語り合い、つながり、助け合う

新宿区後援・8月新宿フレンズ講演会
新宿フレンズ8月定例会参加者全員

今月は全文紹介しています

会長 今日は年に1度の拡大家族交流会です。「治療や薬について」「リハビリ・デイケア・作業所・就労」「自立・年金・生保・お金の使い方・グループホーム」「当事者と一緒に考える」の4つのグループに分かれて、各グループの話し合いをします。

【治療や薬について】

役員1(母親)治療のグループです。話し合いの内容は色々で、今とてもつらい状態の方もいらっしゃいました。また、正確な情報が少ないところから心配が起きていることも多いようで、主治医だけでなく薬剤師や社会医療相談室、この家族会などを利用して良い情報を得たり、SST(Social Skills Training:社会生活技能訓練)で対応を学んだりされたら良いと思いました。皆さんにお話し頂きます。

A(父親)息子は40代。統合失調症を発症して3年余、引きこもりの状態です。昨年、障害者手帳1級を貰ったら怒りました。障害年金の申請もと思ったところ、「9月になったら仕事に行く」と言いますが、たぶん無理だろうから、私が長生きして何とか年金で暮らせたらと思っています。

役員1 きちんと朝は起きて夜には寝ていらっしゃるそうで、前に進みやすいと思います。「仕事をしても障害年金を貰える」と、息子さんに話してみてください。

B(叔母)40代の姪が20代から引きこもりです。複雑な事情があって姪は祖母に育てられました。祖母の死後は近くに住んで障害年金と生活保護を受けていますが、母親替わりの愛情を求め、自分の家はここだと言って時々来ては、暴言暴力もあります。命に関わるような暴力がある場合は警察と連携を取ってという話もありましたが、自分ができることがあったらして、穏やかにいけたらと思います。

C(叔母・Bの姉妹)受け答えに悩んでいますので、 教えて頂いた家族SST の講習を受けてみようと思います。

D(母親)子供はてんかんを発症してから長いのですが、最近10年はアルバイトを続けています。帰宅後は寝てばかりいるのですが、薬が少しずつ減れば大丈夫じゃないかということです。ただ、友達がいないのが心配です。

E(母親)子供は30代、統合失調症で現在入院しています。入院して1年近くで退院できる状態になり、グループホームの見学に行っている段階です。
 この間1年近く飲んでいる睡眠剤を調べて不安が強かったのですが今日、相談して安心しました。それからオランザピン(ジプレキサ)で太るのは当たり前という感覚でしたが、保健所の家族会に太り過ぎて糖尿になったという人がいて相談しても「運動すれば」というお答で、入院中は運動もできないから仕方がないかと思っていましたが、それに代わる薬もあるそうで、その辺を入院中の先生にも相談という形で持ちかけてみたいなと思いました。

役員1 ジプレキサと同じMARTA(多元受容体標的化抗精神病薬)の仲間でシクレストが太る副作用が出にくいと聞いています。でもEさんはオランザピンにリスペリドンを併用し始めたそうで、主治医が太り過ぎを心配して、リスペリドンに変える途上なのかも知れません。

睡眠薬はベンゾジアゼピン系の習慣性や離脱症状を心配していらしたようですが、突然止めずに、医師と相談して徐々に減らしていく方が良いのです。退院されたら、フレンズのホームページの講演会録の6月「今日から役立つ快眠法」や、厚労省の「睡眠12か条」などを参考にして睡眠薬が無くても眠れるようになっていくと良いと思います。

F(姉)妹が、皮膚が荒れて高校へ行けなくなって10年経ちます。皮膚はきれいになったにも関わらず、化粧のノリが悪いと何回も何時間も塗り直し、それで外出の時間に遅れて行けなくなると、幼稚園児のように床に寝転がってバタバタ暴れまわることが続いています。病名も障害名もついていませんが、どう対処すれば良いのか分かりません。親が可哀想で何とかしたいと思い参加しました。SSTに参加して彼女のことを見直せたらと思います。

G(母親)息子が4月に発症したばかりで、知り合いがフレンズに連れてきてくれました。まだ病名も分からないし、怒りを自分に向けているので、どうしていいのか全く分かりません。今後もフレンズで、こんな風にしたら…と教えていただけたらと思います。

