少し前に、キャッチセールスで絵画を購入してしまったが、クーリングオフをしないまま8日間が経過してしまった。
契約後、しばらく経ってから、会報のようなものが届くようになった。
自分が購入した絵の作家が来日するらしく、個展の案内も郵送されて来たが、特に興味も無かったので、そのままにしていた。 |
個展開催の案内が届いてから数日経って、久しぶりに契約担当者の女性から電話が来た。
「個展開催の案内は届きましたか?来週、画家の先生が来日するんです」「それに合わせて先生の個展が開催されますので、遊びに来て下さい」
「先生と直接会えるチャンスです。もしかすると、サインをもらえるかも」「私も○○さんと会ってお話しがしたいですし、ぜひ遊びに来て下さい」
などと、展示会に遊びに来るよう誘われた。
「既に、高額な絵を購入しているのだから、いまさら勧誘を受けることも無いだろう」と軽く考え、展示会に遊びに行くことにした。 |
当日、展示会場に入ると、担当者が迎えてくれ、いろいろと説明をしながら、会場を案内してくれた。
しばらくすると、絵の展示場所から少し離れたところに案内され、
「何か気になった作品はありましたか?○○さんは、先生の作品の価値が判る、特別な理解者ですので、特別に、先生の原画を用意しました」
「原画は本来、美術館やコレクター、富裕層の方が購入する物です。当然、一般の方が購入できる機会は、ほとんどありません」
「しかし、○○さんは先生の特別な理解者ですので、当社の社長から、特別に販売の許可がおりました」
「原画というのは、シルクスクリーンとは異なり、世界にたった1枚しかありません。普通は美術館などでしか鑑賞することはできません。コレクターの収蔵品ともなれば、美術館への貸し出しでもない限り、一般の方の目に触れる機会はありません」
「原画の所有者は、画集にオーナーとして名前が載ったり、美術館から貸出要請が来るなど、先生の特別な理解者として、世界中に名前を知られることとなります」
「後世、先生の評価が高まれば、原画の希少性も当然高まります。希少性という意味では、ある意味、資産のようなものかもしれません」
「社長からも、「○○さんのような特別な理解者に原画をお譲りしなさい。先生もきっとお喜びになる。他の人には売らないように」と言われています」
などと、原画を購入するよう勧誘が始まった。 |
先日購入したシルクスクリーンは、100枚作られた石版画の1枚なので、金額も数十万円で済んだが、
今回は原画であり、軽く100万円を超える金額だった。そんな高額な絵は買えない、必要ないと、繰り返し断ろうとしたが、
「原画には希少性があります。将来を考えれば無理をしてでも購入するべきです」
「原画を購入できるチャンスは二度とないかも知れません。先生のファンとして、こんな幸せなことはありません。予算的に厳しいのであれば、値引きできないか社長と交渉してみます」
などと、今回もしつこく勧誘が続いた。
結局、前回と同様に、契約しないといつまでも帰れない状況となり、仕方なく契約することになってしまった。 |