よくあるウソの説明 |
ある日突然電話があり、
「人事の方から、平成18年度経営マネジメント研修について、あなたに受講してもらうよう推薦がありましたので、ご連絡差し上げました」
「毎年行っている経営マネジメント研修についてですが、上司の方から○○さんの名前があがりましたので、○○さんに、平成18年度研修プログラムに参加していただくことが決まりました」
「募集人員は25名までですが、締め切りは今週金曜日に迫っています。他の方は既に参加が決定していて、残るはあなたを含め2人となっています」
「申込書を送りますので、申し込み用紙に記入し、急いで返送してください」
と案内があった。
マネジメント研修を受けるよう、上司が勝手に自分を人事部に推薦したんだと思い、
「この忙しいのに面倒くさいな・・」と感じつつも、「業務命令なら仕方ない」と我慢し、申込書を送ってもらうことになった。 |
翌日、申込書が届いたものの、よく申込書を見てみると、研修には50万円近い費用がかかると書いてあった。
「自己負担で研修を受けさせられるのか?」と不審に感じ、直属の上司に確認してみたが、「推薦はしていない。知らない」と言われた。 |
その次の日、担当者から、申込書を返送したかどうか、確認の電話があったので、
「私の上司は推薦などしていないと言っている。誰が私を推薦したのか?」 と問い質してみた。
すると担当者は、「名前は明かせませんが、役員クラスの方です」
「あなたの日頃の仕事振りを見て、幹部候補として研修を受けさせるよう、推薦が あったのです。つまり、あなたは役員クラスの方から期待されているんです」
「役員の方の名前は、社内的な問題や、個人情報保護法により明かせませんが、 人事方面の役員の方、とだけは申し上げておきます」
と言うだけで、誰の推薦なのか、具体的には教えてくれない。
そこで、
「人事部にも確認したが、そのような推薦は来ていないと言っていた。社員に自費で研修を受けさせるような業務命令は、出していないと言っていた」
と伝え、このような高額な研修は受けられないと、断ろうとした。
すると、担当者は、
「あなたの会社の上層部から推薦を受け、「あなたが適任だ」と指名を受けたから、特別にこの話しをしているんです」
「特別推薦枠ですから、誰にでも推薦を出している訳ではありません。末端の社員が知らなくても当然です」
「これでは、あなたを推薦して下さった役員クラスの方の面目は丸潰れですよ」
「推薦された他の部署の方は、みなさん二つ返事でOKしてくれましたよ?こんなことを言っているのはあなただけです」
「この研修にあなたを推薦して下さった役員クラスの方に、このことを報告しなければならなくなります」
「せっかく与えられたチャンスを、自分で台無しにするなんて、あなたはどうかしてますよ」
「幹部候補用の特別な研修なんですよ?一般社員には内密の研修なんです」
「一般社員から「差別だ」と言われかねない特別な研修だからこそ、推薦を受けた方だけに、こうやって直接連絡を入れているんです」
「どうしても断ると言うのであれば、仕方ありませんが、今後、あなたの社内での立場に問題が生じるかもしれませんよ?」
「本当にそれでいいんですか?」
などと言われた。
いろいろと脅されたことで、
「もし本当に役員クラスから推薦を受けているとすれば、まずいことになるかも知れない」
「役員クラスに睨まれて、リストラ対象にでもなってしまったら大変だ」 と怖くなってしまった。
本当の話しなのかどうか、疑いは残るものの、確認のしようも無く、仕方なく研修を受けることにした。 |
しかし、その後、教材の詰まった大きなダンボール箱が宅配便で届いただけで、研修会や講座開催の案内などは無く、
だんだん、「単に教材を買わされただけではないか?」 と疑念を抱くようになった。
いまさらながら、契約書を確認してみると、「クーリングオフのお知らせ」などが書いてあった。契約書をよく読まずに放置していたため、書いてあることに気がつかなかった。
既に契約から数ヶ月が経過しており、いまさらクーリングオフはできないと思い、結局、あきらめてしまった。 |
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