【リハビリ・デイケア・作業所・就労】

役員2(父親)このグループでは別居しているかどうかが一番の関心の的で、約50%が別居でした。私は別居こそ親亡き後の解決の道ではないか、早期に取り組んだ方が良いという提案をしていたところです。

H(父親)40代の娘が統合失調症です。しかし別居させられるような状態ではなく、難しいだろうという親の思いが先に立ちます。せめて作業所やグループホームに入って、同じ境遇の仲間同士で話し合ううちに病識を少しでも持ってくれたら、何かチャンスはないかと手探りで暗中模索の状態です。

I(母親)主人(H)と同感です。わが家は自営業なので、娘に作業の居場所があるのはありがたいと思っていました。でも月日が流れて、それが甘えに繋がっているのではないかとも思います。週に2、3時間でも家から離れて作業所などに通えれば…が親としての願いで、主治医にも本人にも、訪問看護のスタッフにも時間がかかっても良いから導いてほしいと伝えてあります。それがまずは第1の目標です。

役員2 別居はまだ無理とのお話がありましたが、今すぐの別居が全てではなく、回復への途中のプロセスがあり、いずれという目標を持ってください。

J(母親)本人は、睡眠薬を飲んでいますが上手く眠れないと、夜1時2時にご飯を食べて寝ています。フレンズで睡眠についての講演で紹介された「睡眠総合ケアクリニック」(渋谷区代々木八幡)には、まだ行っていません。
 私があと何年生きられるか分かりませんが10年後には、子供は自然に1人暮らしになるだろうと思います。自分が死ぬ前に子供が1人で生活しているのを確かめたいと思いながら、私1人になると寂しいなとも思います。日本の医療や福祉は、親がいるうちは親が何とか頑張ってやるだろう、親がいなくなったら初めて本気になると聞いています。子供は「お母さんは、親がいなくなっても何とか生きていきなよと言うけど、みんな親がいなくなっても何とかやってるよ」というので信じています。

K(父親)30代の娘が6月から3回目の入院をしています。最初の入院ではしばらく薬を飲んでいたのですが、その後服薬を一切拒否、障害年金や障害者手帳も拒否していました。今回入院して本人も諦めたというか、状況がつかめてきたのか、手帳も年金も申請して承諾が取れました。
 本人が自覚しているうちにスタートさせようと、B型作業所など調べています。傍から見ていると何を考えているのか分からないけれども、本人が一番仕事をしたい、世の中に出たいのではないか。しかし、きっかけがつかめないので、親が何とかきっかけがつかめるように促すことを、残された人生で可能な限りやろうと考えています。

L(母親)娘は30代前半で双極性障害です。今、娘は働きたいと言い、障害者手帳を自分で取りに行って、作業所のことも市役所で聞いてきました。でも寝ていた期間が長かったので、作業所を見に行ったら人と対応する自信をなくしてしまい、今は外に出る練習をすると言って犬を飼い始めました。

M(母親)長男も次男も双極性障害?型で、30代前半です。この春から思いがけなく長男がグループホームに入れました。長男は複雑性PTSDも抱えていて、中2から不登校が始まりました。腫物を触るような10年で、ずっと次男が支えていましたが、その後、次男が病気になって、ここ数年は次男中心の生活になりました。
 長男は20代の終わりごろに調布のB型作業所で世話になり、ずいぶん安定しました。通信制の大学にも入学して、ようやく卒業の目途が立ちました。その長男が思いがけずグループホームに入れたのは、次男の発症で兄弟が一緒に暮らせない状況になったからです。近いので家に帰って来てはご飯を食べたりしていますが、支援も広がり、これほど親の負担が軽くなるとは思ってもいませんでした。
 A型事業所で2年前から働いている次男も長男に倣って、チャンスがあればやはり親が元気なうちに1人暮らしの経験ができると良いと思っています。

