ここで,/usr/openwin/binPATHを通しておいてから, xinitを実行すると,普通のXが立ち上がります. すでに,$HOME/.xinitrcを,Solaris以外のUNIX環境を含め 共通で作成済みなので,これを読み込んで, いつもの自分の環境が立ち上がるはずですが, 筆者は$HOME/.xinitrcの中で ウィンドウマネージャとして,fvwm2 を記述 しており,fvwm2はSolaris 7には付属していないため, ウィンドウマネージャ無しのXが立ち上がりました.

※注 .xinitrcの記述の仕方には,最後の行の execで起動するコマンドとして, xtermを記述する方法と,ウィンドウマネージャを起動する方法の, 大きく分けて2通りの流儀があります. 筆者の場合,“exec xterm”方式だったため, fvwm2がインストールされていなくてもX自体は起動したのですが, もし“exec fvwm2”と書いていたとしたら,Xはすぐ終了してしまい, 使えなかったはずです.

Solaris 7にもtwmは付属しているため,この状態で左上に表示させている xtermの中でtwm &と入力してtwmを立ち上げ, 一応普通に使えるようになりました. (他,olwmももちろん付属していますが) わざわざ画面ダンプを載せるまでもない,超シンプルなXの画面ですが, 先ほどのCDEとは違って,とても軽く,サクサクと動作します.

さて,何をするにもまずは基本の端末エミュレータとして, ktermが欲しくなります.さっそくmakeしてしまいましょう. ところが何やらエラーが出ました. SolarisってCコンパイラが標準で付属していないのですね…って白々しいですね. (コラム「まずはgccが必要」参照)

いずれにしても,たとえばgzipとか lessとかapacheとかsambaとか, Linuxの各種ディストリビューションには最初から付属しているような 定番のソフトウェアも,Solaris 7には付属していませんので, それらをソースからmakeするためにもまずはgccが必要です.


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このページは、技術評論社 SoftwareDesign 2000年1月号、『登場!Free Solaris 7 日本語版』の原稿を元に、Web 用に再構成したものです。
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