投資マンションの契約をしたものの、やはり解約しようと考え、自分でクーリングオフの内容証明郵便を出した。
不動産会社に内容証明郵便が配達されると、すぐに担当者から電話が来た。自分としては、「内容証明郵便を送れば、あとは無視すればよい」と思っていたので、電話には出ないでいた。 |
その日の夜、仕事から帰り、自宅にいたところ、夜遅い時間にも関らず、突然の訪問者があった。
インターホンに出てみると、不動産会社の契約担当者だった。内容証明郵便が届いたことを受けて、直接自宅に押しかけて来たようだ。
幸い、オートロックのマンションに住んでいたので、インターホン越しの対応で断ろうとしたが、担当者はしつこく粘り、いつまでも帰ってくれない。 |
しばらくすると、オートロックをすり抜けたらしく、自分の部屋のドアの前にやってきた。部屋にいることは既に知られているため、担当者は何度もチャイムを鳴らし続けた。
それでも無視し続けていると、今度はドアを蹴ったり、大声でドアを開けるよう怒鳴り始めた。 |
近所迷惑になるので、仕方なくドアを開けたところ、担当者は自宅に上がりこみ、今までの対応を怒り始めた。
「書類が届いたので、驚いて駆けつけて来てみれば、何ですかこの対応は?」
「心配して何度も電話をしたのに、ずっと居留守を使っていましたよね?人としておかしいでしょう。それでも社会人ですか?」
「いきなり書類を送り付けて、何のつもりですか?こんな書類が存在すること自体、当社の信用に関ります。今すぐ撤回して下さい」
「こんなものを送り付ける前に、私に相談してもらえれば、もっと穏便に解決することもできたんですよ?こちらとしても、今後の対応を考える必要がありますね」
「これは数千万円もの契約の話なんです。こんな紙切れを一方的に送り付けて、それで終わる話しではありません」
「宅地建物取引士の方からも、重要事項について、詳しく説明を受けましたよね?詳細な説明を受けて、納得した上で、あなた自身の意思で契約をしたんですよね?」
「他のお客様からの申し込みを全て断って、あなたのために物件も確保してあるんです」
「関係先にも、既に動いてもらっているんです。当社の信用に基づいて、銀行にも話しを通してあるんです」
「既に銀行からローンの内定も貰っていますから、これでは当社の信用問題となります。銀行に対する当社の信用が損なわれますので、ことと次第によっては、裁判になるかもしれません」
「もう契約は動き出しているんです。あなた一人の問題ではないんです。今さら理由も無く一方的に解約することはできません」
「クーリングオフは書面を出せば一方的に成立する?何を言っているんですか?いま、そういう話しをしているんじゃないでしょう。話しを逸らさないで下さい」
「あなたの不誠実な対応について、どう責任をとってくれるのか、関係先にどう謝罪するのか、人としてどう責任を取るのか、そういう話しをしているんでしょう」
「正式な契約である以上、あなた一人の勝手な都合で、いまさらどうこうできる話しではありません。どうしても解約するということであれば、当然、営業妨害、損害賠償の話になります」
「契約書にも、違約金は売買代金の20%と書いてありますよね?物件価格2200万円の20%ですから、違約金は440万円です」
「どうしても解約したいということであれば、違約金として440万円を支払ってもらいます。それでもいいんですか?」
「納得できる理由があれば、こちらとしても一応考慮はしますが、正当な理由もなく解約を申し出ているのであれば、当社としても考えがあります」
などと、担当者から責められてしまった。 |
何とか断ろうとしたものの、自宅で担当者と2人きりの状態が続き、担当者の迫力におされてしまった。
「違約金を請求する」「裁判になる」という担当者の説明に怖さを感じ、結局、契約をそのまま継続することに同意させられてしまった。
担当者に促され、契約書を書き直すことになってしまった。 |