N(母親)発症の診断が下ったのは去年の10月ですが、その前から会社で何かおかしいということがあったらしいです。
 「自分は病気じゃない」と薬を止めていましたが、辛いことがあって自覚ができたのか、自分から薬をもらいに行って1、2週間ぐらい経ち、薬を飲んだり飲まなかったりしています。最近はずっと家にいるので寂しいようです。
 本来、会社で発症したので傷病手当金や雇用保険など諸々手続きが取れて、自分のお金になるのですが、本人は働きたいと自分で勝手にアルバイトを決めてきました。傷病手当金や失業手当は貰えなくなることは全然わかってないのです。お金の事だけを考えれば損ですけれど、社会と繋がっていたい気持ちは回復の一環、喜ばしいことと納得しようと思っているところです。

O(母親)息子は今40代です。学校を出てから就職もできず25歳でクリニックにかかり、3か月くらい入院した後、自殺未遂したり交通事故を起こしたりしました。その後、B型作業所に20年近く通い、アルバイトも10年以上になりました。他の方々のように1人立ちできたらいいなと考えています。

P(母親)娘は40代後半になりました。10年前にドクターが変わった時、カルテを見た先生に「もうすぐ40歳ではないか。何故いつまでも親と同居させているんだ」と言われ、主人も呼ばれました。私たち親は、こんな状態の悪い子が1人で暮らしていけるはずがない。どんな迷惑を周りにかけてしまうことかと本当に怖かったのですが、グループホームを1年半で卒業できてアパートに入居、そのアパートに現在も暮らし、作業所でも働いています。
 何よりも娘と物理的にも精神的にも距離が取れて、親は良い意味で客観的になれました。デイケア、作業所、グループホーム、アパートというルートは、とても大切だと思います。今は、障害年金と作業所のお金だけでは足りない分をどうしようか、親として残された人生を、あと何が出来るんだろうと模索している状態です。

お金のこと・グループホーム】

役員3(母親)最近、京都アニメーション事件、練馬の事件、引きこもり問題などテレビで報じられまして、8050問題も含めていろいろ話しました。
 親はお金や体力、自分の生活にも大変になる時がきます。親亡き後を考えるなら、子供と同居の方は家庭内の仕事でやれそうなことを任せてみる、社会資源に繋げて、決まった時間に外出する習慣をつけさせる、生活のリズムを整えていくなど、今からでも話し合って出来ることはあります。
 
親の意識をちょっと変えるだけでも、いつか今より前進すると思います。有料や公的な第三者に介入してもらう方法もあるし、世帯分離や生活保護のことなども話しました。
 
子供は病状が良くならないときなど、イライラをお母さんにぶつけたりします。暴力を受け入れることはダメですが、子供との会話の見直しでSSTを学ぶのもいいと提案しました。
 
当事者の借金問題の家庭がありましたので、子供の借金を親が返済してしまうと、また同じ繰り返しになるケースがあるので、「自分の借金は自分で返済する」ことで金銭感覚を学ばせ、いつか1人暮らしをさせることがいいのではないかと話しました。

Q(母親)私は6月からこちらの会に参加しています。皆さんから参考になる意見を聞けるので毎月参加して、講演録も頂き、それがまさに子供が統合失調症なのか発達障害の二次障害なのか、ずっと悩んでいた課題に関してすっきりと良くまとめられている内容を見て、「これだ、これだ」と何回も繰り返し読みました。 
 小さい子供の頃からの成長過程を見ないと診断は難しいようで、長男と末娘について親からは「発達障害ではないのか」と医師に言っているのですが、一度、統合失調症と思われてしまうと、なかなか先生の見方が変わらないのが現実です。
 末娘は先生たちから見ても「病気と分からない」というくらい軽いので、今は学生で就活もオープンで期限付きですが採用が決まりました。
 2人とも酷い時は、暴力はないですが統合失調症的な症状もままあります。でも本人たちは、幻聴幻視はないと言うので、何かそこは違うという感じです。発達障害はやっとこの10年ぐらい研究が進んだ分野のようですので、母親として今できることは、子どもたちからの小さい頃からの成育歴を、本人たちのいう言葉に耳を傾けながら記録しておこうと思っています。

R(母親)息子がパニック障害で、かつては薬が多く、リストカットもやって毎日のように救急車を呼ぶなど大変な時期を過ごしました。今は歴史物を書いてアマゾンのキンドルで電子ブックとして発行しています。今までに2冊書き、あと1冊今年中に書いて、それが終わったら売れるような小説を書くと言っています。長年地獄を見ましたので、今はとても幸せな感じです。

