ある日、職場に突然自分宛の電話があった。
「○○さんは、以前、資格講座を受講されましたが、その後、講習会に参加されていないようですね」
「確認しましたが、まだ資格試験にも合格されていないようですね」
「○○さんは、財団法人の助成金を受けているんですよ?助成金を受けての人材育成支援事業なのですから、資格試験に合格していただくまで、受講を継続する必要があります」
「財団法人が主催した講習会にも無断欠席が続いているそうですね」
「講習会には運営費がかかることはご存知ですね?講習会には、会場費や資料代がかかるんです。○○さんは無断欠席を続けているため、その費用が滞納の状態になっています」
「毎回、○○さんの為に、毎回座席と資料を確保してあるんですよ?精算が必要な参加費用は、4年分で、既に80万円近くになっています」
「財団でも、助成対象の受講者が無断で欠席を続けていて、しかも、費用の不払いが続いていることを、問題視しています」
「しかし、財団としても、そもそも人材育成が目的の事業ですので、勉強を続ける意思をはっきりと示していただければ、救済措置を適用してもよいと言っています」
「新しい教材を買い直して頂いて、自宅で学習を継続することにより、救済措置を適用して、滞納分の80万円は免除してもよい、とのことです」
「救済措置が適用されれば、新しい教材費用は40万円で済みます」
「ただ、これは、資格を取得する意欲のある方のみに適用される特別な救済措置ですからね。その点は注意して下さい」
「もし財団から「資格をとる意思がありますか?」と聞かれた場合は、「意欲があります」とはっきり答えて下さいね」
などといわれてしまった。
講習会や参加費用のことなど、全く知らなかったが、80万円を請求され、動揺してしまい、つい、「40万円で済むなら、80万円の滞納費用を払うよりマシかも」と思ってしまい、仕方なく、教材を買い直すことに同意してしまった。 |