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繁華街を歩いていたところ、
女性が絵はがきかチケットのようなものを配っていた。
何気なく受取って通り過ぎようとしたところ、女性から呼び止められた。
「無料で絵の展示をしています」「ぜひ見に来て欲しい」と、
なぜか熱心に誘われ、そのまま近くのギャラリー (画廊) に案内された。 |
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繁華街を歩いていたら、
女性から「絵の展示会をやっています」と声をかけられ、
展示会の無料招待券を渡された。
用事があったのでその場を一旦立ち去り、
少し時間が経ってから、展示会に興味を持って
自分の方から展示会場に行ってみた。 |
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絵を鑑賞する程度の、軽い気持ちでギャラリーに入り、
絵を見ていたが、しばらくすると担当者から
「気に入った絵はありますか?」と聞かれた。
「無い」と答えるのは失礼なので、
適当に「この絵なんかいいですね」と答えると、
「この絵を選ぶなんてすごい!」
「絵にお詳しいんですか?」
「一目でこの絵の良さを見抜くなんて、素晴らしい感性をお持ちですね」
「お客様、ただ者ではありませんね」
「実は、この絵の作家の○○先生から、
「この絵の魅力を理解できる人にだけ譲って欲しい」
と言われているんです」
「お客様なら、○○先生の理想どおりです」
「この絵の良さを理解してくれる方に、ぜひこの絵を持っていただきたい」
「絵は、知識やお金ではなく、感性で選ぶものです」
「世の中には、縁とか、運命とか、あると思うんです」
「今日お客様がこの絵と巡り合ったのも、
もしかすると偶然ではないのかもしれません」
などと、絵を見るだけのはずが、
いつの間にか、絵の勧誘の話になってしまった。 |
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担当者は、
「ここで立ち話もなんですから、奥の席にご案内します」
「この作品について、詳しく説明させていただきます」
「お客様のために、この作品は展示から外しておきますね」
などと言いはじめた。
展示場所から絵が外され、イーゼルに移された。
イーゼルに移された絵を前にして、担当者は絵と作家の説明を始めた。 |
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「想像してみて下さい。お客様が仕事を終えて家に帰ると、
毎日この絵がお客様を迎えてくれるんです」
「絵のある生活って、心が豊かになりますよね?」
「確かに、この作品は安くはありません。でも、だからこそ、
価値のあるものですよ」
「世の中には、縁とか、運命とか、あると思うんです」
「この絵は、シルクスクリーンといって、限られた枚数しか、
この世の中には存在しないんです」
「ここに100分の52と書いてありますよね」
「これは、世の中に100枚しかない絵の、52番目の絵、という意味なんです」
「○○先生は 「原画しか売りたくない」 と仰っていたのですが、
弊社の社長が○○先生に特別にお願いして、
100枚だけ、シルクスクリーンを作ることを許可してもらったんです」
「ただ、その際の条件として、
・誰にでも売ってよい訳ではない、
・この作品の良さを理解できる人にだけ買ってもらいたい
という、○○先生の希望が付けられているんです」
「一目見て、この作品の良さを理解したお客様に、
ぜひこの作品をお譲りしたいので」
「世の中には、美術館や絵画コレクター、画商がたくさんいます」
「100枚のうちの多くは、そういった人たちが買っていきますので、
一般に出回る作品には限りがあるんです」
「ですから、この作品を買う機会は、今日だけかもしれません」
「一週間後、この作品がもうここに無いかもしれません」
「世の中に100枚しか存在しない貴重なものですから、
もしかすると、次に来た時には、値上がりしているかもしれません」
「縁とか、運命とか、あると思うんです」
「この1枚は、偶然ここにあるのではなく、縁とか、運命だと思うんです」 |
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担当者からは、数時間にわたり勧誘を受けてしまった。
絵は数十万円と高額であり、勧誘を断り続けていたところ、担当者が、
「値段を下げられないか、お客様のために上司と交渉してみますね」
と言って、席を立った。
数分後、担当者が戻ってきて、
「お客様、おめでとうございます」
「本社に電話したところ、たまたま社長が電話に出てくれたんです」
「そこで、社長にお客様の話しをしたところ、
「この作品の良さを一瞬で見抜くなんてすごい、
この作品は価値の理解できる方に
大切にしていただきたい、と値引きを快諾してくれました」
と値引きを了承してくれました」
「ただ、「値引きのことが知られると、同業者が
転売目的でこっそり買い付けに来るかもしれないので、
値引きしたことは絶対に他言しないで欲しい」 とのことでした」
「お客様がこの機会を逃して後悔することのないよう、
ぜひ今日決めて下さい」
「支払は、月々の分割払いにすることもできます」
などと説得を受けてしまった。
何度断っても、すぐに切り返しトークを受けてしまい、
断る理由を認めてもらえない。勧誘は数時間続いてしまい、
契約をしないと帰れない雰囲気になってしまった。
結局、断り切れなくなり、仕方なく契約することとなってしまった。 |
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