S(姪)69歳のおじが統合失調症で入院していて、適切な医療もされていないような病院にいることが2か月ほど前に判明しました。今後どうしていいか全くわからないので、色々学びたいと思っております。

T(母親)2回目の参加です。息子は40代で双極性障害?型、ちょっと気分が上がると大変激しくて、下がると沈み込む症状で、今から思うと17歳頃に症状が出ていたと思います。若い頃は親も若かったので対応できましたが、色んな事があり大変でした。
 息子は普通の状態だと頭も普通に回るので、作業所などへ行っても「つまらない」と全然行きません。近くの国立精神神経医療研究センターに転院し、主治医がリハビリの専門家で、「地域とのつながりが全然ないのでと悩んでいます」と色々相談しましたら、訪問看護を勧めてくれて、親が言わなくても第三者が入ってくれて助かっています。
 一番の我が家の問題は、親亡き後をどうするかです。1人暮らしを訪問看護の方から勧めてもらうのが良いと伺いました。

U(父親)初めて参加しました。40代初めの娘が、強迫神経症とそれに伴ううつ症状がありまして、対人関係が全くダメでうまくいかない。親と3人の狭い人間関係の中で暮らしているので、葛藤や確執もあります。
 以前に就職をして上手くいかなかったのですが、やる気はあって例えば何かサークルなどに出て行こうという気持ちも、就職したいと色々と勉強もしています。ただ親から見て、人との関わり方がうまくいかないと難しいと不安を感じております。今日は皆さんの話を聞き大変参考になりました。

V(母親)20代前半の息子は中学の時に統合失調症を発症しました。現在は病院の先生とケースワーカーと訪問看護と連携を取って頂いているのですが、PTSD の症状がかなりひどくて、毎日朝から晩まで自分が発症した時のことを昨日のことのように話しています。発症の原因が中学の部活動の顧問の先生に虐待され、息子と同学の生徒2人も学校を辞めて不登校になっています。
 息子は「自分はこんな人生を歩むはずではなかった」と恨みを家にいても診察中もその話ばかりしています。ケースワーカーは「親の期待に添うために我慢して生きてきたから自分がやりたいことが見つかるまで、親はその恨みつらみをひたすら聞いて吐き出させないと次に進めない」と言います。でも私と主治医の意見は違います。
 テレビで「学校の部活動の顧問は教師がやるべきではない、生徒のSOSも学校では受け取ってもらえず隠される、外部にSOSの窓口を作ったらどうか」と放映していて、息子はテレビに出ていた人の会に出席して、大学で教師を目指す学生たちに「自分はこういう目にあった。改善すべき点がたくさんある」とひたすら話をしたそうです。自分の苦しんでいることを世の中に発信して役に立ちたいと言っています。デイケアや作業所には本人は行かないような気がするのですけども、何かしら前に進めたいと思っています。
 家の中にずっといるので、酒とタバコをひたすら飲んで吸って部屋はゴミ屋敷のようになっています。吐くので部屋中臭くて、先生に言ったら「掃除を手伝うのは良くないから、放っておきなさい」と言われ、ドロドロの状態になってしまいました。あまりにも酷いので、デッキブラシで掃除したところ「やめろ、自分でやる」と言い、壁に怒りをぶつけて穴をあけ、私に「出ていけ」と言いました。
 近所の人とは仲良く話すので、「どうして仕事しないんだ」みたいな感じで見られている状態です。さきほどグループホームの話があり、この会では前向きの話を聞けるので、今後何とか外に出したい、息子の行く先を学んでいきたいと思っています。

