投資マンションの契約をした後、やはり解約しようと思い、自分でクーリングオフの内容証明郵便を出した。
不動産会社にクーリングオフの通知書が配達されると、すぐに担当者から電話が来た。自分としては、「内容証明郵便を送れば、あとは無視すればよい」と思っていたので、居留守を使い、電話に出ないようにしていた。 |
しかし、その後も担当者から何度も電話が来た。
自宅の電話や、自分の携帯だけでなく、職場の電話にも頻繁に電話が来た。
最初のうちは、職場の同僚に頼んで居留守を使っていたが、そのうち、偽名を使って電話を掛けてきたり、
受付の女性に「居留守を使っているんだろう」と文句をつけ始め、しまいには電話対応した職場の同僚にもからみ始めた。
上司から「早く何とかしろ」と叱責され、同僚からも嫌そうな態度をとられるようになった。これ以上、職場に迷惑をかけることができなくなり、仕方なく、自分で電話に対応することにした。 |
電話に出ると、担当者からは、
「なぜ居留守を使っていたんですか?不誠実じゃないですか!」「社会人としておかしいでしょう?」
なとと、散々になじられてしまった。そして、
「内容証明郵便が届きましたが、これは何のつもりですか?こんな紙切れを一方的に送り付けただけで、この件が終わりになる訳ないでしょう」
「こちらが心配して、何度も連絡をしてあげたのに、居留守を使って、人を馬鹿にしたような態度を取り続けて」
「何か大きな勘違いをしてるようですね」
「これは数千万円もの契約の話しなんです。この契約はもう動き出しているんです。銀行にも既に話しは通してあるんです。関係先にも動いてもらっているんです」
「あなたのために動いてくれている各関係先に、どう説明するつもりなんですか?こんな紙切れ一枚送り付けて、関係先に謝りもせず、説明もせず、このまま逃げるつもりだったんですか?」
「あなたのために、もう物件も押さえてあるんです。もう契約は動き出しているんです。今さら一方的に解約はできません」
「とにかく、直接お会いして、きちんと話しをしましょう。今夜そちらに伺いますから、事情を説明して下さい」
「会えないと言うなら、明日勤務先に伺います。あなたの上司も交えて話をしましょう。あなたの上司の名前を教えて下さい。あなたの不誠実な態度についても報告させていただきます」
「正式な契約である以上、一方的にどうこうできる話しではありません。既に銀行からもローンの内定をもらっています。銀行に対する当社の信用が損なわれますので、その責任についても、話し合わないといけません」
「当社でも物件の引渡しの準備が完了しているんです。どうしても解約するということであれば、損害賠償の話になってしまいます」
「契約書にも、違約金は物件価格の20%と書かれていますよね?物件価格2200万円の20%ですから、違約金は440万円となります。それでもいいんですか?」
「きちんとした理由があれば、一応考慮はしますが、正当な理由もなく解約を申し出ているのであれば、当社としても納得がいきません。当社には顧問弁護士もいます。ことと次第によっては、裁判になるかもしれません」
「とにかく、直接会って話しをする必要があります。会いもせずに、解約することはできません」
「話し合いを行った結果、もし解約することになったとしても、違約金の問題など、いろいろと手続きが必要になります。このまま会わずにいると、あなたの立場がますます不利になるだけですよ?」
などと言われてしまった。
直接会うことは避けたかったが、担当者が勤務先に押しかけて来ても困る。仕方なく、担当者と会って、直接話しをすることになってしまった。 |