【当事者と一緒に考える】

役員4(父親)人数が少なかったため、いつもの昼の会より1人1人の時間はじっくり取ることができました。

W(母親)この数日間、困ることが起きまして、当事者の方のご意見を伺いたくて参加しました。
 20代後半の息子で、10代から具合が悪かったのですが、1年前に転院して「統合失調症かもしれない」と医師に言われましたが本人には伝えませんでした。何度も私に暴力があり、この春先に先生から本人に「統合失調症だから絶対に薬を飲まなければいけない」と言われ、13年くらい睡眠薬以外は飲まないと言い切っていたのを、薬を飲み始めました。飲んで1、2か月で別人のように大人しくなり、口もきけなくなって寝たきりの状態、すごく食べるようにもなって、大嫌いだったパンばかり食べるなど好みも変わりました。
 障害者雇用で働き始めていましたが、1年前にちょっとした言葉にショックを受けて辞めました。この1年家にいるうちに人と喋れなくなったり、面接に行くのも怖くなってしまい、この数か月間は寝たきりの状態です。でも一番したいことは、「早く仕事をしたい」で、父親に「仕事しないで何しているのか」と思われるのが一番嫌なのです。
 10日ほど前から「寂しい」と言うので私はなるべく土日は家にいますが、「仕事を辞めて家にいてほしい」と言い、生活があるので悩んでいました。そして数日前に夜中に何度も何度も起こされ、首を絞めるような行為をされて寝かせてくれません。それが3日続いて心臓の動悸が止まらなくなって息子の主治医に相談に行きました。クリニックは入院ができないので「まず警察の安全課に相談しておき、もし何かが起きたら警察に駆け込みなさい」と言われました。
 次の夜、首を絞められて「あと1時間後には包丁持って来る」と言われ、隙を見て警察まで走って逃げました。子供はパトカーで連れて来られて、入院のために何時間も病院に電話してくれたのですが、「今この電話で同意したら強制入院で、鉄格子のある便器しかないような部屋に入れます。良いですね」と言われ、考える余地もなく、そんな所に入れたら取り返しがつかなくなると思って「入院は止めます」と言ってしまいました。警察の人には「では何で警察に来たんだ。強制入院のために来たんじゃないか」とかすごく怒られました。
 でも家に帰ってこの一週間、「なんで警察を呼んだのか」とキレて夜中に来たり、とにかく怖くて毎日無事に夜を過ごせるか、何かがあったらいつでも出られるようにして、会社から帰ったらずっと子供に向き合ってきました。  
 警察を出る時は「絶対に入院しなくてはいけないから」と警官に言われたのですが、「俺は入院しない」と今日も言っていて、どうすべきかすごく悩んでいます。今は少し気持ちが安定してきてパチンコに出かけたので、私はフレンズに来ることができました。

X(当事者女性) 私は小児がんを患って大手術を2回経験しています。2回目がちょうど30歳前で義足をつけた後、免疫抑制など不安が強く、仕事はしていますが適応障害やうつ、不安症でここ3年に3、4回も入院しています。
 自分は何とか体調が良くなっていますが実家暮らしで、父がうつで自営の床屋のお客との会話を度々私に振られ、当事者でありながら支える側に回っていることにわだかまりがあります。
 仕事はあまり疲れることは避け、治療やリハビリで週3回のスケジュールに決めているのですが、両親から週5日のフルタイムを要求され「できない」と言っても「皆やっているから」と言われます。今回初めて参加して模索の状態ですが、今までの体験をもとに色々やって行きたいと思います。

Y(従妹)叔母(B)と母親(C)と3人で初めて参加しました。当事者は私の従姉にあたる40代の女性です。恵まれない家庭環境だったので、幼い頃から我が家で一緒に暮らしてお姉ちゃんって呼ぶ関係でしたが、今は統合失調症で一切病識がありません。体調が悪いと市内の病院に通っているものの、自分の耳障りの良い話をする医師を転々としており、薬にも抵抗があって飲まない状況が何十年も続いています。
 家族だけで抱えるにはあまりにも苦しく、去年、市議会議員に相談をし、役所の援護課に連絡して下さり、同時に警察の相談窓口に行って自傷や暴力や暴言の際に理解して駆けつけてくれる状態を作って味方にしておくのが大事とアドバイスを受け、連携がスタートしました。
 去年の11月に、本人が「叔母が私の前から居なくなってほしい」と私にメールをしてきて、これは命の危険も…という思いで警察に相談したら動いてくれたのですが、逆効果というか警官には「分かりました」と納得したような話をした後、私たち家族には「裏でコソコソ動いて、私は絶対許さない」と。なんとか取り繕いましたが、まずは統合失調症の彼女の気持ち、計り知れない苦しさや辛さを家族が理解していくことから始まるのではないかと思って、今回、3人で参加しました。
 「10年単位で考えないといけない」と教えていただき、先は長いと思いますが、まずはこちらが理解して安心してもらえる関係を築いていきたいと思い、家族だけで悩まないこと、多くの味方を作っていくことが大事だと改めて認識し、貴重な経験となりました。

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役員3 どれもすぐ解決できる問題ではないのですが、新宿フレンズは第2土曜日の午後1時から2時までグループミーティングを行い、2時から4時半まで精神科医や医療・福祉関係者の講師のお話を伺って、質問用紙に書いた質問に先生がお答え下さいます。その後、4時半から6時までお茶会を無料で致します。いったん解散し、近くの店で夕食会もしています。
 専門家の講演だけでなく、その前後もとても貴重な時間で、今日のお茶会でも、医療保険にどうやって入れたか、共済が安いとか家族全員の条件で入れて貰えたとか、障害者の申請をすれば携帯・スマホ料金の割引があることなど、家族会員同士の体験談がとても参考になっていました。また、役員は朝10時から(早いメンバーは9時から)会報の発送業務をやっており、その時に働きながらですが個人面談も楽しいおしゃべりもできます。
 また第4水曜は「夜の会」が6時半から9時過ぎまであり、やはりその後、近くの店で夕食会もしています。また遠い方は毎月の講演会や質疑応答を詳しく掲載した「フレンズ会報」が送られてくる「購読会員」制度も、メールで常時相談ができる「メーリングリスト」もあります。長くかかって本人も家族も辛い病気ですが、希望を持ってより良く暮らすために、ぜひ家族会で学び合いましょう。今日はありがとうございました。

                                     ~了~

平成17年4月からの新宿家族会ホームページ「勉強会」の表示形式について

 新宿家族会では4月から「勉強会」ホームページの表示について、概略掲載とすることになりました。そして、「フレンズ」(新宿家族会会報紙)ではいままで同様、あるいはより内容を充実させて発行することにしました。これまで同様に勉強会抄録をお読みくださる方は、賛助会員になっていただけますと「フレンズ」紙面版が送られますので、そちらでお読みできます。
どうぞ、この機会に是非賛助会員になっていただけますよう、お願い申し上げます。

賛助会員になる方法    

新宿家族会へのお誘い 
 新宿家族会では毎月第2土曜日、12時半から新宿区立障害者福祉センターに集まって、お互いの情報交換や、外部からの情報交換を行い、2時からは勉強会で講師の先生をお招きして家族が精神障害の医学的知識や社会福祉制度を学び、患者さんの将来に向けて学習しています。
入会方法 

編集後記

 台風十五号が過ぎ去って行った。停電戸数470、800戸。水が出ない、携帯が繋がらない、暑さから熱中症患者続出、関東に多くの被害を与えて、足早に遠ざかった。最近の台風は極端な大雨、60m超えという猛烈な風を持って襲ってくるようだ。海の水温が1度上がったからだという。1・5度上がったら被害はより大きくなると科学者はいう。0・5度で被害増大する。我々はどうすれば良いのか。

 さてさて、今年も拡大家族交流会が持たれ、様々な意見や状況が発表された。毎回テーマ別にグループに分かれ、役員がリーダーとして付く。今年は当事者の参加は少なかった。

 中でも新宿フレンズに来て良かったという意見が多くあり、主催側としては満足感を一定程度持てたと感じている。

 ある人は睡眠薬に不安感があり、保健所に聞いたが「運動すれば」と返されたという。今日参加して、それに代わる薬もあることを知って希望が湧いたという。また、ある人は当初独居は無理と思っていたが、デイケア、作業所、グループホーム、アパートというルートを辿り、順調な回復への道を歩んでいる。

 パニック障害を持つ息子の母親は、今、インターネットのキンドルで本を書いている。そのうち売れるような本を書くと言っているという。長年地獄を見て来たので、今は幸せだと笑顔を見せた。

 新宿フレンズではこの笑顔を見たくて活動を続けている。しかし、皆、一度は地獄を見てきたのである。今、厳しい状況にある人もいつかは笑顔を見せて欲しいと願っている。   嵜